ネタバレ無し感想
先にオリジナル版を観ないと損した気になるかもですね。 それか、先に本作を見た方がより一層オリジナル版に感動するのでしょうか。
お膳立てとして機能するかは怪しいです。
ミッドサマーは本作からも影響を受けていることが伺えます。
オリジナル版とリメイク版をうまいことミックスして、さらにそれだけでなく、自分の色も加えて完璧なこの系統のホラー作品を仕上げたんだなと思いました。
ちなみに本作はニコラス・ケイジのファンでない限りは特に面白くないと思います。
展開ばボロボロ、映像はB級そのもので、映像も古臭く、安っぽいです。
オリジナル版にあった独自の映像体験や宗教との対立などは描かれておらず、頭の悪いエンタメになってしまいました。
本作では対立構造が現代化しており、その点は良い改変だとは思ったのですが、脚本が練り込まれていない印象です。
また、安っぽい演出や映像美が多く、楽しめる要素がニコラス・ケイジしかないという状態になってしまっています。
お察しください。
基本情報
The Wicker Man
ウィッカーマン
2006年 101分

https://m.imdb.com/title/tt0450345/mediaviewer/rm1195540993/
キャッチコピー『運命を見とどけよ』
キャッチコピー(英語)『BE CAREFUL WHAT YOU SERCH FOR…』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2007年9月1日
アメリカ:2006年9月1日
製作費 : $40,000,000
興行収入 : $38,755,073
ジャンル:ホラー / ミステリー / スリラー
あらすじ
行方不明の娘を探すために、白バイ警官のエドワードは孤島サマーズアイルを訪れ、同島で娘が生活していた形跡を発見する。しかし、島民たちは娘の存在を否定し、真実を語ろうとはしなかった。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : ニール・ラビュート
脚本 : ニール・ラビュート
製作 : ニコラス・ケイジ/ノーム・ゴライトリー/アヴィ・ラーナー/ランダル・エメット/ジョン・トンプソン/ボアズ・デヴィッドソン
製作総指揮 : ダニー・ディムボート/エリサ・サリナス/ジョージ・ファーラー/ジョアン・セラー/トレヴァー・ショート/アンドレアス・ティースマイヤー/ジョセフ・ローテンシュレイガー
音楽 : アンジェロ・バダラメンティ
配給 : アメリカ:ワーナー・ブラザース
日本:SPE
キャスト
エドワード・メイラス:ニコラス・ケイジ
シスター・サマーズアイル:エレン・バースティン
シスター・ウィロー:ケイト・ビーハン
モース医師:フランセス・コンロイ
シスター・ローズ:モリー・パーカー
シスター・ハニー:リーリー・ソビエスキー
シスター・ビーチ:ダイアン・デラーノ
ピート:マイケル・ワイズマン
ローワン:エリカ・シェイ・ゲア
<以下はカメオ出演>
レストランの客:アーロン・エッカート
バーの男:ジェームズ・フランコ
バーの男:ジェイソン・リッター
ポスター/パッケージ
おせっかい情報
見る際の注意
つまらないかも!
こんな人におすすめ
ニコラス・ケイジが好き。
酷評と聞くと観たくなる病。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
男女の対立
オリジナル版ではキリスト教と異教徒の対立なっておりましたが、本作では宗教の対立というより、男女の対立のように見えます。
縮みゆく男かのようなテーマ性となっていたような気がします。
時代背景なんですかね。
主人公のキャラが弱い
厳格なキリスト教というわけでもなく、トキシックマスキュリズムの男性でもないため、普通の男性です。
そのため、対立構造が弱く、退屈です。
もっと過激な女尊男卑な風習で、男尊女卑的な意識が強いキャラクターであればもっと面白くなった気がします。
どの方面に配慮してんだよ。団体から講義受けるくらい過激な脚本にしちまえよ。
徹底的非暴力を貫くアーミッシュから講義受けたら伝説の映画になれたのに。笑
雑な脚本
オリジナル版では、伏線がしっかりしており、脚本の緻密さがありました。
しかし、本作では伏線がなくぬるぬると物語が続いていくので、ダラダラ観るのには良いかなという感じです。
集中するポイントがないという感じです。
矮小化した動機
主人公の動機が矮小化されてしまった印象です。
オリジナル版の主人公は信念が強く、見ず知らずの少女を救いたいという一心で行動をしていました。
その動機は正義感と信仰心からくるものでより崇高な動機のように思えます。
しかし、本作はアメリカ映画らしく、至極個人的な動機に終始しており、普通の人という感じになってしまってつまらなかったです。
話に無理がある
主人公がFBIならまだしも、ただの刑事だったので、劇中しょっちゅうツッコまれていました。
アメリカの警察のシステムを考えると、違う州の刑事がなんの許可も取らずに個人として捜査しにいくというのはどこか不自然で話の生合成に問題があると思います。
やりすぎな演出
序盤のおばさんたちの”怪しい村人”の演技が下手くそでした。
過度に怪しさを表現しすぎ。
コメディのトーンです。
島の計画
オリジナル版のウィッカーマンでは行方不明の捜索願なだけだったので、ハウイー巡査の信仰や正義感が強調されていました。
今回はそもそも島の住民が外に1回出て、妊娠してまでがワンセットのようです。
そしてその子供を使って島に誘き寄せるという内容でした。
過去のトラウマ
安直に過去のトラウマを使うのはやめましょうね。
無理やり組み込んだハラハラ演出

