社会問題

ドラマ

普通の人々 (1980年) 124分【ネタバレ・考察】崩壊していく完璧な家族。母性なんて最初から無い。家族地獄映画の名作。

ネタバレ無し感想普通の人々でしたね。 その辺にいる人たちの話でした。理想を他人に押し付ける悲劇。色々なところで散見される現象ですが、本作の場合は母親がソレだったので地獄でした。とにかくずっと苦しい作品ですが、最後は救われるのでまだ後味はいい作品だったと思います。葛城事件の父親と、普通の人々のこの母親は意気投合しそうです。基本情報Ordinary People普通の人々1980年 124分キャッチコピー(英語)『Everything is in its proper place…Except the past.』製作国 : アメリカ日本公開 : 1981年3月7日アメリカ:1980年9月16日 (ニューヨーク)製作費 : 600万ドル興行収入 : 5480万ドルジャンル:ファミリー / ドラマ / 個人的絶頂映画あらすじボートで遠出した兄・バックと弟・コンラッドは、途中でボートが転覆し弟だけが助かる。だが、それ以来バックを溺愛していた母・ベスとの間にわだかまりが生じてしまう。父・カルヴィンは、コンラッドとべスの関係を解きほぐそうと苦悩するが…。※参照元:U-NEXT英語版 予告編スタッフ...
コメディ

アイ・アム まきもと (2022年) 105分【ネタバレ・考察】前半良かったのに後半はピンとこない残念映画。

ネタバレ無し感想阿部サダヲがコミカルでとっても愛らしいです! 音楽も明るくてテンポ良くて見やすい!まさかのアスペ映画でした。アスペの愛嬌が存分に描かれていたと思います。こういう人めっちゃ好きなんですよね。大抵ASD映画って悲劇的な結末を迎えることが多かったのですが本作ではとにかく可愛くて愛嬌満載で思わず好きになってしまうキャラクターとして描かれていた印象です。コミュニケーションでちょっと変なところあるけどそここそが魅力です。面白くて真っ直ぐで愛おしい。とにかく阿部サダヲがめちゃくちゃ可愛かったです。しかし、後半がだいぶ失速します。前半は、社会問題を提起しておいて、なんの論も出さずに個人の話をダラダラとし、最期はファンタジーで終わりました。一応、平和的なエンディングでしたが、本作が掲げた社会問題は今後も結論が出ることはないと思いますので、モヤモヤさせたまま謎の終わり方をしてもらいたかったです。基本情報I AM MAKIMOTOアイ・アム まきもと2022年 105分キャッチコピー『世界をつなぐ、迷惑もある』製作国 : 日本日本公開 : 2022年9月30日ジャンル:コメディ / ドラマあ...
ドラマ

花いちもんめ。 (1985年) 122分【ネタバレ・考察】とにかく俳優の演技が凄い。なぜか今となっては知名度が低い日本映画の名作。

これは凄い映画を見てしまいました。 いろんな意味でホラーです。おじいちゃん役の俳優の演技が凄すぎます。こんなに素晴らしい演技をする俳優さんが日本にいたんだ。とにかく凄い。圧巻の演技力です。なんでこの作品、今となっては全く話題に上がらなくなってしまったんだろう?間違いなく名作・名演です。
クライム

コンプライアンス 服従の心理 (2012年) 90分【ネタバレ・考察】人間の判断能力の鈍さを痛感する、まるでドキュメンタリーかと見紛う作品

ネタバレ無し感想実際にアメリカで起きた”イタズラ電話”の映画化です。 これだけ聞くと全然面白くなさそうじゃないですか。でもめちゃくちゃ胸糞悪いです。イタズラ電話の範疇を超えた被害内容です。実際の事件の概要ストリップサーチいたずら電話詐欺アメリカ合衆国で2004年に犯人が逮捕されるまでおよそ10年間続いた一連の事件の総称である。一連の犯行は70件を数え、行われた場所も30州もの広範囲にわたっていた。引用元:Wikipedia本映画では2004年4月9日マウントワシントン(犯人が捕まった最後の犯行)での出来事について描かれています。基本情報Complianceコンプライアンス 服従の心理2012年 90分キャッチコピー『この物語は事実に基づく』キャッチコピー(英語)『INSPIRED BY THE TRUE EVENT』制作国 : アメリカ日本公開 : 2013年6月29日アメリカ(SFF):2012年1月21日アメリカ:2012年8月17日興行収入 : $319,285ジャンル:スリラー / クライムあらすじ週末のファストフード店に、警察官を名乗る男から電話がかかってくる。男は電話越しに...
アクション

