ネタバレ無し感想
Jホラーが好きな人は最大限エンジョイできると思います。
私はあまり心霊系ホラーが怖くないので、楽しめないことが多いのですが、本作は楽しめました。
恐怖の種類は完全に心霊のみなので、全く怖くはなかったです。
3人の少女の体験が重なっていく様や、悪人が出てこない点も緩やかで美しく、切ない後味を残すラストで美しい作品だったなという鑑賞後感でした。
でもやっぱり心霊ホラー興味ない身からするとマジで面白くはなかった!笑
あのラストになるには人物描写も足りねーよ!笑
全く納得いっていません!笑
基本情報
Dark Water
仄暗い水の底から
2002年 101分

https://mutantreviewersmovies.com/2021/05/14/dark-water-2002-its-not-the-second-coming-of-the-ring-ok/
キャッチコピー『ずっとずっと、いっしょだよね、ママ。』
製作国 : 日本
日本公開 : 2002年1月19日
興行収入 : 5.9億円
ジャンル:ホラー
あらすじ
家庭を大切にし、子供を愛す親になろうと強く思い描いていた淑美だったが、今は離婚調停中だ。5歳の郁子の親権を勝ち取るべく自立を目指し、マンションへの入居と就職を決めた。引っ越したマンションはどこか気味悪く、さらに郁子が奇行に走るようになる。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
スタッフ
監督 : 中田秀夫
脚本 : 中村義洋/鈴木謙一
原作 : 鈴木光司『浮遊する水』
製作 : 一瀬隆重
音楽 : 川井憲次
配給 : 「仄暗い水の底から」製作委員会(角川書店、日本テレビ放送網、バップ、オフィスオーガスタ、オズ)
キャスト
松原淑美:黒木瞳・碇由貴子(幼児期)
浜田邦夫:小日向文世
松原(浜田)郁子:菅野莉央(幼児期)・水川あさみ
河合美津子:小口美澪
弁護士・岸田:小木茂光
不動産屋・太田:徳井優
管理人・神谷:谷津勲
淑美の保母:浅野麻衣子
弁護士:吾羽七朗
男の調停委員:野村信次
女の調停委員:志水季里子
河野:諏訪太朗
佳代:原知佐子
喜代美:黒石えりか
玲子:大塚ちひろ
犬を連れた老姉妹:花原照子・安田洋子
幼稚園園長:品川徹
保母:畑中映里佳
ポスター/パッケージ
おせっかい情報
見る際の注意
Jホラーが苦手な人は大変かも。
こんな人におすすめ
Jホラーが好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
悪者がないという地獄
本作は、悪者が出てきません。
唯一、悪者っぽかったのは離婚調停中の夫でしょうか。
まともに子供の面倒を見てこなかったのに親権取ろうとすんなゴミ。
しかし、後に父親のもとで育った郁ちゃんが出てきましたが、しっかり健康的に育っています。
旦那としてはゴミだったのでしょうが、父親としては及第点だったのかなと思います。
重なる3人の少女
幽霊の女の子、主人公、いくちゃん、それぞれが同じような幼稚園体験を受けており重なります。
めぐりあう時間たちかしら。笑
3人の少女が重なっていく様はどこか芸術的だなと思いました。
割と納得できる急展開
主人公はラスト、エレベーターで貯水槽少女の母親になることを決めました。
過去に似たような経験をしているからこそ、即時に貯水槽少女の求めるものがなんなのか察知できたんだろうな〜と妙に納得のできる展開でした。
しかし、もっと戦ってみてほしかったですね。
抗え馬鹿野郎。
おそらく虐待はされてない
貯水槽に落ちた少女は事故で死亡してしまったみたいですね。
郁ちゃんも同じように幼稚園で待たされていましたが、母親や父親から愛されていなかったかというと、そういうわけではありません。
2人に愛されていたものの、やむおえない理由で寂しい思いをしていました。
恐らく貯水槽の少女も同じような感じだったのかなと思ってしまいます。
全く納得のいかないラスト
子供は産まれてからずっと呪われています。
虐待をされていたとしても、実の母親を欲するのが子供です。
マザーの元となった事件もそうですし、虐待死事件もそうです。
側から見ていると、それでも母親が好きとかおかしいだろ!と思うものなのですが、子供って絶対に自分の母親を求めるもんです。これが子供が生まれながらに持ってしまった呪いです。
他人の母親擬きみたいなものがきたとしても、全く収まらないと思います。
てか他人の母親なんて興味ないと思います。
この虐待された子供の心理を見誤ってしまっているところが全く納得がいきませんでした。
警察を呼べ
水の異常、貯水槽の異常に気がついた時点で警察を呼びなさい。笑
音がいい
オープニングから音がすごくいいです。
不穏な音と爆音の雨音。
この映画、ずっと音が不穏です。
子供の扱いが天才
この脚本書いた人、子供好きですね?
