ネタバレ無し感想
この映画、女なら全員が晒されている年齢や外見によるジャッジに対する怒りを徹底的に表現しておきながら、めちゃくちゃエンタメ性が高い作品でした。
予告編からは想像できないくらいグロいので苦手な方はご注意ください。
あと、日本版の予告編が非常に優秀なので、海外版の予告編は観ずに観にいった方が楽しいと思います。
ネタバレ絶対厳禁の映画です。
海外版の予告編はみない方がいいかも
日本版の予告編では、とある要素が完全に隠されており、本編の展開にめちゃくちゃ衝撃を受けました!
UK版の予告編などでは若干描かれてしまうので、この衝撃は受けられなかったと思います。
日本版の予告編優秀!
海外版の予告編は観ない方がいいかもしれません。
映像も脚本もビビット
キャラクターや欲望が結構デフォルメされて描かれていた印象です。
無駄のない映像美と同様に脚本も無駄がなかったように思います。案外セリフが少ないです。
SF設定に関してはなんだこれ!となりますが、そんなことツッコませないほどにテンポが良く、映像の美的センスが独特なので心地よく観れます。
映像がオシャレながらホラーとしてもめちゃくちゃ成立していて、社会的なテーマも盛り込んでおり、かなり満足度が高い映画でした。
とことんやりきる中毒性
とにかく徹底的にやり切るパワフルな映画です。
そのため、ホラーの域を超えてめちゃくちゃに笑えます。
ここまでやりきってもらえると爽快です。
もう1回観たいと思わせる中毒性がある作品です。
私は確実にもう1回映画館行くと思います。
基本情報
The Substance
サブスタンス
2024年 142分

https://film-grab.com/2024/11/08/the-substance/

https://film-grab.com/2024/11/08/the-substance/
キャッチコピー『かわいいが暴走して、阿鼻叫喚』
キャッチコピー(英語)『HAVE YOU EVER DREAMT OF A BETTER VERSION OF YOURSELF?』
製作国 : フランス/イギリス/アメリカ
日本公開 : 2025年5/月6日
イギリス/アメリカ:2024年9月20日
フランス:2024年11月6日
ジャンル:ホラー / SF
あらすじ
元トップ人気女優エリザベスは、50歳を超え、容姿の衰えと、それによる仕事の減少から、ある新しい再生医療<サブスタンス>に手を出した。 接種するや、エリザベスの背を破り脱皮するかの如く現れたのは若く美しい、“エリザベス”の上位互換“スー”。抜群のルックスと、エリザベスの経験を持つ新たなスターの登場に色めき立つテレビ業界。スーは一足飛びに、スターダムへと駆け上がる。 一つの精神をシェアする存在であるエリザベスとスーは、それぞれの生命とコンディションを維持するために、一週毎に入れ替わらなければならないのだが、スーがタイムシェアリングのルールを破りはじめ―。
※参照元:公式サイト
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : コラリー・ファルジャ
脚本 : コラリー・ファルジャ
製作 : コラリー・ファルジャ/ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー
製作総指揮 : アレクサンドラ・ロウイ
音楽 : ラファティ
配給 : イギリス/アメリカ:Mubi
フランス:Metropolitan Filmexport
日本:ギャガ
キャスト
デミ・ムーア:エリザベス・スパークル
マーガレット・クアリー:スー
デニス・クエイド:ハーヴェイ
アワード
- 2024年第77回カンヌ国際映画祭:脚本賞
- 2024年第82回ゴールデングローブ賞:ミュージカル・コメディ部門最優秀主演女優賞
- 2024年第31回全米映画俳優組合賞:主演女優賞
- 2024年第97回アカデミー賞:メイクアップ&ヘアスタイリング賞
おせっかい情報
見る際の注意
思っていたよりグロかったです。
注射シーン注意。
こんな人におすすめ
爽快でスタイリッシュなホラー映画を観たい。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
消費される女

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活躍じゃなくて消費ですね。
都合よく若い頃は消費し、年を取ったら過去の業績を評価し、賞賛するのではなく、あっさり捨てられると言う地獄ですね。
多分、男が想像するより顕著
女は全員、経験がある現象なんじゃないでしょうか。
若い頃と比べて男の当たりが強くなったなとか、ちょっと痩せたらあからさまに男の態度が変わるとか、
女であれば全員が何かしらの形で外見・年齢による扱いの違いを必ず経験しているはずです。
そして恐らく、それは男と比にならないくらい明からさまに、頻繁に経験しています。
てか、世の男たち、顔や態度に出してないつもりかもしれませんが全然出てますよ。
ちなみにどんなブスでもデブでも経験していると思います。
この映画はかなりカリカチュアされて描かれていますが、この辺の描写が悪意に満ち溢れていて最高です。
男への嫌悪感の正体
これ男の性欲なんでしょうね。
テストステロンの影響だと思うんですよ。
古来からの生存の知恵だと思おうので、本能的にそういう生物であるということは頭では理解できますが、嫌悪感はすごいです。
気持ちが悪いのですが、チヤホヤされている最中は気がつかなかったりします。
お前ら何様なんだよ

