ネタバレ無し感想
これは久々に痺れましたね。
細部まで作り込まれた衣装、建物、美術、音響、音楽、全てが美しかったです。
また俳優の演技も本当に素晴らしかった。
あまりにも素晴らしい演技だったので主人公に感情移入し過ぎてしまい、鑑賞中に胃が痛くなりました。
私は基本的にミステリーは得意ではないのですが、本作は密室で人間模様がメイン、しかもとてつもないリアリティで描かれるため、全く退屈することなく最後まで惹き込まれました。
キリスト教の知識が必要だと思われる方が多いかと思いますが、全く知識が無くても楽しめる作品となっております。
どちらかというとアメリカの政治や社会問題についての知識がある方が楽しめるかもしれません。
体調万全で挑もう
ホラー映画かと錯覚するほどの凄まじい緊張感がずっと続きます。
むしろ、ホラー映画の方が優しい。本作ではリラックスできるタイミングが全くありません。
ハラハラし続けるので、結構体力を持っていかれます。
寝不足時の鑑賞はオススメしないかもしれません。
人によってはオススメしない
本作は素晴らしいクオリティの作品ではあるのですが、派手な展開はないため、人によっては寝てしまうかもしれません。
私はほぼ満席の映画館で鑑賞したのですが、2カ所くらいからイビキが聞こえてきました。
私の隣に座っていた女性も頭を傾けたまま動かなかったので恐らく寝ていました。
テンポは良い作品です。
しかし、殺人事件!自殺!怒鳴り合い!暴力!などというショッキングな展開があるわけではないので、物語としては穏やかです。
本作の映像美や音響がツボではない人からすると退屈な可能性があります。
あとキリスト教にそもそも全く興味すらないという人は退屈かもしれません。
観る前に必要そうな情報
事前情報は特に無くても楽しめるとは思うのですが、より楽しめると思われる情報を置いていきますね。
教皇選挙(コンクラーベ)とは
全カトリック協会の最高司教を投票で選出する手続きのことを示します。
コンクラーベ(Conclave)とは「鍵のかかった」という意味です。
候補者たちは外部の情報と完全に遮断された状態で選挙に参加します。
選挙投票はバチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂で行われますが、候補者は宿舎で生活しながらその期間を過ごしますが、外部との接触は許されません。
ローマ教皇とはいえ、イタリア人である必要はないため、世界中から候補者が選出されます。
教皇が枢機卿(すうききょう)に任命した人たちが候補者となり、同時に投票権を持ちます。
選出された候補者たちが投票を行います。
得票数が3分2を超えないと司教になることができません。
そのため、票が分散されてしまうと教皇が決まらず、決まるまで投票が繰り返されます。
情報参照元:コンクラーヴェ
キリスト教の教え
なんでこんなにも穏やかなんだろうと思うかもしれませんが、キリスト教では
隣人を愛せ(自分と関わる人は全員愛せ)
偽証してはならない(嘘をついちゃダメ)
と教えられています。
殺し、淫行、盗みなどは当たり前にNGです。
アメリカで起こっている保守とリベラルの対立
本作の舞台はバチカンですが、製作国はアメリカ/イギリスです。
そのため、社会情勢が影響されているかと思います。
保守
伝統的な価値観を大切にし、愛国心が強い。
トランプ大統領がそうです。性別は男女しかない、中絶禁止、移民を追い出し、今のアメリカを60年前のアメリカに戻そうとしています。
リベラル
社会福祉や人権を重要視し、多様性を受け入れる。
情報参照元:朝日新聞 – 民主党と共和党 どう違う?
覚えておいた方が良い登場人物5人
覚えておいた方がいい人物の情報を置いていきますね。
この5人の名前と顔を覚えた状態で作品を鑑賞するとより一層楽しめるかもしれません。
他の人たちは物語が進んでいくうちにわかってくるので大丈夫だと思います。
また、個人間のコミュニケーションでは名前で呼び合っていたりするのですが、投票の際にはファミリーネームが使用されるため、ざっくりでもいいのでフルネームと顔を一致させておくといいかもしれません。
トマス・ローレンス
本作の主人公です。彼の視点で物語が進みます。

