マルセル 靴を履いた小さな貝 (2021年) 90分【ネタバレ・考察】とにかく可愛いくて笑える素敵な物語で心が浄化される映画。製作期間7年のA24によるストップモーション×実写。掘り出し名作。

マルセル 靴を履いた小さな貝

ネタバレ無し感想

マルセルがとにかく良いキャラしていて可愛いです。
貝が生活しているという世界観がきちんと作り込まれていて楽しいです。
キャラクター造形もしっかりしていて、物語もすんなり入ってきます。

コメディ要素が可愛くて笑えるので老若男女が楽しめると思います。
物語のクオリティもものすごく高いのでもう一回観たいです。
詩的な表現やマルセルが感じていることを語るシーンはどこか感動的で心に残る印象的でした。

めちゃくちゃテンポよくて惹きつけられますし、映像も脚本も素晴らしく、感動と笑いのバランスが凄く良い作品でした。
根底には深いテーマが流れており、もう一度鑑賞したいと思いました。

事前情報

作中、60ミニッツというテレビ番組が出てきますが、これはアメリカのドキュメンタリー番組です。
1968年から放送されている長寿番組で、ハリウッドスターや政治、医療など幅広い題材を取り扱っている人気番組です。

Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@60minutes

基本情報

Marcel the Shell with Shoes On
マルセル 靴を履いた小さな貝
2021年 90分

マルセル 靴を履いた小さな貝

https://a24films.com/films/marcel-the-shell-with-shoes-on

キャッチコピー『貝だって人生は、ままならない』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2023年6月30日
アメリカ(TFF):2021年9月3日
アメリカ:2022年6月24日
興行収入 : 700万ドル
ジャンル:子供向け / コメディ / ドラマ

あらすじ

マルセルは体長2.5cmのおしゃべりな貝で、祖母のコニーと一軒家で暮らしている。ある日、マルセルは家に越してきた映像作家・ディーンと出会い、離れ離れになった家族を捜すため、彼の協力を得てYouTubeに動画をアップする。すると一躍人気者になるが…。

※参照元:U-NEXT


日本版 予告編

英語版 予告編

スタッフ

監督 : ディーン・フライシャー・キャンプ
脚本 : ディーン・フライシャー・キャンプ/ジェニー・スレイト/ニック・ペイリー
製作 : エリザベス・ホルム/アンドリュー・ゴールドマン/キャロライン・カプラン/ポール・メゼイ/ディーン・フライシャー・キャンプ/ジェニー・スレイト/テリー・レナード
音楽 : Disasterpeace
配給 : アメリカ・カナダ:A24
世界:Universal Pictures International/Focus Features

キャスト

マルセル:ジェニー・スレイト(声)
ディーン(ドキュメンタリー作家):ディーン・フライシャー・キャンプ
ナナ・コニー(祖母):イザベラ・ロッセリーニ(声)
ラリッサ・ゲラー:ローサ・サラザール
マーク・ブース:トーマス・マン
本人役:レスリー・スタール

アワード

  • 2022年ハートランド映画祭最も感動的な作品
  • 2022年サターン賞最優秀アニメーション映画賞
  • 2022年ニューヨーク映画批評家協会賞最優秀アニメーション映画賞
  • 2022年全米批評家協会最優秀アニメーション映画賞
  • 2022年ニューヨーク映画批評家オンライン賞最優秀長編アニメ映画賞
  • 2022年ワシントンDC地域映画批評家協会賞最優秀ボイスパフォーマンス
  • 2022年ユタ州映画評論家協会最優秀長編アニメ映画賞/脚色賞
  • 2022年セントルイス・ゲートウェイ映画批評家協会賞最優秀アニメーション映画賞
  • 2022年インディアナ映画ジャーナリスト協会映画賞最優秀アニメーション映画/最優秀ボーカル/モーションキャプチャーパフォーマンス
  • 2022年フェニックス映画批評家協会最優秀長編アニメ映画賞/PFCS2022トップ10/TheOverlookedFilmoftheYear
  • 2023年女性映画ジャーナリスト同盟最優秀アニメ女性部門
  • 2023年オースティン映画評論家協会最優秀アニメーション映画/最優秀声優賞・アニメ・デジタル演技賞
  • 2023年シアトル映画批評家協会最優秀長編アニメ映画賞
  • 2023年ハリウッド批評家協会賞最優秀インディーズ映画/最優秀音声またはモーションキャプチャーパフォーマンス
  • 2023年アニー賞最優秀長編アニメーション賞(インディペンデント部門)/長編アニメ作品における声優部門優秀賞/長編アニメーション作品の脚本賞
  • 2023年サテライト賞最優秀映画賞–アニメーションまたはミクストメディア

