110分〜119分

クライム

ガール・ウィズ・ニードル (2024年) 115分【ネタバレなし感想】今まで観たことないタイプのとんでもないホラー。人によってはガチのトラウマ映画。一歩間違えたら上映禁止レベルの内容。良質な胸糞映画を摂取したいという方にオススメ。

ネタバレ無し感想常軌を逸したホラー映画はなぜかいつも幸福度ランキング上位国で産まれる謎。 本作はデンマークの胸糞映画です。この映画、やば過ぎる。実話ベースじゃなかったら上映禁止になってたんじゃないかというぐらいやばい。内容として胸糞映画を作ってやろうと思っている人なら誰しも1番最初に思いつくと思うのですが、誰もこの一線を越えようとは思わないポイントです。倫理的に今までどの映画も踏み越えられなかった一線を、本作は実話であるという点を盾に踏み越えてます。映像はグロくないどころか、映像は非常に美しいです。音もかなり効果的に使われており、緊張感がずっと続きます。個人的にこの緊張感の演出は直近でみた教皇選挙に近かったです。張り詰めています。一呼吸おかせてくれません。ずっと休ませてくれません。教皇選挙とガール・ウィズ・ニードルを連続で観たら、凝ってない肩が凝ると思います。実話ベースですが、事前情報を一切見ずに観た方がショッキングで良いと思います。妊娠中の方や、赤ちゃんが出てくるホラーが苦手だったり、赤ちゃんや子供が酷い目に遭う映画がダメな方は心理的負担が大きいかもしれません。視聴の際はご注意くださ...
ドラマ

花まんま (2025年) 118分【ネタバレ・考察】今、デートで行くならこの映画。演技良き、脚本良き、テンポ良き、エンタメ性良き、全てにおいてハイクオリティだけど個人的には全く刺さらなかった邦画。

ネタバレ無し感想多分大多数の人には刺さる本作は家族愛についてのお話でした。個人的なバックグラウンドが理由でこの作品には感情移入できる人物がいませんでした。理由は下記の通りです。家族や兄弟がおらず家庭をあまり経験していない。スピリチュアル・アンチ。血の繋がりに固執していない。個の話にそんなに熱を持てない私の感覚はマイノリティだと思うので、これから鑑賞しようか迷っている方の判断材料にはならないかも知れません。同じような感覚の方にはあまりオススメしないかもしれません。そんな私でも高評価せざるを得ない俳優の演技、脚本、映像、キャラクター造形、独自性、テンポ感、エンタメ性、独自の世界観など、様々な点において、ハイクオリティな作品だったと思います。予告編を観る限りでは"邦画によくある感動ポルノ"と勘違いしてしまってましたが、それぞれの人物描写に不自然感も無く、突拍子もない展開もないのですんなりと物語が入ってきます。使い捨てのキャラクターがいないのも好印象です。それぞれがきちんと重要な役割与えられています。全体的にクオリティが高い作品でした。基本情報PETALS AND MEMORIES花まんま20...
ドラマ

まる (2024年) 117分【ネタバレ・考察】ずっとダラダラしている映画。面白くなりそうなのに、何故かいちいち退屈でクサイ描写。見どころがない。穏やかすぎるジョーカー。クリエイターは共感できるところが多いのかも。

ネタバレ無し感想とにかくテンポが悪いです。台詞が安っぽいです。キャラクターにも展開にも全くリアリティがないのですが、エンタメしてません。リアリティがないならアッと驚く映像が見たいです。見どころがありません。一応テーマ性があり、個人的には好みなタイプのラストと展開のはずなのですが、あまりにも映像も脚本も退屈だったのでとにかく時間が長く感じました。前半は「いつ面白くなるんだろう」後半は「いつ終わるんだろう」と思っていました。配信で観ていたのですが、途中で限界が来たので家事をやりながら観ていました。この監督の作風なのでしょうか?まったり、ゆるふわ、穏便系なのでしょうか?個人的には全く良さがわからない映画でした。展開は好き円で始まってこの映画も円のように終わります。資本主義社会、搾取し、搾取される社会を割と主人公と同じような、主張の無いテンション感で描くところも好きでした。「なんか社会ってこんな感じっぽいね」みたいなトーンです。アーティストが置かれている現状をきちんと描いていたと思います。このトーンも、展開も好きなのですが、とにかくつまらなかったです。全体的につまらない映像的な面白さも、会話の...
コメディ

終わりの鳥 (2023年) 110分【ネタバレ・考察】ポスターの印象とは違い、ダメな母親の成長物語。A24に苦手意識ある人でも観やすいかも。ファンタジーなのに現実的で、悲しいのに解放的な、死の必然性についてリアルにコミカルに描いた不思議な空気感の作品。