https://www.moviemaker.com/conclave-oscar-surge-pope-illness/
アルド・ベリーニ
主人公と仲がいい、坊主の方のメガネです。

https://www.latimes.com/entertainment-arts/movies/story/2024-10-23/stanley-tucci-conclave-italian-food-what-i-ate-in-one-year-interview
ジョセフ・トランブレ
髪の毛があって背が高い方のメガネです。

https://screenrant.com/conclave-cardinal-tremblay-accusation-did-wrong-explained/
テデスコ
この方は作中、ずっと苗字で呼ばれていたかと思います。
写真中央の胡散臭い人です。

https://livingchurch.org/books-and-culture/film-reviews/looking-for-white-smoke/
アデイエミ
この方も苗字で呼ばれていたかと思います。
作中で唯一フォーカスされる黒人の候補者です。

https://screenrant.com/conclave-adeyemi-sister-shanumi-connection-explained/
基本情報
Conclave
教皇選挙
2024年 120分

https://rollingstone.com.br/cinema/conclave-indicado-ao-oscar-2025-e-baseado-em-uma-historia-real/
キャッチコピー『これは選挙か、戦争か。』
キャッチコピー(英語)『WHAT HAPPENS BEHIND THESE WALLS WILL CHANGE EVERYTHING.』
製作国 : アメリカ/イギリス
日本公開 : 2025年3月20日
アメリカ:2024年10月25日
イギリス:2024年11月29日
製作費 : $20,000,000
興行収入 : アメリカ:$32,580,655
世界:$109,822,045
ジャンル:スリラー / ミステリー
あらすじ
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、カトリック教会。 その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。 悲しみに暮れる暇もなく、 ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。 世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、 システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。 票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々に ローレンスの苦悩は深まっていく。 そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。
※参照元:公式サイト
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : エドワード・ベルガー
脚本 : ピーター・ストローハン
原作 : ロバート・ハリス
製作 : テッサ・ロス/ジュリエット・ハウエル/マイケル・A・ジャックマン/アリス・ドーソン/ロバート・ハリス
製作総指揮 : トーマス・アルフレッドソン/エドワード・ベルガー/レイフ・ファインズ/スティーヴン・レイルズ/グレン・バスナー/アリソン・コーエン/ミラン・ポペルカ/ベン・ブラウニング/レン・ブラバトニック/ダニー・コーエン
音楽 : フォルカー・ベルテルマン
配給 : アメリカ:フォーカス・フィーチャーズ
イギリス:ブラック・ベア・ピクチャーズ
日本:キノフィルムズ
キャスト
トマス・ローレンス枢機卿:レイフ・ファインズ
アルド・ベリーニ枢機卿:スタンリー・トゥッチ
トランブレ枢機卿:ジョン・リスゴー
テデスコ枢機卿:セルジオ・カステリット
アデイエミ枢機卿:ルシアン・ムサマティ
ベニテス枢機卿:カルロス・ディエス
CardinalSabbadin:メラーブ・ニニッゼ
モンシニョール・レイモンド・オマリー:ブライアン・F・オバーン
シスター・アグネス:イザベラ・ロッセリーニ
ウォズニアック大司教:ジャセック・コーマン
アワード
-
- 2024年ダラス・フォートワース映画評論家協会:最優秀男優賞
- 2024年フロリダ映画評論家協会:ベストアンサンブル
- 2024年ミルバレー映画祭:観客が選んだベスト作品
- 2024年全米批評家協会:トップ10映画/ベストアンサンブル
- 2024年ニューヨーク映画評論家オンライン:ベストアンサンブル
- 2024年サンディエゴ国際映画祭:最優秀ガラ映画賞
- 2024年セントルイス映画評論家協会:脚色賞/ベストアンサンブル
- 2024年ワシントンDC地域映画評論家協会:脚色賞/最優秀演技アンサンブル
- 2025年AACTA国際賞:最優秀男優賞
- 2025年アカデミー賞:脚色賞
- 2025年女性映画ジャーナリスト同盟:助演女優賞/脚色賞/最優秀アンサンブルキャストおよびキャスティングディレクター
- 2025年アルティオス賞:キャスティングにおける優れた業績 – 長編スタジオまたはインディペンデント映画(ドラマ)
- 2025年英国アカデミー賞:最優秀作品賞/脚色賞/最優秀編集賞/優秀英国映画賞
- 2025年コスチュームデザイナーギルド賞:現代映画における優秀作品
- 2025年批評家協会賞:最優秀演技アンサンブル/脚色賞
- 2025年ゴールデングローブ賞:最優秀脚本賞
- 2025年ロンドン映画批評家協会賞:今年の英国またはアイルランド映画/アクター・オブ・ザ・イヤー
- 2025年オンライン映画評論家協会:最優秀男優賞/脚色賞
- 2025年パームスプリングス国際映画祭:アンサンブルパフォーマンス賞(栄誉)
- 2025年サンタバーバラ国際映画祭:年間優秀パフォーマー賞(栄誉)
- 2025年全米映画俳優組合賞:映画におけるキャストの傑出したパフォーマンス
- 2025年アメリカ舞台装飾協会:現代長編映画の装飾/デザイン部門最優秀賞
- 2025年USC スクリプター賞:脚色賞
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おせっかい情報
見る際の注意
緊張感がずっと続くので体力がある時に見た方がいいかもしれません。
こんな人におすすめ
とにかく映像美がすごい作品が好き。
音響がすごい作品が好き。
ミステリーが好き。
緊張感のある作品が好き。
重厚な映像が好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
なんだこのオープニング映像
https://www.abc.net.au/news/2025-01-17/conclave-review-fiennes-tucci-lithgow-rossellini/104781242
もうなんか様子がおかしい。
想像していたテンションと違います。
ものすごく圧迫感のある映像。
しかも、前教皇が亡くなって遺体を運び出していますが、救急車で運ばれる前教皇の遺体を写し続けます。
しかも音楽なし。遺体を乗せた担架が揺れる音のみです。
これ、ホラーのオープニングじゃん。
とにかく凄すぎる映像美、音楽