ポスター/パッケージ

 
 
 
 
 
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おせっかい情報

見る際の注意

特になし

こんな人におすすめ

可愛くて笑える映画が好き。

この作品が好きな人が好きそうな映画

※完全な偏見です。


 

Amazon Prime Video<字幕版>

Amazon Prime Video<吹替版/日本語音声>

マルセル 靴を履いた小さな貝

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マルセル 靴を履いた小さな貝

マルセル 靴を履いた小さな貝 A24フィギュア

⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

独特すぎる世界観

マジでタイトル通りじゃん。笑
靴を履いた小さな貝が主人公です。
マジで先が読めない。笑

とあるAirBNBで貸し出されている家で、おばあちゃんと借り暮らしをしています。

元々、この家はとあるカップルが住んでいたのですが、カップルは頻繁に喧嘩をしていました。
カップルが喧嘩を始めたら危険なので靴下の入った引き出しに避難するのがみんなの約束になっていました。

とある日の喧嘩の際、男は荷物をまとめて出ていってしまいました。
その際に男が持っていった靴下と共に家族や共に暮らしていた仲間全員が連れ去られてしまったため、おばあちゃんと2人で暮らしているそうです。

ボケ具合が絶妙

マルセルはディーンをおちょくるユーモアや知性はあるのですが、陰毛を『丈夫な毛』と呼んで使っていたり絶妙なボケ具合で笑えます。

マルセルはAir BNBの物件に住んでいるのですが、宿泊者から何か荷物をゲットしているみたいです。
ディーンから盗んだのはまさかのクレカ。笑
価値をわかってんだかわかっていないんだか、なぜかちゃんと貴重品を盗んでいました。笑

掛け合いがめちゃくちゃ楽しい

マルセルとディーンの掛け合いがめちゃくちゃ可愛いです。
『ドキュメンタリーだから僕の声は載せたくないんだ。』
って言うディーンに対して死ぬほど質問しまくるのも可愛い。笑

愛嬌満載で可愛くてイノセントなので可愛さが爆発しています。

めっちゃ好きなシーン

マルセル 靴を履いた小さな貝

https://www.wired.com/story/marcel-the-shell-with-shoes-on-movie/

おばあちゃんとポップコーンを食べながらYoutube観てるの可愛すぎた。
めちゃくちゃこのシーン好きです。
しかも私もポップコーンを食べながら観ていたので、謎に感動しました。

きちんとした伏線

序盤のシーンで、玄関の木製の手すりにハートで何かが彫ってあったのが気になったのですが、ちゃんとあとで伏線回収していました。
すげー丁寧に作られているんだろうなと思いました。

ジグソーパズルをおばあちゃんとやっていたのは、マルセルの家族のことを示していたのですね。

説明的でない説明

序盤からおばあちゃんには認知症の症状が出ていました。
貝なので、皺で年齢を表現できない分、会話でどれほど老衰しているのか表現しているのはさすがだなと思います。

しかも悲しく撮っているのではなく、どちらかというとコメディシーンです。

『さっきも説明したよ、映画じゃなくてドキュメンタリーを撮るんだ!』

ってマルセルも映画とドキュメンタリーがよくわかっていない状態で説明するのでめちゃくちゃ可愛いです。
とにかく2人とも可愛いです。

1人じゃないというテーマ

本作はずっと誰かと繋がっていることや、1人では生きられないということを表現しているように感じました。

『痒いところがあっても1人じゃかけないから叫ぶんだ』

っていうのはまさに孤独には生きていけないということを示していました。

どこかで同じことをしている

マルセル 靴を履いた小さな貝

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-reviews/jenny-slates-marcel-the-shell-with-shoes-film-telluride-1235006893/