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若い女はチヤホヤして使って、おばさんになったら捨てるってお前ら何様なんだよっていうのが明確に描かれていました。
ここまであからさまに描くって、怒りを感じますね。笑
エビの食い方汚かったし、やたら気持ち悪い顔面のドアップもなかなか厳つかったです。
自分の汚さ、醜さを全く顧みず、女をジャッジして、女の性を利用して金を儲ける。
めちゃくちゃデフォルメして描かれていたので気持ちよかったです。
捨てられた50歳
50歳の誕生日に自分が長年やっていたフィットネス番組をクビになりました。
マジかよ!
序盤のデミのエアロビクスのシーン、もっと見たかったくらいスタイル抜群で魅力的だったのに!
看板も剥がされ、完全に社会に使い捨てされてました。
年を取っただけなのにクビになるというね。
しかも他の役職につけるのではなく本当に捨てられていました。
過去の栄光が忘れられない
家に自分の写真を飾っていました。
過去の自分が常に後ろにいます。
この点は性別関係なくありうる話なのではないでしょうか。
一度、何かしらで業績を上げてしまうと、それを下回ることが許せなかったり、あの時のカタルシスを忘れられないなど。
全く予想を上回る展開

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日本版の予告編しか見ていなかったので、てっきり、”別の若い女”によって、自分の番組が奪われ、整形依存症になったり、悲劇の一途をだどる展開なのかと思っていました。
全く違いました。
これSF・ボディーホラーなのですね。
背中から生まれる分身
文字通り自分より優秀な若い分身が生まれてきました。
怖過ぎる。
ナニコレ。
グロいし、怖いし、原理わからないしすごかったです。
もう背中を縫う描写とか気持ち悪すぎて無理なんだけど。
サブスタンスを服用するにあたって

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ルールがいくつかあるみたいです。
・7日間で必ず入れ替わる。
・分身は安定剤として本体の脊髄液を毎日、一定量注射する。注射しなかった場合は体が崩壊し始める。
・入れ替わる時間を過ぎた場合は本体の老化が進む。治すことは不可。
・終了することは可能
整形依存症と同じ展開
一度手を出してしまったら最後、歯止めが効かなくなります。
もう不自然でおかしな顔になってしまっているのに、整形をやめられない人っていますよね。
この主人公がそれと重なりました。
人差し指が腐った?時点でやめていればよかったのに、もう歯止めが効きません。
大活躍
若い自分はめちゃくちゃに活躍します。
このシーンも最高でしたね。
とにかくスタイルが抜群で完璧でめちゃくちゃ素晴らしいエアロビシーンでした。
デミ・ムーアもマーガレット・クアリーのも、それぞれのフィットネス番組をフルで見たいです。
どっちも最高。テンションが上がります。
崩れ始めるバランス

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若い方が生活が楽しくて、ルールを破り始めます。
本体はどんどん老け込んでいき、どんどん最悪の方向へ進んでいきますが、分身の活躍を止めることもできません。
あくまでもあれは分身で自分ではないのに。
娘に夢を追わせる母親みたい
過去の自分の夢を娘に託す母親かのようでした。
大工技術
あんな隠し部屋を作れるのすげーって思いました。笑
あと、この映画の曲と映像の雰囲気が
に似ていて思い出していました。笑
どっちも好みな世界観です。
隣の家の男
気持ち悪過ぎる。
工事の音がうるさいと言って文句をつけにこようとしていましたが、分身がドアを開けるとめちゃくちゃ大人しくなっていました。
デフォルメした男って感じがします。笑
死ぬほど気持ち悪いけどわかる。こういう全然奴いる。笑
コントみたいな化粧シーン

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序盤に大昔の同級生に声をかけてもらいます。
今や彼女をチヤホヤしてくれるのは彼くらいです。
そして、指が腐って自己肯定感が爆下がりした主人公はこの男に連絡します。
おめかしして、かっこいいドレスを着てバッチリ決めて外に出ようとするのですが、鏡の自分に満足できません。
何回も鏡の元へ戻っては化粧を濃くし、最後はめちゃくちゃにしてしまいます。
結局外に出ることはできず、彼女は約束をすっぽかしてしまいました。
すっぽかされた彼は可哀想。
連絡入れてあげてもいいじゃん。
とにかく嫌なグロシーン
背中を縫うとか、注射とか、歯が抜けたり、爪がとれたり、嫌なシーンの詰め合わせでした。
クラクラするようなグロ描写が多すぎます。
笑わせようとするグロ
ヘソからフライドチキンが出てくるのとか、笑わせようとしてるんだと思いますが、私はキモくて無理です。
子供の頃、ヘソがなぜか怖かったので普通に嫌なシーンです。私は怖いです。
復讐の仕方が意味不明
フランス料理の本で料理しまくって部屋をめちゃくちゃにするのには笑いました。
卵をとんでもない顔で混ぜて、自分の顔にブッかかっていましたが、なんの恐怖シーンなんだよ。笑
部屋を汚すって。笑
見られてはいけないものがあるからメイドも雇えず自分で掃除するしかないのですね。笑
限られた分身の時間を奪うってなんか目的がわけわからなくなってしまっています。笑
爆笑の乳
あんなに垂れるのかよ。笑
めちゃくちゃ垂れていました。
この映画、結構おっぱいで笑わせにきます。笑
BASTARD!
老婆になった本体に切り替わっている時に隣人が下心全開で訪ねてきました。
その時に『バスタード!』と勢いよく言ってビビらせていたのにはスッキリしましたし笑いました。笑
面白過ぎる。笑
終了できない