https://theprojector.sg/films-and-events/conclave/
感動です。
テロによって教会に穴が開くシーンがありましたが、本当に素晴らしかったです。
とにかく美し過ぎました。
とにかく重厚で美しく、バロックとかルネサンスの絵画を思い出しました。
映像がとにかく凄すぎる。
不思議な感覚

https://theprojector.sg/films-and-events/conclave/
歴史ある建物に、鉄でできた自動式の窓が取り付けられているのが不思議で面白かったです。
古い建物とテクノロジーが融合している感じがすごく不思議でした。
あと枢機卿たちがヘビースモーカーなのも不思議な感覚でした。
親切設計
私は事前情報を仕入れずに観たので最初、登場人物が思っているより多くて名前と顔が一致しなくて焦っていました。
しかし、投票の際に、誰なのかわかるように該当する人の顔のアップにしてくれるので、親切設計です。
しかも彼らの表情にも着目できる一石二鳥の親切設計でした。
穏やかな展開
こういう権力争いって本来もっと過激な攻防戦になるイメージですが、本作はキリスト教のトップの人たちを描いているのでものすごく穏やかです。
殺しも、殴り合いも、自殺や醜い罵り合いなどは全くありません。
そこが逆に面白かったです。
そうだよね、散々戦争してきているけど、本来はめちゃくちゃ非暴力的な宗教ですもんね。
事実を暴いたり金で票を買ったりと、人に実害を及ぼすような行為には及びません。
普遍的な人間模様
人間の醜さをふんだんに描いた激しい映画を身すぎたせいか、彼らが暴力行為などで強行突破しないところが、どこか可愛かったです。
殺人とか暗殺とか今の時代はむしろ現実離れしていてありえなすぎるのでその点もリアリティがありました。
噂話を流したり、奢って人に好かれようとしたり、過去の事実を暴露したり、そこらじゅうで起こっていることしか起こらないので、どこか身近でより一層、主人公に感情移入してしまいました。
自身の道徳心と周囲の人間の間で苦しむトマスには、中間管理職の方は共感してしまうのではないでしょうか。
胃が痛いのである