ネタバレ無し感想ポスターデザインがめちゃくちゃ良いですよね。 このカラフルなデザイン。フライヤーを飾りたいほどです。しかし、本作の映像の色彩などの世界観は案外現実的です。予告編を観た段階ではA24らしい映画(飲み込みずらい映画)なのかなと思って気構えて観に行ったのですが、思ってたより観やすい作品でした。A24らしさを期待したらガッカリするかもしれませんが、A24に苦手意識がある人は観やすいかもしれません。個人的には退屈ではないのですが、画面があまり変わり映えしないのでまったりしてました。映画館で観るならポップコーンあった方が良かったかもですね。死についての話ですが、コメディトーンの作品なので観た後そんなに引き摺らないです。イギリスのコメディが好きな人は好きかもしれません。映画館で観たのですが笑い声がちらほらと聞こえていました。母娘が死に直面するという内容ですが、綺麗事にも頼らず、感動ポルノに着地せず、個人的には好きなタイプのラストでした。基本情報Tuesday終わりの鳥2023年 110分キャッチコピー『"お迎え"に参りました』製作国 : アメリカ/イギリス日本公開 : 2025年4月...
オカルト/超自然ホラー映画

イノセンツ (2021年) 118分【ネタバレ・考察】ずっと不穏。変なゾワゾワがずっと続くジュブナイル・ホラー映画。個人的には姉妹愛エンド。

ネタバレ無し感想個人的にはずっと不穏な感じがし続けるタイプのホラー映画でした。 しかし立ち向かっていく姿がかっこ良く、鑑賞後感はよかったです。観客の想像に委ねるような表現が多いので人によってだいぶ感想が変わりそうです。日本の漫画「童夢」が元ネタということらしいのですが、原作を読んでいたらまた感想が変わりそうです。個人的には見方があまりよくわからず、腑に落ちないところもある作品でした。イノセンツもラムも裏に何か感じさせておいてそれを明確にさせてくれないので消化不良感が残ります。余白が多い作品ということなんでしょうが、全て台詞で説明する作品ばかり作っている日本に生まれ育ち、アメリカ映画に毒されている身からするとなんかイマイチ腑に落ちないところはありました。あるいは童心を失ってしまっているから察せないのかもしれません。純粋が故の残虐性が怖いという人には最適なホラーかもしれません。基本情報De uskyldige/The Innocentsイノセンツ2021年 118分キャッチコピー『大人には、秘密。』製作国 : ノルウェー/ スウェーデン/フランス日本公開 : 2023年7月28日スウェーデ...
エロティック・スリラー

ベイビーガール (2024年) 115分【ネタバレ・考察】また女の性の開放をまた描くの?と思ったらポリアモリーやEQ、ジェネレーションギャップなど、どこか新時代的な内容の映画だった。20年後にまた観たい。

ネタバレ無し感想このタイプの主人公の第一人者でしょう! あるいは二度とこのタイプの主人公は現れないでしょう!笑それにしても大御所にして、ここまで恥部を曝け出したニコール・キッドマンには感服です。ホンモノ過ぎる。本作でより一層ファンになりました。個人的には女性のオーガズムシーンNo.1のインパクトがある映画です。鑑賞直後はそこまで高評価ではなかったのですが、鑑賞後にどんどん評価が上がりました。しかも観たことのないタイプの映画過ぎて、観た直後は消化不良を起こしていましたが、時間が経てば経つほど面白いです。さすがA24が配給する作品、新しい価値観をぶつけてきます。フェミニズム的な始まりですが、それよりZ世代との価値観のギャップに戸惑いながらも、その新しい価値観によって解放される作品に見えました。爆笑できるシーンもちょいちょいあったので早くもう1回観たい。とにかくいろんな年齢層、性別の人の感想が聞きたくなりました。人によって視点がだいぶ変わりそうなので、ある種のリトマス試験紙になり得そうな作品です。基本情報Babygirlベイビーガール2024年 115分キャッチコピー『やめないで』キャッチコ...
アドベンチャー

悪い子バビー (1993年) 114分【ネタバレ・考察】なんで本作がそこまで有名じゃないのかが解せない。宗教へ疑問を抱かせ存在意義を問う強烈な名作。『哀れなるものたち』の男&現実版。思考実験のような映画。

