ネタバレ無し感想
阿部サダヲがコミカルでとっても愛らしいです! 音楽も明るくてテンポ良くて見やすい!
まさかのアスペ映画でした。
アスペの愛嬌が存分に描かれていたと思います。
こういう人めっちゃ好きなんですよね。
大抵ASD映画って悲劇的な結末を迎えることが多かったのですが本作ではとにかく可愛くて愛嬌満載で思わず好きになってしまうキャラクターとして描かれていた印象です。
コミュニケーションでちょっと変なところあるけどそここそが魅力です。
面白くて真っ直ぐで愛おしい。
とにかく阿部サダヲがめちゃくちゃ可愛かったです。
しかし、後半がだいぶ失速します。
前半は、社会問題を提起しておいて、なんの論も出さずに個人の話をダラダラとし、最期はファンタジーで終わりました。
一応、平和的なエンディングでしたが、本作が掲げた社会問題は今後も結論が出ることはないと思いますので、モヤモヤさせたまま謎の終わり方をしてもらいたかったです。
基本情報
I AM MAKIMOTO
アイ・アム まきもと
2022年 105分

https://www.sonypictures.jp/he/11195836
キャッチコピー『世界をつなぐ、迷惑もある』
製作国 : 日本
日本公開 : 2022年9月30日
ジャンル:コメディ / ドラマ
あらすじ
独りで亡くなった人を埋葬する「おみおくり係」として働く牧本は、つい自らのルールを優先してしまい周囲に迷惑がられていた。ある日、身寄りなく他界した老人・蕪木の埋葬が最後の仕事となる。牧本はわずかな手掛かりを頼りに蕪木の娘を捜すことに。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
スタッフ
監督 : 水田 伸生
脚本 : 倉持 裕
原作 : ウベルト・パゾリーニ
音楽 : 平野義久
キャスト
阿部 サダヲ :牧本 壮
満島 ひかり :津森 塔子
宇崎 竜童 :蕪木 孝一郎
松下 洸平 :神代 亨
でんでん :下林 智之
松尾 スズキ :平光 啓太
坪倉 由幸(我が家) :小野口 義久
宮沢 りえ :今江 みはる
國村 隼 :槍田 幹二
おせっかい情報
見る際の注意
特になし
こんな人におすすめ
コミカルでハートフルな作品が好き。
阿部サダヲが好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
- おくりびと
- プラン75
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
盛大な綺麗事映画
”どんな人だってお見送りされるべきなんだ”という考えは非常に暖かく人情味あふれる考え方で否定する気にはなりませんが、まさに”綺麗事”以外の何者でもないなと思います。
理想論を掲げるのは大いに結構ですが、現実問題を考えてください。
正直、意味がない仕事だとは思います。
無縁仏すらいらないと思います。
火葬したのちに、海に撒いたり土に埋めて自然に還してしまって良いような。
だって誰も墓参りもしないんでしょう?
捨てていかなかったら増えていく一方なんだから場所がなくなっちゃうよ?
自分が孤独死したら燃やしてその辺に捨ててもらいたい。
この映画では前半はそういう問題を提起していたにもかかららず、なんの案も主張もありません。
どんな人でも見捨てないぞという気概
お見送り係、最後の仕事があんなロクでもないおじいちゃんなのか。
そんな人でも見捨てないわよ!っていう映画なのね。
どんな世界の端っこにいる人でも見捨てないということですよね。
まきもとの最後の仕事となったロクデナシジジイがどんな人だったのか判明していく展開となります。
ツケ払いで最低3店舗に借金がある様子。
最期はアル中になっていた(マンションの共用部でしょんべんしたり)。
仕事でも気性が荒い性格からかうまくいっていなかった(ムカついて機会にしょんべんしたり)。
喧嘩で人の顔に一生残る傷を負わせたり。
嫁、子供、元上司、旧友、全員に嫌われているロクデナシおじさん。
どうやら戦争神経症っぽかったみたいです。それは同情するけど。
孤独死して当たり前の人間性を持つ人物でした。
それが深掘りされてき、最期は葬式に何人かの参列者を集めることができたという展開なので、
おそらくこの映画は”誰1人として見捨てないぞ”という心底優しい思想が根底に流れているような気がしました。
ただ興味を持てない
後半はそんなロクデナシ野郎の不在ミステリーみたいな形で物語が進んでいくんですが、興味ない。
すぐキレて会話が通じないゴミ老人じゃないですか。
孤独死して当然としか思えないような人物なので、後半はどんどんこの映画に興味をなくしていきました。
どちらかというとまきもとの変化や成長に興味がありました。
阿部サダヲの演技力
阿部サダヲの演技がめちゃくちゃ上手い。
『お見送り係はやめた方がいい』って上司に言われた時の顔がすごい。
本当にリアルだなと思いました。
リアルにまきもとが存在しているような気がしてしまうくらい良い演技です。
アスペの愛嬌、可愛らしさ、まっすぐさを本当に魅力的に演じていたと思います。
この映画を見た人はまきもとを好きになったんじゃないでしょうか。
私はめっちゃ好きです。
まきもと可愛い

