人怖

クライム

ガール・ウィズ・ニードル (2024年) 115分【ネタバレなし感想】今まで観たことないタイプのとんでもないホラー。人によってはガチのトラウマ映画。一歩間違えたら上映禁止レベルの内容。良質な胸糞映画を摂取したいという方にオススメ。

ネタバレ無し感想常軌を逸したホラー映画はなぜかいつも幸福度ランキング上位国で産まれる謎。 本作はデンマークの胸糞映画です。この映画、やば過ぎる。実話ベースじゃなかったら上映禁止になってたんじゃないかというぐらいやばい。内容として胸糞映画を作ってやろうと思っている人なら誰しも1番最初に思いつくと思うのですが、誰もこの一線を越えようとは思わないポイントです。倫理的に今までどの映画も踏み越えられなかった一線を、本作は実話であるという点を盾に踏み越えてます。映像はグロくないどころか、映像は非常に美しいです。音もかなり効果的に使われており、緊張感がずっと続きます。個人的にこの緊張感の演出は直近でみた教皇選挙に近かったです。張り詰めています。一呼吸おかせてくれません。ずっと休ませてくれません。教皇選挙とガール・ウィズ・ニードルを連続で観たら、凝ってない肩が凝ると思います。実話ベースですが、事前情報を一切見ずに観た方がショッキングで良いと思います。妊娠中の方や、赤ちゃんが出てくるホラーが苦手だったり、赤ちゃんや子供が酷い目に遭う映画がダメな方は心理的負担が大きいかもしれません。視聴の際はご注意くださ...
B級ホラー

ウィッカーマン(劇場公開版) (1973年) 88分【ネタバレ・考察】ミッドサマーに影響を与えたフォークホラー。まさかのミュージカルテイスト。キリスト教と異教徒の対立。緻密な脚本と奇妙な映像。地獄のエンディングからのスタッフロールに衝撃。

ネタバレ無し感想本作はアリ・アスターが影響を受けたと言われている作品です。映像全体の雰囲気や恐怖の種類はミッドサマーに似ています。しかし物語は全く違うので、ミッドサマーを観たことがある方でも面白いのではないかと思います。情報参照元:番外編 『ミッドサマー』をめぐって アリ・アスター監督 Q&Aイベントレポート個人的な印象としては「ミッドサマー」も「ヘレディタリー/継承」も「ボーは恐れている」も同じ仕組みですね。アリ・アスターの作風の原点なのでしょうか。テンポ良くて観やすいです。映像も面白いです。ちなみに割と音楽シーンが多いミュージカル・ホラーでした。個人的にはスリラー映画としても非常に面白かったのですが、宗教に関心がない人、特にキリスト教に全く関心がない人からするとこの映画はめちゃくちゃ退屈かもしれません。ミッドサマーはキリスト教の知識がなくても楽しめる仕組みになっていましたが、本作に関してはキリスト教について何も知らない状態でみると大して面白くない作品な気がします。特に日本人にとっては本作はキリスト教の刑事が異教徒の文化に巻き込まれていくという内容なのですが、その異教徒が日本の文化を...
アクション

シンパシー・フォー・ザ・デビル (2023年) 90分【ネタバレ・考察】ニコラス・ケイジのファン必見。ニコラス・ケイジのコミカルな怪演で最後まで引っ張っていった映画。言葉にできない気持ちになるラスト。

ネタバレ無し感想音楽の使い方がよく、映像の色合いも個性的でライトが効果的に使われていた印象でしたが、ニコラス・ケイジでなければ最後まで見ていられなかっただろうなと思いました。不思議とテンポの悪さは感じませんでした。退屈を感じる直前で場面が変わったり、クールな音楽が流れたり、ニコラス・ケイジが変なことをし始めたり。最後まで退屈せずに見ることができましたが、上級者向けな作品なのではという印象です。個人的には、内容はそんなに面白くなかったけど、俳優が良かったので面白い映画という印象になった作品です。ニコラス・ケイジのファンは必見の作品なのではないでしょうか。物語にはいまいち乗れなかったが、俳優の演技が良くて最後まで楽しめた作品の一つでした。シンパシー・フォー・ザ・デビルの意味シンパシーとは同情や哀れみという意味があるため、『悪魔への哀れみ』となるのではないでしょうか。ローリング・ストーンズの曲に同名の歌がありますが多分本作とはまるで関係ないですね。その曲の邦題は『悪魔を憐れむ歌』となっています。基本情報Sympathy for the Devilシンパシー・フォー・ザ・デビル2023年 90...
B級ホラー