ネタバレ無し感想本当にすごい作品を見てしまった気がします。感動したのか何なのかわかりませんが、本作を見終えたとき呆然としていました。嵐のようなテンポ感で進んでいき、気がついたら映画が終わっていました。作中、ずっと悲しくて切なかったのですが、後味の悪くない素敵な作品です。『哀れなるものたち』の男・現実世界版という感じでしょうか。今の時代には作れない作品です。そしてバビー役の俳優の演技力がすごいです。かなり体も張ってます。そしてものすごく目が綺麗です。あと映像、音楽も面白い。そしてテーマは人体の構造のように複雑に絡み合っていて言語化ができません。まさにアートという感じです。映画である必要性のある作品という印象を受けました。基本情報Bad Boy Bubby悪い子バビー1993年 114分キャッチコピー『奇妙で、無情で、過酷でも、愛に溢れた人生。』製作国 : オーストラリア/イタリア日本公開 : 2023年10月20日イタリア(ヴェネツィア映画祭):1993年9月1日オーストラリア:1994年7月28日製作費 : 80万豪ドル興行収入 : 808789豪ドルレイティング : R18+ジャンル...
オカルト/超自然ホラー映画

ザ・リング (2002年) 116分【ネタバレ・考察】本家リスペクトはめちゃくちゃ感じたけど恐怖度はだいぶ下がってしまった作品。

ネタバレ無し感想インパクトが弱い! そのまんまリメイクしておけばいいものの、そのまんまリメイクするには文化圏が離れ過ぎていて伝わらない!ということで内容がだいぶアメリカナイズされていますが、そしたら中途半端でピンとこない話になっちゃった!笑映像がSAWっぽいテンポ感&編集でした。軽やかです。ヘレディタリーの方がJホラーっぽい静けさがありました。笑忍び寄ってくる感じがないです。映像は面白かったし、Jホラー感も頑張ってたと思います。本家を観たことがあるからつまらないと感じてしまうけど、これしか知らなかったらもう0.3くらいスコア上がってたかも。基本情報The Ringザ・リング2002年 116分キャッチコピー『そのビデオを見たものは、7日後に必ず、死ぬ』製作国 : アメリカ日本公開 : 2002年11月2日アメリカ:2002年10月18日製作費 : $48,000,000興行収入 : 世界:$249,348,933日本:17.5億円レイティング : PG-12ジャンル:ホラー / ミステリーあらすじそれを見た者は7日後に死ぬ…。新聞記者のレイチェルは、そんな呪われたビデオテープの存在を知...
ロマンス

ヴェルサイユの宮廷庭師 (2014年) 117分【ネタバレ・考察】高齢者向けの恋愛映画かも。負の要素を可能な限り排除した上品で優雅な物語。

ネタバレ無し感想ハリー・ポッター・シリーズのスネイプ先生役で有名なアラン・リックマン(1946年2月21日 - 2016年1月14日-69歳没)の最後の監督作品です。全体的に優雅で上品な感じです。確かに60代の上品な紳士が好きそうな恋愛作品だなと思います。個人的には全体的に言い回しが遠回しすぎて何言っているのかわかりませんでした。そのため、それぞれの登場人物の詳細な感情の機微は汲み取れませんでしたが、NHKっぽい感じの道徳的であっさりとしていて気分を害さない映画でした。多分実際はもっとエグいんだろうなと思います。なんかケイト・ウィンスレットって大体同じ顔してませんか?ちょっと困っていて何か考えているような顔。個人的にマティアス・スーナールツがドタイプで大好きなので観てよかったです。今までパッケージの甘美な雰囲気が嫌いで観てなかったのですが、内容は普通に楽しめました。ずっと品のある映像が続いていたので唐突にポップにおっぱいが出てきたのには驚きました。基本情報A Little Chaosヴェルサイユの宮廷庭師2014年 117分製作国 : イギリス日本公開 : 2015年10月10日カナダ...
コメディ

スクリーム (1996年) 111分【ネタバレ・考察】ホラー映画ファンによるホラー映画ファンのためのメタホラーコメディ映画。

ネタバレ無し感想めちゃくちゃ面白い。 この映画、メタホラーコメディの伝説の1本ですね。爆笑。観客の思っていることを登場人物たちが全部代弁してくれます。面白すぎる。登場人物は多いのですが、この人注目してね〜という感じでキャラクターがハッキリしている人は数人なのでわかりやすいです。本当にホラー映画のプロが作ったクソおふざけコメディ。しかしホラーやスリラー要素もしっかりあるので抜かりがありません。プロフェッショナルがふざけたらこんなに面白いんだという感動。とにかくありがとうと言いたくなるような映画でした。基本情報Screamスクリーム1996年 111分製作国 : アメリカ日本公開 : 1997年8月23日アメリカ:1996年12月20日製作費 : $15,000,000興行収入 : $173,046,663レイティング : PG-12ジャンル:コメディ・ホラー / ホラー / スリラーあらすじ田舎町のウッズボローで、高校生のカップルが惨殺される事件が起きた。クラスメイトだったシドニーは、1年前に母を殺された記憶を呼び起こされていら立つ。そんな時、彼女はハロウィンマスクの殺人犯に襲われた。間...