MaXXXine マキシーン (2024年) 103分【ネタバレ・考察】ミア・ゴス×タイ・ウェストの今までにない異色の【反復横跳び設計】な3部作。気楽に楽しめるし、ホラー映画ガチ勢も満足できるであろう守備範囲が広いB級映画界のA級作品。

MaXXXine マキシーン
2025.06.04

ネタバレ無し感想

タランティーノのように”やりたいことやってやってんだよ！つべこべいうな！”というような印象のパワフルな作品でした。 いろんな映画の引用や小ネタが詰まっている感じはしましたが、私にはあんまり分かりませんでした。
他の映画ネタはわかる人にはわかる作りになっているのだと思います。
わからなくても脳死で観てて楽しい映画でした。

ちょっと話がとっ散らかってる感じがしましたが、最後まで勢いで突っ走ってくれます。
退屈することなく観ることができると思います。
個人的には結構ツボなシーンが多くて痺れました。
ミア・ゴスの魅力が炸裂していると思います。

反復横跳び3部作

本作を観たら、Xを観たくなります。
Xを観たらパールを観たくなります。
パールを観たら、またXとマキシーンを観たくなります。

それぞれが微妙に繋がっているため、反復横跳びで再視聴したくなるような作品でした。

全て異色の反復横跳び3部作

3部作とはいえ、全てトーンが違います。

シリーズが進むにつれて、退屈になっていくのがシリーズ映画の相場ですが、このシリーズは同じ監督が作ったとは思えないほど、どれも毛色が違うため、右往左往したくなります。
反復横跳びしないといけません。

予習した方がいい

本作はミア・ゴス主演×タイ・ウェスト監督による3部作の第3作品目です。

  • 第1作目 – X エックス
  • 第2作目 – Pearl パール
  • 第3作目 – MaXXXine マキシーン（本作）

という公開順です。

しかし、作中の時系列としては

  • Pearl パール
  • X エックス
  • MaXXXine マキシーン（本作）

となっているため、
本作のマキシーンとパールの物語に直接的な関係はありません。

そのため、Xさえ予習していれば問題なく楽しめると思います。

Xを予習する暇がない方への事前情報

ネタバレ配慮しますが任意で飛ばしてください。

X エックスのあらすじ

1979年、テキサス。女優のマキシーンとそのマネージャーで敏腕プロデューサーのウェイン、ブロンド女優のボビー・リンとベトナム帰還兵で俳優のジャクソン、そして自主映画監督の学生RJと、その彼女で録音担当の学生ロレインの3組のカップルは、映画撮影のために借りた田舎の農場へ向かう。彼らが撮影する映画のタイトルは「農場の娘たち」。この映画でドル箱を狙う――。6人の野心はむきだしだ。
そんな彼らを農場で待ち受けたのは、みすぼらしい老人のハワードだった。彼らを宿泊場所として提供した納屋へ案内する。一方、マキシーンは、母屋の窓ガラスからこちらを見つめるハワードの妻である老婆パールと目があってしまう……。
そう、3組のカップルが踏み入れたのは、史上最高齢の殺人夫婦が棲む家だった――

引用元：公式サイト – https://happinet-phantom.com/X/

多分、マキシーンに必要なXの情報

本作の主人公、マキシーンはXで起こったとある事件の唯一の生き残りです。
その”事件”が彼女を取り巻く状況や精神面に影響を及ぼしています。

Xでは深掘りこそされていませんが、少し宗教に関する映像が映し出されます。
Xでは一瞬しか映らないので、そこまで重要な要素ではありませんでした。
しかし、本作ではその点が物語に関係します。

ちなみにカルト教団なので宗教的な知識は必要ありません。

ナイトクローラーの意味＜事前情報＞

本作ではナイトクローラーという連続殺人鬼が登場しました。

なんなんだろうと思って調べたら
夜になるとうろうろと歩いている人のことでした。

基本情報

MaXXXine
MaXXXine マキシーン
2024年 103分

MaXXXine マキシーン

キャッチコピー『スターになるの』
キャッチコピー(英語)『HOLLYWOOD IS A KILLER』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2025年6月6日
アメリカ：2024年7月5日
製作費 : $10,000,000
興行収入 : アメリカ：$15,097,632
世界：$22,057,160
レイティング : R-15
ジャンル：ホラー / スリラー