ソフト/クワイエット (2022年) 92分【ネタバレ・考察】ヒス女たちにめっちゃイライラするし胸糞悪い。”Karen”たちによる人種差別&集団ヒステリーホラー。

ネタバレ無し感想これは凄い。どれだけ撮影大変だったんだろう。 全編ワンカットで迫力があります。息苦しい映画です。もはや殺人と集団ヒステリーの犯罪ドキュメンタリーです。空気感の演出が生々しくて現場にいるような気分になります。個人的には序盤の方がめちゃくちゃ緊張感ありました。そして俳優たちが大丈夫か心配。この内容だと本人たちに殺害予告とかきてそう。主人公役の女性すごく良かったです。実際に世界中に拡散された人種差別動画を元に製作された作品ということらしいです。基本情報Soft & Quietソフト/クワイエット2022年 92分キャッチコピー『それは、しずかで、やさしい”怪物”』キャッチコピー(英語)『An american nightmare』製作国 : アメリカ日本公開 : 2023年5月19日アメリカ:2022年11月4日ジャンル:ホラー / モキュメンタリー / スリラーあらすじ幼稚園に勤めるエミリーと5人の女性たちは白人至上主義のグループを結成する。多様性を重んじる風潮、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して盛り上がる。そして彼女たちは立ち寄った食料品店...
B級ホラー

みなに幸あれ (2024年) 89分【ネタバレ・考察】部屋でヌクヌク映画を観ているお前ら全員の話。我々の醜さをありありと見せつけてくる怪作。

ネタバレ無し感想どこがじゃぁあい!どこがみなに幸あれじゃぁあい! 思っとらんやろがぁあい!ただただ、気持ち悪いだけの映画として作ってるんじゃなくて、メッセージ性をちゃんと用意してるところがいいですね。しかしメッセージがわかりやす過ぎました。笑いちいちセリフで説明してくれるし。笑すっごく嫌な映画です。映像がキモいのはもちろんのことですが、内容が嫌!アリ・アスターみたいなタイプの嫌な映画です。人類が逃れられない題材を持ってきやがった。にしてもキャスティングの大勝利ですね。主演の古川琴音が童顔でキュートなんだけど、絶妙に不気味ですごくいいです。基本情報Best Wishes To Allみなに幸あれ2024年 89分キャッチコピー『地球上の幸せには、限りがある』製作国 : 日本日本公開 : 2024年1月19日レイティング : R-15ジャンル:ホラー / スリラー / B級ホラー / コメディ・ホラーあらすじ看護学生の孫は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いにいき、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には“何か”がいる。そしてある時から、人間の存...
B級ホラー

ザ・ハント (2020年) 89分【ネタバレ・考察】右翼も死ね!左翼も死ね!富裕層も貧困層も死ね!っていうみんな死ね映画

ネタバレ無し感想予告編も見ずに見た方がいいです。富裕層も貧困層も右翼も左翼も徹底的にバカにする愉快犯的な映画でした。 右も左も上も下も、四方八方全部が敵よ!正義も神もクソ喰らえ!俺は生きたいだけだ!っていうロックな感じ。世の中のいろいろなどうでもいい思想にうんざりしている人はめっちゃ楽しいと思います。この映画は全ての思想をバカにしています。この映画に主張があるとすれば、人間はバカっていうことですかね。邦画でリメイクするなら絶対に藤原竜也が序盤のあの男に配役されて欲しい。ムシャクシャした時におすすめです。基本情報The Huntザ・ハント2020年 89分キャッチコピー『全米が封印した、2020年最大の問題作。』製作国 : アメリカ日本公開 : 2020年10月30日アメリカ:2020年3月13日製作費 : $14,000,000興行収入 : アメリカ・カナダ:$5,812,500日本:2800万円世界:$10,843,260レイティング : R-15ジャンル:アクション / スリラーあらすじ森の中で目覚めた12人の男女。そばにあった巨大な木箱には、1匹の豚と数々の武器が収められていた。...
アドベンチャー

食人族 (1980年) 95分【ネタバレ・考察】食人族によるエクスプロイテーション映画かと思っていたらカウンターパンチを喰らうファウンドフッテージの元祖。観客を含む全員が食人族エンド。