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分身がルールを守らないのでとんでもなく老いてしまいました。
もう耐えられずにサブスタンスを終了しましたが、やっぱり活躍を捨てられずに生き返らせてしまいました。
ボロボロの体のはずなのに、分身を引きづりながら運ぶシーンではやたらパワフルで笑いました。笑
なんなんだよ。笑
吹っ飛び過ぎて爆笑
息を吹き返した分身は、終了用の注射を見て、言葉を交わすこともなく攻撃を始めます。
本体を蹴り飛ばすのですが、飛び過ぎて草。
急なアクション描写なんなんだよ。笑
結局本体は蹴り殺されてしまいました。
この時、今までの鬱憤を晴らすかのように怒りに任せて動かなくなった本体を軽続ける分身はめちゃくちゃ怖かったです。
崩れる分身
大晦日のカウントダウンショーという一大イベントに出演しようと準備をしている最中、安定剤を打っていない分身の体は崩壊し始めます。
そして焦って死んだ本体の元へいきますが、安定剤なんてもう摂れません。
どうしようもなくなったものの、大晦日のステージを捨てられない分身はサブスタンスを打ってしまいます。
生まれた怪物

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マジかよ。笑
コピーのコピーなのでエラーが起きたみたいです。
とんでもないクリーチャーが生まれてしまいました。笑
顔が背中にもついています。笑
もうどうすんのと思ったらここからこの映画はコメディへとシフトしていきます。
別種類のグロへ
ずっとリアルなグロ描写が続いていたのですが、終盤はB級映画を彷彿とさせるクリーチャーに、これでもかというスプリンクラー血飛沫。笑
爆笑しました。笑
今まで真面目に作り上げた映画内の世界観をぶち壊すような映像。
爽快です。たまりませんね。
クリーチャーになってしまったが
おめかしし始めました。笑
着れないドレスを無理やり着て、おっぱいがはみ出しています。笑
乳で笑いをとりにきています。笑
そしてほぼ無い髪の毛をヘアアイロンで巻き始めました。笑
そして、自分の写真をくり抜いて、ノリで貼り付けました。笑
ここまできても、綺麗にしてステージに立ちたいという執念が素晴らしいですね。笑
憧れていたステージへ
なぜかステージへ向かいます。笑
もう無理だろう。笑
そしてこの時の音楽がこちらです。笑
少し間を置いた後に、観客が1人1人絶叫をし始めます。笑
この映画、もう笑わせることしか考えていません。笑
復讐の血飛沫
腕がもげて、消化器科のごとく血が吹き出します。笑
もう意味がわからない。笑
でもあれは世の中への復讐ですよね。笑
私を産んだのはあんたたちよ!っていうことですよね。笑
にしても血が出過ぎだし。笑
勢いが良過ぎだし。笑
まだやるか!?
血飛沫をぶっ放した後、外へ出ます。
体はもうボロボロで脚ももげて歩けなくなりました。
そしたら、背中についていた顔がヒトデみたいに動き始めました。笑
もう意味がわかりません。笑
そして序盤に移されていたスター(ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム)のところへ行きます。笑
ここまできてもまだスターでいたいのか。笑
ハッピーエンド

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最後は星がたくさんある夜空から星が降ってくるかのようにして、彼女の物体は液化します。
そして、翌朝、何事もなかったかのように清掃されました。
本来なら切ないラストのはずです。
恐らくあの安っぽいスノードームは彼女が子供の頃に夢見ていたものなのでは無いでしょうか。
あそこまで執着していた栄光も、一瞬にして忘れ去られるという切ないラストになるはずなのですが、本作は面白過ぎてめちゃくちゃ爽快な気分で映画館をでました。笑
なんなんだこの映画。笑
最高じゃねーか。笑
試写会の様子
#サブスタンス 試写会
— あやちまる@怒りの映画垢 (@ayachimaru96) April 8, 2025
女によるルッキズム社会への復讐。
日本版の予告編からは全く想像がつかない展開から、怒涛のラスト。
あれだけのことをやっておいて、また驚くようなオチを付けれたのがすごい。
噂が噂を呼んで大ヒットしそうな最強ホラー映画。@SUBSTANCE_0516 pic.twitter.com/FwrmKKVADr
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