虫眼鏡でポップコーン作れるんですね。知らなかった。
そんでポップコーンがポップしたことにめちゃくちゃ驚いて避難していたのには笑いました。
確かにマルセルからしたら手榴弾レベルで危険かもね。笑

マルセルは『みんなどこかで同じことをしているって素敵だね』って言っていましたが、その感性が素敵ですね。

生配信

Youtubeで動画がバズったマルセルは家族を探すために生配信を行い、呼びかけることにしました。
まず、サムネの写真なんでしょうか?半目びらきになっているのにも笑いました。
ディーンしっかりして!笑

あと唯一持っていた出ていった男の写真を公開していましたが、顔を晒していいの?笑
顔を晒してしまったらすぐに見つかりそうですが。笑

そしてMITSUBISHIが言えないのもめっちゃ笑いました。

管理人に聞くな

物件の管理人に問い合わせたとき、入居者の個人情報は伝えられないと断られていましたね。
その後に『ラズベリー食べたことある?』って聞いてた。笑

どんだけラズベリーの味に興味があるんだよ。笑
ディーン買ってきてやって。笑

めっちゃ吐く

マルセル 靴を履いた小さな貝

https://filmhounds.co.uk/2023/02/marcel-the-shell-jenny-slate-interview/

『上からみたら、全体を見渡せるんだよ!』って実演したのちに、ディーンの反対を押し切って車で捜索にあたることにしました。
喧嘩に備えるんだって言ってなんかヘルメットとかネジとか準備していたのウケる。笑

そして車の振動が小さいマルセルにとってはかなり大きな揺れなのでしょう。
これから壮大な旅が!みたいな演出のすぐ後に車酔いで吐いたの笑った。

ずっとジェットコースターに乗っているのと変わらないのではないでしょうか。
それでも弱音を吐かないところが逞しいぞマルセル。
そして謝った直後に吐いてるのも面白くて可愛かったです。

絵を書いて心を癒す

マルセルは鏡の後ろに彫絵をしていました。
いなくなった家族や隣人の絵を書いており、最後はおばあちゃんの絵も描いていました。

不思議なのですが、マルセルはあからさまに悲観的になったりはしません。
誰も責めたりはせず、穏やかに起こった出来事を受け止めている様子でした。

かっこいいおばあちゃん

マルセルとおばあちゃん

https://www.empireonline.com/movies/reviews/marcel-the-shell-with-shoes-on/

マルセルと2人きりで置いていかれてしまって、相当やることが増えたでしょう。
そんな環境でも適応して農業を学んで作物を育ててマルセルを養ったって結構とんでもないおばあちゃんですね。
虫とも仲良いし。

マルセルもおばあちゃんに似て工夫して生活を営んでいたのかな。

おばあちゃんの老衰が悲しい

序盤ではハキハキと農業をしていたおばあちゃんですが、後半ではどんどん動けなくなっていっていたのが悲しすぎました。

しかも同居人が外出中に転んでしまって怪我とか、私の周りでもよく聞く話なのであのシーンは身近に感じました。

おばあちゃんはマルセルが車で旅をしている間、乾燥機の上に乗って風を感じていたのでしょうか?
風を感じていたところ、SNSを見て集まった連中によるなんらかの衝撃が加わったのか、カゴが落ちてしまってそれに巻き込まれて落ちてしまったのでしょうか。

おばあちゃん想い

『失ったもののために今あるものまで捨てたくない』という切実な想いから、おばあちゃんに負担をかけたくないということでテレビ取材を断ってしまいます。
おばあちゃんの世話を焼きます。

『冷たくて美味しいお水を持ってきたよ〜』

っていちいち明るいところが本当に可愛かったです。
マルセルのように生きていきたいですね。

犬のアーサー

おばあちゃんを静かな環境で休ませたくて『もう、アーサーをどうにかしてよ』って言ったのでディーンがアーサーをケージに入れていました。

そしたら『アーサーは刑務所行きなの?』って。笑

ディーン仕事しろ!