ランボー (1982年) 97分【ネタバレ・考察】この映画で泣くとは思っていなかった。バカアクションの面を被った社会派作品。

ネタバレ無し感想爆発ガンアクションのイメージが強かったのでかなり斜に構えて鑑賞しました。 ”どうせ屈強な男が暴れるだけの中身のないアクション映画なんでしょう?”と。私には合わない映画かと思っていました。表向きはシルベスタスタローンが無双するご都合主義上等のアクション映画です。しかし、当時のアメリカの社会問題がしっかり描かれていました。それを知っていたらもっと早く観たのに。食わず嫌いせずにとりあえず目についたものを観るタイプでよかった。名作だった。今後も雑食続けよう。基本情報First Bloodランボー1982年 97分制作国 : アメリカ日本公開 : 1982年12月18日アメリカ:1982年10月22日製作費 : $15,000,000興行収入 : アメリカ:$47,212,904世界:$125,212,904日本(配給収入):12億円レイティング : R-15ジャンル:アクションあらすじベトナムでグリーン・ベレーとして活躍したランボー。ある日、ベトナム時代の戦友を訪ねたが、戦争の後遺症ですでに死んでいた。近くの街に立ち寄ったランボーは、警察署長・ティーズルたちにばかにされて陵辱さ...
ロードムービー

EO イーオー (2022年) 88分【ネタバレ・考察】人間社会の残酷さを一匹のロバ目線で描いた作品。すごい映像美。

ネタバレ無し感想行き場を失ったロバのEOが、訳もなく彷徨うのですが、人間社会がいかに動物にとって行きずらいのかをEOの目線で教えてくれます。 EOがめっちゃ可愛い。まずロバ可愛い。そして芸術性が非常に高い作品でした。観たこともないタイプの映像美。食育映画とも捉えられる。思想強めにも感じる。映画としてとってもいい作品でした。動物愛護団体はこの映画を見た方がいいと思います。過激な活動をして嫌われている動物愛護団体やヴィーガンは本作を見習った方がいいんじゃないでしょうか。EOが可愛い!愛おしい!好き!と思わせつつ、直接的で残虐性な映像ではなく、美しい映像の中でずっとEOが独りぼっちという穏やかな表現。だったので、思想を感じる映画の中でも見応えがあり、美しい作品でした。EOのおかげで穏やかに自分達が生きている社会の残酷さ、冷徹さを改めて見つめ直したいと思えるような作品でした。基本情報英語:EO ポーランド語:IOEO イーオー2022年 88分制作国 : ポーランド/イタリア日本公開 : 2023年5月5日ポーランド:2022年9月30日フランス:2022年5月19日興行収入 : $1,800...
ドラマ

こちらあみ子 (2022年) 104分【ネタバレ・考察】残酷なほどリアルに発達障害の女の子を描いた作品。

ネタバレ無し感想ADHD+ASD+LDの女の子を定点観測したかのような映画でした。風変わりではないです。完全に発達障害です。映画を売り出す時に発達障害という文言を使うと、どこかあみ子に対して批判的な気がするので風変わりと柔らかい言葉にして良かったと思います。ただ、事前情報ゼロで観始めたので、てっきりサクッと観れる田舎のおてんば娘の話かと思って再生してしまいました。かなり重い話だったのでご注意ください。基本情報AMIKOこちらあみ子2022年 104分キャッチコピー『応答せよ、応答せよ こちらあみ子、こちらあみ子』制作国 : 日本日本公開 : 2022年7月8日ジャンル:ドラマ / ファミリーあらすじあみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さんとお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹に赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生・のり君たちと元気に過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていく…。※参照元:U-NEXT日本版 予告編英語版 予告編スタッフ監督 : 森井勇佑脚本 : 森井勇佑原作 : 今村夏子製作 : 南部充俊/飯塚香織製作総指揮 : 近藤貴彦音...
B級ホラー

拷問男 (2012年) 107分【ネタバレ・考察】グロゴアの皮を被った地に足の着いた社会派スリラー。完全に邦題で損している良質低予算映画。泣いた。結構胸が痛くなる展開。

ある種のタイトル詐欺。原題の”Daddy’s Little Girl”のままの方が良かったと思います。B級スプラッターかと勘違いさせる完全な邦題ミスです。拷問男というタイトルで”ムカデ人間”や”ホステル”のような映画を想像した人は多いんじゃないでしょうか。人権ガン無視で人体破壊をしまくるヤバい男が出てくる映画かと思ってしまいました。
まさかこんな良作だったとは。