ネタバレ無し感想製作陣、観客、関係者の全員に唾を吐き捨てるような作品でした。 ジョーカー:フォリアドゥに通づる、観客に対して冷水をぶっかけるメタ的な構造になっています。好きです。一部、本物のスナッフフィルムが差し込まれています。そして本物の動物を殺すシーンもあります。その他のグロ表現もクオリティが非常に高いです。グロ映画にあまり耐性がない方や、グロ映画初心者の方は、テリファー 終わらない惨劇あたりから見始めるのをオススメいたします。残虐シーンがドキュメンタリータッチで撮影されているのもあり、リアリティがすごいです。泥だらけで汚い。現地の人に撮影協力をしてもらったそうですが、それも相まってリアリティに拍車がかかっています。グロ過ぎて何がなんだかわかんねーよ!映像的なインパクトもそうですが、案外ちゃんとテーマ性がありました。しかし、グロ描写のインパクトが強過ぎてあんまり内容が入ってきません!そして、もう一度観ようという気には到底なれません。本作はあらゆるレビューサイトで非常に評価が低いのが特徴です。グロだけで作られた作品ではなく、案外映画としても内容がしっかりしていましたが、グロ映像のイン...
サイコホラー

屋敷女 (2007年) 83分【ネタバレ・考察】世界中でカットにカットを重ねられた、妥協なきグロ映画。とんでもない映画。

ネタバレ無し感想容赦ないグロゴアでテンポ良くて面白かったです。 一応、5行くらいで書き終わってしまいますが物語もちゃんとあります。思ってたより切ないラストでした。グロ表現が本当に酷いのでご注意ください。私は休憩を挟まないと最後まで観れませんでした。最初はあんまり予算なかったのかな?という質感だったのであまり期待していなかったのですが、案外ちゃんと作られていました。グロゴア表現が常軌を逸しています。ところどころ個性ある映像も差し込まれていて、見応えあります。無駄なセリフがないのですが最後まで見てしまいます。基本情報À l'intérieur/Inside屋敷女2007年 83分キャッチコピー『この女、凶暴につき。』製作国 : フランス日本公開 : 2008年6月21日フランス:2007年6月13日アメリカ:2007年10月17日レイティング : R18+ジャンル:ホラー / ボディホラー / スプラッター / スリラーあらすじクリスマス・イブの夜。出産を翌日に控えた妊婦・サラの家に、黒い服を着た長い髪の見知らぬ女が忍び込んでくる。女は巨大なハサミを手に、サラに襲いかかる。信じられない衝撃...
ドラマ

黒い太陽 七三一 戦慄!石井七三一細菌部隊の全貌 (1988年) 105分【ネタバレ・考察】撮影方法に問題がありすぎて映画としての評価ができない映画。

ネタバレ無し感想悪趣味映画界では割と有名な作品。本物の猫を虐待し、本物の死体を使って撮影している倫理観の狂った作品であるからです。子供の頃、日本とドイツの医療は戦争時の人体実験により飛躍したって話を聞いたことがありましたが、ここまで凄惨な大量殺人だとは想像していませんでした。一応、映画は映画なので、という程度に留めておいた方がいいかと思います。香港人が中国で作った映画なので、真偽がわかりませんん。鵜呑みにはできないです。しかし、本作は極端に日本人を悪く描こうとしているかというと、そういう意図はあまり感じません。全員が戦争の被害者であるというのが第一印象でした。本作の原作は「悪魔の飽食」という本だそうで、監督はできるだけ忠実に再現しようとしたとのこと。読んだところで国が正式発表するわけもなけりゃ今から正確な調査ができるわけでもなけりゃ、もちろん自分の目で見ることもできないのでもはや真実は闇の中です。しかし、本作で描かれていた酷いことが行われていたと言われても全く違和感はないです。
ナチスにもサイコ医師いましたしね。本作をリメイクするなら、日本のことも中国のことも知らない、ボンゴあたりの1...
SF

ザ・セル (2000年) 107分【ネタバレ・考察】とにかく素晴らしい映像美。アングラ・アート感満載で内容がどうでも良くなるレベル。

ネタバレ無し感想とにかく美しい映像美で精神世界が描かれていきます。 アート版のインセプション。序盤の20分くらいは意味不明ですが、ちゃんと後半は面白くなっていくので安心してください。恐らくなんですがあまり深く考えてはいけません。多分2回見てはいけない作品のような気がします。インセプションと羊たちの沈黙とマルホランド・ドライブを混ぜてアングラ・アートで出力したような作品でした。とにかくビジュアルが良すぎます。アングラ・アートが好きな方にはツボなんじゃないかと思います。基本情報The Cellザ・セル2000年 107分キャッチコピー『その人の絶望を、受け入れることができますか』キャッチコピー(英語)『HIS MIND IS HER PRISON』製作国 : アメリカ日本公開 : 2001年3月24日アメリカ:2000年8月18日製作費 : $33,000,000興行収入 : $104,155,843レイティング : R-15ジャンル:SF・ホラー / ホラー / SF / スリラーあらすじ人間の意識に入り込む研究をする心理学者キャサリンに、FBIからある依頼が。それは逮捕された殺人鬼スタ...