https://filmados.es/conclave-un-drama-tenido-de-humor-moderno-constante/
誰も蹴落としたくないし平等な選挙を行いたいのに懸念が色々と浮き彫りになってくるから胃が痛いのである。
この映画、音と映像の重厚感、圧迫感が強すぎて、後半は胃が痛くなりました。
誰も相談できる人がおらず、正しく公平でないといけない中で、自分の意見も表明しないといけない。
トマス・ローレンスも当事者ですからね。
親友にも『お前も野心があるんだろう』疑われたりする中で、1人で戦わないといけません。
周囲の枢機卿を正さないといけないというポジションでありながら、当事者であり、頼れる人はおらず、自分が行っていることが正しいのか自問自答を繰り返さないといけないのがしんどいです。
行き過ぎた詮索はしてはいけないし、意図的に誰かを貶めてはいけません。
しかも、その中でも不正を行っている人は排除しないといけない。このバランスが物凄く難しく、自身の道徳心に全て委ねられているようでしんどかったです。
前教皇の部屋に入ったり、シスターを呼び寄せた証拠を見たりと、ルールを破る決断をするというところも良かったです。そこまではいくのかという。
保守派と革新派の対立
まさに保守派とリベラルの対立でしたね。テデスコはかなり保守派で伝統主義でした。
『彼が当選したら60年前に戻ってしまう』
そしてかなり票を獲得していたため、トランプ大統領と重なってしまい恐怖でしかありませんでした。
私は女なのでアメリカの保守政権においては権利を奪われる側なのでどうにか革新派が勝ってくれと思いながらずっとハラハラしていました。怖かった。
凄すぎる脚本
ベニテス枢機卿が一足遅れて参加することになった際、食事のお祈りを頼まれていました。
他の枢機卿のお祈りがわからないので一般的にどのようなセリフになるのかは不明ですが、ベニテスのお祈りが終わっていないのに、途中で座ろうとしていました。
この、他の枢機卿が座ろうとしたところまでが、一般的な長さなのかなと思います。
しかし、ベニテスは後半のお祈りで貧しい人々や本来は透明人間であるシスターにまで言及していました。
これは彼の視野の広さを示唆しているシーンなのかなと思いました。
悩み苦しむ主人公、神は頼らない
この映画で誰も聖書を読んでいないのですよね。笑
お祈りはするのですが、神様を頼るような描写は一切ありません。
神頼みが無駄なことわかってんじゃん。笑
面白かったです。
なんで?

https://thetigercu.com/22960/timeout/conclave-is-2024s-silliest-election-movie-edward-berger-ralph-fiennes/
この印象的で美しい傘のシーンなのですが、1人だけ傘をさしていません。
なんで?

https://www.yvonne-arnaud.co.uk/whats-on/conclave
説教が素晴らしかった
序盤でトマス・ローレンス説教をするシーンがありますが、教科書的で魂を感じない退屈な説教だな〜と思っていたら『退屈な説教は辞めにしましょう』と言い始めたのでびっくりしました。
脚本家怖いって。私の心読まれているのだけれど。
その後に続く説教が素晴らしかったです。
確信せずに疑えという内容。
脚本が凄すぎるでしょう。
思考ロックしてしまったら変わりゆく環境、状況に適応することができずに誤った判断をしてしまいますもんね。
ハラハラした
テデスコ枢機卿が教皇に選ばれてしまったらどうしよう、と最悪のケースをずっと想像していて、ハラハラが止まりませんでした。
この人が教皇になったら、あらゆる人の自由が制限され、過激な対立を生んだり、とんでもないことになってしまいそうだと。
とんでもない胸糞エンドになってしまうと。
私は恐らくリベラルすぎるくらいリベラルなのでテデスコの得票数が増えていった時は恐怖でしかありませんでした。
全員が疑わしく見えてくる