https://www.imdb.com/title/tt0450345/
なんか泳いでみたり、落ちそうになってみたり、定期的に危機的状態に陥りますが、展開に無理があるのでハラハラしません。
もうちょっと上手くやれたんじゃないかと思います。
しかもこれらのハラハラシーン、主人公が勝手にハラハラしているのです。
島の連中が企てたものではありません。
主人公が勝手に一人で行動したうっかりです。
巻き込まれるのが不自然である
オリジナル版ではあくまでも巡査の自由意志で動いた結果、あの場所に誘導されたという展開です。
本作では明らかに元婚約者が主人公を操っているので、あの”わからないけど何か嫌な感じ”が全く表現されておらずガッカリでした。
インセルとキチガイDV男が喜びそうなラスト
この映画、最後は思いっきり主人公が女たちに暴力を振るいます。
この映画全体で女優位社会となっているため、その発散という点ではある種のカタルシスが得られたのかもしれません。
しかし、大多数の男はピンとこないのではないでしょうか。
このカタルシスシーンをもっと大衆的にわかってもらうためには、やはり女集団から男への残虐行為を描いた方が良かったような気がします。
肉体労働をさせられている、そして喋ることを禁止されている、という程度だは物足りない。
もっと差別的に扱ったり、手も足も鎖に繋がれていたり、男たちがあまりにも酷い目に遭っているというシーンがあったなら良かったのに。
分断を煽らない配慮をしすぎ
もっと女を被人道的に描いて良かったと思うし、もっと主人公が有毒で男尊女卑的なキャラクターとして描いて良かったのではと思います。
炎上するかもしれませんが、物語としてはもっと強くなったような気がします。
フェミからの抗議に怯えるなよ!
もっとやれよ!
てか謎のマジック
序盤で交通事故が起きます。
まず、あの炎の中に突っ込んでいく主人公はバカだと思うし、あの爆撃でヘルメットも被っていなかったらかなりひどいやけどを顔に負っているでしょう。
そして消えた母娘。
なんの魔術?この映画ではその魔法的な要素は雑音でしかなかったと思います。
映像の独自性がない
なんというか、全体的にメロドラマかのような安っぽい映像が続きます。
映像美的な面白さがありませんでした。
いらないシーン
宿泊先の女がりんごを食べていました。
アダムとイブを連想させましたが、その後の展開となんら関係がありまん。
しかも、りんごがあってはいけないんです。
凶作だから生贄を捧げるというそもそもの大前提が成立しなくなってしまいます。
屋根裏にたくさん果物がありました。
バカかよ。空箱であれよ。
何をしているんだこの脚本家は。
もういろいろノレない。しかし、

https://www.nathanrabin.com/happy-place/2022/2/22/the-wicker-man-is-a-gloriously-unhinged-cult-classic-thats-one-of-the-best-bad-movies-ever-made
物語として全然ノレなかったのですが、幸いなことに私は今、絶賛ニコケイ・ブームなので困るニコケイ、走るニコケイ、蜂に悶絶するニコケイ、愛しの女性を見つめるニコケイ、子供の死体の幻覚を見るニコケイ、怒るニコケイ、女を蹴り飛ばすニコケイなど、様々なニコケイを観ることができて楽しかったです。
あとやっぱり全体的にニコラスの演技は非常に良かったです。
ニコケイじゃなかったら観てられない映画でした。
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