そして割と平和ですね?
物件選びで、疲れて歩きたくない子供に、部屋の間取りを見せて
『郁ちゃんの部屋先に見てきちゃお〜♪』って、ナチュラルに子供の興味を誘発し、誘導するところ天才だと思いました。
子供に押し付けるのではなく、楽しい気持ちにさせてあげるって母親として優秀過ぎるとも思いましたし、脚本家も天才ですね。
多分、この映画、心優しい人が作ってる
ホラーで悪人を出さないってめちゃくちゃに難しいはずなのに、本作では悪人が出てきません。
登場人物がそんなに主張がない、その辺にいそうな普通の人たちという感じ。
誰も悪くは描かない、それで持って怖くするって1番難しいことに挑戦していませんか?
そういう意味では純度が高い心霊ホラーでかつ、誰かを攻撃しない心理的安全性が高いホラー映画だと思いました。
美しい
ところどころ映像が美しいな〜と思うシーンがありました。
誰もいなくなった幼稚園は不気味ですがどこかエモさや美しさを感じてしまいます。
あのボロボロのマンションに関しても、廃墟好きの人からしたら結構ワクワクするんじゃないでしょうか。
個人的には映像と音のアーティスティックなセンスが爆裂しているなと思いました。
丸の中に丸
エレベーターの根性焼き、元夫の灰皿、貯水槽の蓋、それぞれ同じような形に見えます。
意味はなさそうですが、こういう遊び心が見えるととても好きです。
ふんだんな恐怖演出
随所に不気味演出をしてくれるのでサービス精神豊富で素敵です。
Jホラーが好きな方はめちゃくちゃテンション上がるのではないでしょうか。
シチュエーションも恐らくは梅雨の時期で大雨が降っています。
怖くない私からするととっても心地よい音でしたが、Jホラー好きの方からすると不穏さを掻き立てる素敵な演出なんだと思います。
違う意味でハラハラする
真剣を取られてしまうのではないかとずっとハラハラしていました。
素敵なお母さんで、娘もお母さんが大好きなのが伝わってくるのですが、育児放棄しているのではないかと疑われてしまっても仕方がないと思われるような出来事が起こってしまうのでハラハラしていました。
良質弁護士
水漏れの件や、貯水槽の点検の件などは業務外のことですよね。
それでも依頼人のために代わりに管理人に掛け合ってくれるところはいい人なんだなと心が温かくなりました。
割と序盤にわかる正体
屋上に子供のバックがあり、屋上に貯水槽があることがわかり、さらには電柱に行方不明の少女のポスターが貼ってあったので、”ああ、これは殺人か事故によって貯水槽に少女が落ちたんだろうな”とすぐにわかってしまいました。
割と序盤に何が起こるのかわかっていても見てられるのですごい映画だなと思います。
地味ではありますが上質な映像という印象です。
娘が怖かった
取り憑かれた娘がバックを開けようとするシーンは怖かったです。
不気味。
この子の演技力の勝利。
リングを思い起こさせるシーン
母親がバッグを取り上げたとき、行方不明の少女のビジョンを見ました。
この触れた時に見えてしまうというのはリングを思い起こさせます。
ナイスなファンサ。
あり得ないだろう
母親が貯水タンクを確認しにいくと、タンクの蓋が開いており、水が大量に漏れています。
そして、タンクに手をやると少女が落ちてしまった際のビジョンが見えます。
貯水タンクを登った際に、バックを落としてしまい、拾おうとしたら溺れてしまって死亡したようです。
その後に行方不明となった様子です。
恐らく、少女は主人公たちの上の階に住んでいたのでしょうか。
それなら貯水タンクも警察が調査すると思います。
鍵がかかっていないのだから。
ゾッとしたシーン
エレベーターで娘の手かと思ったら違ったときもゾッとしましたが、ラストの娘を抱えて出てきたのかと思ったら霊だったときもゾッとしました。
最悪ですよね。
かっこよかったシーン
水が滴るエレベーターのシーンはめっちゃかっこよかったです。笑
エレベーターが空いて水が大量に出てきた時はシャイニングを思い出しました。
最高ですね。
母親がお札
幽霊の少女は母親が欲しいから、主人公の娘を殺して自分が娘に成り代わろうとしたということですよね。
なので母親があの部屋であの少女の面倒を見ることで自分の娘が殺されないということですね。
この幽霊少女、結構やばいやつですね。
多分、子供ならこの発想にすらならないと思う。
生きてたらよっぽど性格が悪い子供ですね。
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