https://catholicweekly.com.au/conclave-movie-review/
友人のアルドも本当は教皇になりたい野心家なのか、今後の時代を作っていくものとして正しい候補者が選ばれればそれでいいのかわかりませんでした。
怖かった。
でも後者でしたね。テデスコ陣営にだけは当選させてはいけないと思っていてワンチャン自分がなりたかったということだったっぽいです。
ど正論をかまし続けるトマス
『君は30歳で彼女は19歳だ。彼女は若気の至りかもしれないが、君は若気の至りではない!』
は正論過ぎて、危うく笑うところでした。
自分の夢が散ってしまった絶望の瞬間だったのでしょうが、暴れたり、他人へ実害を及ぼすようなことをしないので、キリスト教っていいなと思いましたね。
『一緒に祈ってくれ』で乱れた心を正すんですね。瞑想的な?
もう俺が教皇になった方がいいんじゃないかと思えてしまいますよね。
右から差す光
ムスリムのテロによって教会に穴が空いてしまいますが、右から空いていました。
キリスト教は右は正、左は悪という考えがあり、さまざまな絵画がその法則に則って描かれています。
自らに投票しようとしたローレンスに神の審判が下ったかのようなシーンでした。
嘘をつかない
トマスに問い詰められていく枢機卿たちですが、トランブレ意外は誰も嘘をついていなかったですよね?
みんな聞かれたら素直に話していました。この辺がキリスト教の映画見ているな〜と感じましたね。
前教皇の偉大さを感じた
ベニテス枢機卿のことを隠していたり、賄賂の件を調査していたり、生前からトマス・ローレンスに仕切るように任命していたり、とんでもない重圧の中で全て1人で抱えていたのかと思うと、ちょっと凄すぎる。
主人公が本当にずっと最善を尽くそうと動く中、一瞬しか登場しない前教皇の偉大さを感じました。
後半に主人公が一瞬、前教皇の幻覚を見ますが、私は思わず『助けてください!』と言いそうになりました。
一番強かった

https://www.gq.com/story/so-lets-talk-about-how-conclave-ends
ベニテス枢機卿の心が強すぎる。
トマス・ローレンスが声を荒げて『私に投票するのは辞めてくれ!』と言っていたのに、ベニテスは『私は正しいと思う人に投票し続けます』と言っていました。
しかも自爆テロに巻き込まれた後、テデスコが『彼らと戦わないといけない』と過激な演説をしていましたが、ベニテスは『一体誰と戦うというのですか?あの盲信的な信者と戦争をするのですか?』と真っ向から反論していったのには痺れました。
全く感情的になっていない超落ち着いた口調で。
なんせ、ベニテスってかなり出番が少ないのですが、発言が毎回印象的なんですよね。
ホッとした瞬間
最後の投票でベニテスが選ばれた時は心底ほっとしました。
でもホッとしたのはこの一瞬だけでした。
まさか過ぎるエンディング
ちょっと想定外過ぎて、映画館で笑ってしまいました。
ベニテスには子宮と卵巣があったという。
染色体もXということで女なのですね?
外見では男性に見えるし、男子寮に入っていたということで男性器はついているのですね?
これ健康上の問題はないの?
確かに少し声高いなとは思ったけどそういう人もいるからなんとも思ってなかった。
髪の毛もフサフサなのも女性ホルモンが多いということなのかしら。
最初からずっと伏線だったのですね。
ハッピーエンド
ベニテスのラストの告白ですが、あまりにも穏やかな表情で端的にトマスと私が知りたい情報を話してくれるのでなんかやっぱりこの人でいいよねと思いました。
『手術によって摘出するつもりだったが、神様が作った体なのだから手術は取りやめた』
健康被害がないならそれで正解だと思います。
最後、トマスは何を思ったのか
トマスは彼が教皇で納得していましたね。
若いシスターたちを見て、もしかしたら彼女たちも将来は教皇になる日が来るのかと時代の変化を想像していたのでしょうか。
とにかくトマスは最善を尽くしたと心底思ったし、ベニテスが教皇に選ばれて良かったと思えたラストでした。
納得ができた上でインパクトが強いってこの映画本当に凄過ぎる。
前教皇、こうなることわかっていた?
前教皇はこうなることがわかっていたのではないかと思わせます。
とある人物の死亡から始まる展開にはヘレディタリーを思い出しました。笑
しかもベニテス枢機卿がなることが想像ついていたのではと思ってしまいました。
謝罪
テデスコごめん。全部テデスコがなんかやってんのかと思っていた。
本作で描かれる限りではめちゃくちゃ正当に選挙に参加していました。
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