ドキュメンタリーなので口出ししないのはわかりますが、リスが入ってきた時は流石にもっと干渉しろよ!笑
一瞬で死ぬぞ!笑

リスクを取ってでも一歩踏みだすことが大切なのよ

マルセル

https://parentpreviews.com/movie-reviews/marcel-the-shell-with-shoes-on

おばあちゃんが保守的じゃないのが意外でした。

コンフォートゾーンを出て行動しなさいということですね。
マルセルに一歩踏み出してもらいたいという気持ちで元気を装うのは切なかったです。
自分の死期を悟ったからこそ、早急にマルセルに家族を見つけて欲しかったのですね。

マルセルを1人にさせないために行動していたおばあちゃんには泣けます。

死の描き方が幻想的

てんとう虫に導かれるように最後は自分のコンパクトで作ったベットで亡くなりました。

”広がる葉は悲しみのよう。
新たに生まれるかのように見せて、年輪は刻まれる。
それでもなお、葉は必ず生い茂る。”

このとき、過去のシーンがカットバックされてすごく美しい映像でしたが、詩の意味はあんまりわかりませんでした。笑
生命のサイクルと老いに対する詩なのでしょうか?
ちょっとよくわからなかったのでもう一回観たい。

豪華なお墓

マルセルは優秀ですね!上から見ながらバランスを考えて作ったのね!
めちゃくちゃ綺麗なお墓を作っていました。

ディーン、木を間違える

そんなお墓を写しているとき、ディーンは木の上に登って撮っていたみたいで、隣人に怒られていました。笑

『うちの木から降りろ。保険に入っていないんだ。それはうちの木だ』って。笑

悲しい出来事が起きても感傷的になりすぎないのがこの映画のリアリティだなと思いました。
悲しいことが起こっても、現実では脈略なく楽しいことが起こったり、面白いことが起こったりするという連続的な現実のようでした。

ハチがバカで可愛い

窓に思いっきりぶつかってたり、蜜を吸いすぎて酔ってたり、最後はマルセルに寄り添ったり、ちょっとしか出てきませんが可愛くて印象に残っています。

伏線回収

『この声が聞こえたということは!?』って元カップルの喧嘩で靴下がしまってある引き出しにみんな集まっていたのには感動しました。笑
そういうことか!笑
可愛い!笑

無邪気ないとこたち

怪我をしたことがないから勢いがあるんだよねって案外、真理を突きます。笑

多分マルセルは母親似

おばあちゃん、多分父方のおばあちゃんだね?
『別のことを考えていた』ってボーッとしているところがおばあちゃんに似てる。笑

感動的なアカペラ

アカペラのシーン、歌はそんなに上手くないのですが、めちゃくちゃ泣けます。

マルセルが感じる世界

Youtubeでさまざまな人から反応され、マルセルは世界と繋がっていることを感じていました。
小さいマルセルも世界のパズルのピースであることを表現していたのでしょうか。

時折、1人になって風を感じることで、1人じゃないと感じるというのは自然の一部であることを感じているのか、どこかで同じ風を浴びている存在を感じているのか。
どこか共感できそうな詩的表現が良かったです。

とにかく素敵なシーンが多かったです。

ハッピーなラスト

最後は引っ越したディーンの家にマルセルが遊びにきていました。
変にみんなを連れてったりせず、金儲けに利用したりもせず、平和で現実的な着地のように思います。
このマルセルとディーンのそれぞれ独立した距離感がいいなと思いました。

関連情報

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参考情報
余談

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