あらすじ

1985年、ハリウッド。 巨大な撮影スタジオに現れたブロンドの女、その名はマキシーン。 ポルノ界で人気を極めた彼女は、新作ホラー映画『ピューリタンⅡ』のオーディションに参加していた。“本物のスター”になるために。その頃のLAは、連日連夜ニュースで報道される連続殺人鬼「ナイト・ストーカー」の恐怖に包まれていた・・・。 一方マキシーンの周りでは、ヒルズのパーティーに呼ばれた女優仲間が次々と殺される怪事件が起きる。騒動の中、オーディションで主演の座を射止め、スターダムへ上りはじめたマキシーンの前に、6年前、マキシーンの身に起こった猟奇的殺人事件のトラウマ知る謎の存在「何者」かが近づく・・・・・・。

※参照元：公式サイト

日本版　予告編

英語版　予告編

スタッフ

監督 : タイ・ウェスト
脚本 : タイ・ウェスト
製作 : ジェイコブ・ジャフク／タイ・ウェスト／ケヴィン・チューレン／ハリソン・クライス／ミア・ゴス
製作総指揮 : レン・ブラバトニック／ダニー・コーエン／ジェレミー・ライツ／ピーター・ポーク／サム・レヴィンソン／アシュリー・レヴィンソン
音楽 : タイラー・ベイツ
配給 : アメリカ：A24
日本：ハピネットファントム・スタジオ

キャスト

マキシーン・ミンクス：ミア・ゴス
ジョン・ラバト：ケヴィン・ベーコン
エリザベス・ベンダー：エリザベス・デビッキ
モリー・ベネット：リリー・コリンズ
レオン：モーゼス・サムニー
テディ・ナイト：ジャンカルロ・エスポジート
ウィリアムズ刑事：ミシェル・モナハン
トレス刑事：ボビー・カナヴェイル
タビー・マーティン：ホールジー
TBA：ソフィー・サッチャー
TBA：トビー・ハス

おせっかい情報

見る際の注意

スポットでグロがあります。 グロいの苦手な人は注意。

こんな人におすすめ

B級映画が好き。 製作者が好きなことをやっている映画が好き。 勢いがすごい映画が好き。

この作品が好きな人が好きそうな映画

※完全な偏見です。

 

⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

深く考えて観るというよりも、ミア・ゴスの魅力を楽しみながら、気楽にライドして楽しむタイプの映画だと思いました！

2箇所、何言ってるのかわからなかったんですが、ちょっとハイコンテクストな脚本なのかもしれません。

ホラー映画へ深い知識がある方はまた一段深く楽しむことができるのかなという印象です。

私は分かりませんでしたが、表面上の物語でもホラー・スリラーとして楽しめたので、ベテランにもミーハーも楽しめる作品だと思いました。
素晴らしいバランス感覚。

映像的なカタルシスもあり、
ミア・ゴスの表現力が素晴らしい。非常に魅力的な人物として描かれていました。
最高です。

プロフェッショナルによるB級映画

作中のセリフで、
『A級のクオリティでB級映画を作るの』
というセリフがありましたが、本作がまさにA級クオリティのB級映画です。

複雑だけど、シンプル。
知識がある人が観ても楽しめるし、知識がない人でも楽しめる、守備範囲が広い作品という印象でした。

もっと難解な作品に仕上がっていてもおかしくありませんが、本作はわかる人にはわかるという作りになっているので、ホラー映画に詳しくない人でも楽しめると思います。

知ってたらもっと楽しそう

80年代のアメリカの社会
当時のハリウッドが置かれていた状況
ポルノ業界が置かれていた状況
過去の名作ホラーの知識

これらの要素があれば、より一層、本作を深く理解できると思います。

しかし、全くわからなかったとしても、見ていてなんとなく雰囲気が伝わってくるので、ある程度の満足感は得られると思います。
また、わからなくてもB級映画として楽しめる要素が非常に多いです。