https://www.sonypictures.jp/he/11195836
職場で寝ているハゲの髪の毛がずれていたらそおっと直してあげていたり、管理人のかぶれていないビニールのフードを被せてあげたり、優しい人ですね。
性根が心優しい感じ。
それで天然爆裂させてしまうのでめちゃ愛おしい。
あの写真なら虫眼鏡使わなくても見れるでしょってところでいちいち虫眼鏡使うところも可愛い。
めちゃくちゃ可愛い

https://www.sonypictures.jp/he/11195836
『まきもと今、こうなっていました』
ってマジで可愛い。
後半のシーンで人と関わることで色々と自分の変化を感じて、考えごとして、お風呂にちょこんって入ったのも可愛い。
癖が強いシーン笑
ベストの背中にポッケがあるのマジで謎。笑
『死んだ人の思いは!?』って抵抗の仕方の癖が強い。笑
わざわざ落としてあげたのに。笑
その意図を汲み取れない。笑
上司のトロフィーにおしっこしたのウケる。笑
マジかよ
デスクがめっちゃお骨に囲まれてんじゃん。
身内のお骨ならならまだしも気持ち悪いんだけど!笑
お骨に囲まれて仕事したくないやん。
普通にあんなところで食事できるのも半端ない。
孤独死した人のお家に『え?行くの?』って言われてもズカズカ入っていく感じ、なにも感じていないからなのかな。
ある能力が高い。
演技がきつい
まきもとにキレる人たちの演技が過剰で見てられないです。
演技がクサイ。
こういう邦画の過剰演出は目につきます。
日本っぽいコメディーシーン
骨壷に入らない骨をハンマーで割るのはさすがです。
だって入らないんだもんっていう。
こういうコメディーシーン好きです。
それはどうなんだい
悪意はないんだろうけど、勝手に他人の個人情報満載のパスポートとかをコレクションするのはどうかと思った。笑
変なやつだ!笑
さすがにリアリティ感じない
まきもと、自費で葬儀をしていたんですか。
給料マイナスでしょ。
なんでか無縁仏を自分ができる限り最善の方法で葬ってあげることが趣味になっていたみたいですね。
孤独なまきもと
多分まきもとは大分孤独ですよね。
きっとあのブチギレ他部署の男性はカサンドラ症候群になっているように見えます。
あれだけブチギレているので。
側から見ているとまきもとはとっても愛らしい人物ですが、きっと近くにいる人からすると笑えない大きな問題となっていそうです。
まきもとの人柄を見る限り、すごく平和的で人を不快にさせたくないという気持ちがとても強いようです。
人の役に立ちたい、人に優しくしたいというのが見て取れます。
でも人と関わってしまうと不快にさせたり何故か怒られたりという経験を経て、孤独が心地良いという結論に至っているような気がします。
お見送り係は、これなら自分が人の役に立てると彼なりの社会との繋がりであり、社会貢献だったのかなと思いました。
自分がお見送りした人たちの写真などをコレクションしていたのも彼なりの社会との繋がりだったように思います。
壊されたルーティーン
めちゃくちゃ規則正しい生活を送っていて、部屋は整頓されており、無駄なものがない印象です。
食事をする際も、キッチンで立ちながらフライパンと炊飯器から直接食事をするスタイル。
まあ、効率的で良いですよね。
私も鍋からの直食いはたまにやります。
洗い物が増えるだけでご飯の味も変わらないのに、ご飯もちゃんとよそって、食卓に座って食事をするようになっていましたね。
丁寧な暮らし。
無駄なことが人生を豊かにするということを実感したのでしょうか?
この心情の変化については後半つまらなすぎて集中力を欠いていたのでわかりませんが、
おじさんたちとお酒を飲んだり、赤ちゃん抱っこしたり、楽しかったのかなと思いました。
青信号だったのに
でもこの映画では、まきもとが新たな方法でこの世界と別の方法で関わろうとした瞬間にまきもとを殺します。
せっかく趣味ができたのに。
マジでなんで?この展開にはブチギレです。
これからのまきもとこそ見たいし、なんなら30分のテレビドラマにしてちびまる子ちゃんのように永遠と放映してほしいくらいです。
こんなに魅力的な主人公の死が信号無視した車に轢かれるってなに。マジで。
散らばってゆくテーマ

https://www.sonypictures.jp/he/11195836
前半の孤独死問題から、後半はロクデナシジジイとその周りの人たちの話になって行きます。
いくら虐待されようがひどい目に遭おうが、子供は親のことが忘れられないという気持ち、とってもよくわかります。
そういうAC的な?親を心の底では憎めない、うまく自分の中で折り合いをつけられないという問題。
そして戦争神経症による影響で人格にかなり問題が出てしまったという話みたいですね。
前半の問題とは全く関係のない話ばかり。
最後は心霊やん。
なにこの締まらないエンディング。
苦肉の策感がすごい。
コメント