私は全然わからなかった派ですが面白かったです。

冒頭でネタバレする勇気

さすがに犯人、父親じゃないよな？と思ったら父親でした。
マジかよ。
なにそれ。

序盤で父親がマキシーンを撮影した映像が流れるので、終盤で父親だと判明しても全く意外性がなかったんですが、それでも面白かったです。
なにそれ。

ここは賛否が分かれそうな印象でした。
Xをよく観ていれば気がつく！くらいの感じで、最後まで犯人が誰なのかは伏せていてくれてもよかったです。

父親の目的がよくわからない

あれ、マキシーンをスターにするための殺人だったんですか？

『お父さんに任せろ。合わせてくれれば良いから』

みたいなこと言ってましたね。

お父さんの策略なの？

カルトとしての活動なの？

カルト教団の教えとして、ポルノはあり得ないということで関係者をたくさん殺しているの？

ポルノへの恨みがあるの？

娘を邪悪な世界に連れ込んだポルノ業界が許せないということ？

洗脳や強制ではなくポルノをやめさせるには？

娘をポルノ業界から卒業させてるためには娘がなりたいスターにさせてあげよう、ということ？

娘らしい人生を生きてもらうために、ポルノじゃない形でスターにさせてあげたら娘は邪悪な世界から足を洗うのでは？ということ？

それで仕組んだドラマティックな殺人計画ということ？

父親が描いていたシナリオこんな感じ？

ナイトクローラーというアイコニックな連続殺人鬼となり、有名になる。
マスコミが誰なのか騒ぎ立てる中、犯人が判明する瞬間に娘を使い、そしてそれを録画する。
娘だけは殺さず、娘の知名度を上げ、自分は逮捕される。

父親が描いていたシナリオこんな感じ？

ナイトクローラーというアイコニックな殺人鬼となり、ポルノ関係者を軒並み殺す。
最後に娘を捕まえ、あの有名なポルノスターを改心させた！ということで教団での地位をより確固たるものにする。

銃撃戦に爆笑

中央で無防備なマキシーンが可哀想すぎる。笑

警察も教団もマキシーンを撃つつもりはないでしょうけど、あれ可哀想すぎる。笑

やったわよ

で、目にブッ刺さってるの笑った。
女性刑事かっこいいよ。頑張ったね。笑

父親は死んだ

ということは彼女の中でもう父親の呪縛から解放されたということなのでしょうか？

Xを見返したくなるのですが、マキシーンって厳格な家庭に育ち、反発によって逃げ出したみたいな描写ありましたっけ？
そしてそれによって苦しんでいたかのような描写ありましたっけ？

『私らしくない人生は認めない』って父親から教えてもらってその通りに生きてるから宗教の教えとの板挟みということなんでしょうか？
Xをもう一回観たくなりますね。

マキシーンがかっこよすぎ

野心に溢れ、手段は選ばず、確かにこの子だからこそ生き残ったねという感じがしました。

しかし、殺された友人たちを思い出して同じ女として救ってあげないとという気になったところも好きでした。

とにかくsavageって感じでめちゃくちゃにかっこいいです。

あんたら帰んな

オーディションの後、待っている女たちに
『私が受かるからあんたら帰りな！』
っていうところが最高にかっこいい。

しゃぶれ！

このシーンには痺れました！
かっこよすぎ！
銃をしゃぶらせるのかっこよすぎ！
玉潰しナイス！

鍵でメリケンサック

かっこよすぎ。
思いっきり殴るところ最高ですね。

探偵はなんだったん

ホテルに呼び出して話をしていましたが内容が全く理解できませんでした。
なんの話してたん？依頼人は教えられないってことと事件について知ってるってことはわかったんだけど、なにあの独特な会話？
それだけ？なんか全然頭に入ってこなかったのだけど。笑

マキシーンが有力な容疑者

恋人がナイトクローラーにてぶち殺されていた時、マキシーンは頑張ってセリフを覚えていました。

ってことはアリバイが無いということになってしまいますね。

ずっと容疑者過ぎるのですが、警察が拘束しないのが不思議です。

探偵ぶち殺し

1番嫌な殺し方ですね。
しかも弁護士、人殺しもするんか。笑

あんたらがその気ならこっちもやるわよっていうのがめちゃくちゃカッコよかった。

キャリーケースから落ちる死体

父親と再会したとき、キャリーケースからバラバラ死体が落ちてきましたね。
最高ですね♪

サイコの家

あれはただのサービスですよね？

変な追いかけっこ

悪魔のいけにえオマージュですか？笑
なんか、ハリウッドでマキシーンと探偵が変な追いかけっこしてました。笑
銃あるんだから撃ったらええやん。笑

なにこの間抜けな探偵。笑

あと殺せって父親に言われてるということ？
そしたら父親の目的がまたよくわからない。

ハッピーエンド

父親の頭をぶっ放すマキシーンがかっこよすぎてもうたまりません！

『このまま現実が続いて欲しい』って切実で彼女らしくて本当に最高でした。

もう一回観たい

これは配信でもう1回観たいなと思いました。
後腐れないし、一回じゃよくわからないけど、観た後満足感あるので、Xとパールと右往左往したくなる三部作でした。

試写会の様子 

参考情報

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