ネタバレ無し感想
イケメンで高学歴で金持ちな完璧なエリート男が殺人衝動を抑えることができないという内容のスリラー映画でした。 テンポ良くて、思っていたよりコメディで、思っていたよりグロは控えめなので観やすかったです。
あまりにも主人公が無様で幼稚に描かれていて、男の嫌なところが詰まっているなと思って調べたらこの映画、女性監督の作品でした。
この時期の作品って資本主義社会へのアンチテーゼ的な映画が多いですね。
ファイト・クラブやアメリカン・ビューティーもそんな映画だったし。
当時の空気感ってこんな感じだったんかね。
現代でも通用するテーマでした。
本作は資本主義社会へのアンチテーゼに加えて、案外ポリコレ的な側面があったように思います。
基本情報
American Psycho
アメリカン・サイコ
2000年 102分
キャッチコピー『僕は最高に満ちたりている』
キャッチコピー(英語)『 』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2001年5月3日
アメリカ:2000年4月14日
製作費 : $7,000,000
興行収入 : $34,266,564
ジャンル:ホラー / コメディ / コメディ・ホラー
あらすじ
1980年代、ニューヨーク。ウォール街の一流企業で働くパトリック・ベイトマンは、高級マンションに住み、婚約者もいるエリートビジネスマン。社会的な成功を手に入れたかに見えた彼だったが、いつしか満たされない心の渇きを感じるようになり…。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : メアリー・ハロン
脚本 : メアリー・ハロン/グィネヴィア・ターナー
原作 : ブレット・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』
製作 : エドワード・R・プレスマン/クリス・ハンリー/クリスチャン・ハルシー・ソロモン
製作総指揮 : マイケル・パサーネク/ジェフ・サックマン/ジョセフ・ドレイク
音楽 : ジョン・ケイル
配給 : アメリカ:ライオンズゲート
日本:アミューズピクチャーズ
キャスト
パトリック・ベイトマン:クリスチャン・ベール
ドナルド・キンボール(探偵):ウィレム・デフォー
ジーン(パトリックの秘書):クロエ・セヴィニー
イヴリン・ウィリアムズ(パトリックの婚約者):リース・ウィザースプーン
コートニー・ローリンソン(パトリックの愛人):サマンサ・マシス
エリザベス(パトリックの愛人):グィネヴィア・ターナー
ポール・アレン(パトリックのライバル):ジャレッド・レト
クレイグ・マクダーモット(パトリックの同僚):ジョシュ・ルーカス
ルイス・カルザース(パトリックの同僚):マット・ロス
デイヴィッド・ヴァン・パッテン(パトリックの同僚):ビル・セイジ
ティモシー・ブライス(パトリックの同僚):ジャスティン・セロー
ハロルド・カーンズ(弁護士):スティーブン・ボガート
クリスティ(娼婦):カーラ・シーモア
サブリナ(娼婦):クリスタ・サットン
デイジー(パトリックの同僚の恋人):モニカ・マイヤー
ヴァンデン:キャサリン・ブラック
ヴィクトリア(クリーニング店の女):マリエ・ダム
ミセス・ウルフ(不動産業者):パトリシア・ゲイジ
アル(ホームレスの男):レグ・E・キャシー
ポスター/パッケージ
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おせっかい情報
見る際の注意
性的なシーンがあります。
ドラッグのシーンがあります。
直接的な描写はそんなにないですが若干グロいです。
直接的な描写はありませんが犬がひどい目に遭います。
こんな人におすすめ
エリートが没落していく様を観たい。
資本主義社会によって蝕まれた男の映画が好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
- ファイト・クラブ (1999年) 139分
- アメリカン・ビューティー (1999年) 122分
-
ウルフ・オブ・ウォール・ストリート
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
有害な男性性(Toxic Masculinity)をバカにする映画
主人公のようなステレオタイプを徹底的にバカにして描いているように見えました。
この監督、モラハラエリート男に恨みあるでしょ。笑
ソフト/クワイエットみたいですね。
有色人種を差別する白人女性たちを主人公にし、彼女たちを徹底的に間抜けで嫌悪感満載に描くというタイプの、特定のステレオタイプへの復讐。
ソフト/クワイエットも女性監督でしたね。
本作もそんな映画に見えました。
主人公のパトリックは表面上は完璧に見えますが、中身は完全に変な奴で笑えます。
本人は自分が完璧だと信じて疑わないようですが、めちゃくちゃ稚拙ですし、精神を病んでいます。
滑稽です。
精神が脆弱
パトリック、精神の弱さを隠すために体を鍛えているように見えました。
名刺のデザインごときで追い詰められて人を殺していたし、後半は完全に病んでいる人でした。
探偵とのランチでも取り乱していたし。
序盤から幻聴のような症状が見て取れます。
ポルノ・ビデオを見ながらドーシアに電話したとき笑われていましたが、多分普通にお断りの対応をされたんだと思います。
でもパトリックからしたら自分を嘲笑っているように感じたんでしょう。
たかがレストランの予約一つで自尊心が傷ついて、幻聴が聞こえてしまうってめちゃくちゃ精神弱いですね。
ゲイだよね?
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本人に言ったら”俺がゲイなんてありえない。同性愛者は生殖ができない下等生物だ。”みたいなことを言いそうですが、多分同性愛者ですよね?
パトリック本人は気がついていないのか、気が付かないフリをしているかは不明ですがゲイですよね?
潜在意識で自己否定をしているから過剰に自己顕示欲が強くナルシストなのではないですか?
序盤のスキンケアについて語るシーンからもうゲイにしか見えませんでした。
本人がバカにしているその辺の女より美容意識が高いのは皮肉ですね。
ポール・アレンに恋してたんじゃない?
ポール・アレンがやたら目について、2人で飲みに行って、殺して成り替わるってもう大好きで仕方がないんでしょう。
話し方を真似できるくらい彼のこと見ていたんでしょう?この記号的な情報でしか人を認識しない世界線で、パトリックはポール・アレンの声真似ができるって結構すごいことなんじゃないですか。
それを認めるわけにはいかないから殺したということでしょう。
自分がゲイであることを否定するために殺しましたね?
単純に自分より優秀で憧れていたので鬱陶しかったのもあると思いますが。
憧れている自分ですら認めたくないみたいなプライドの高さも感じました。
過剰に男性的であろうとする
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セックスしている最中に自分の姿を見るのってやばすぎる。
ずっと過剰に男らしくあろうとしている印象です。
ポルノ・ビデオを借りている様子でしたが、興味なさそうで見ていませんでしたし、娼婦にも興奮しているようには見えませんでした。
序盤でもオフィスで鳥の交尾に関する番組を見ていませんでした?
なんか様子がおかしいです。
意図的に何かから気を逸らそうとしている感じがします。
ビデオを返しに行ってくる
AVどんだけ借りてんだよ。
パトリックの持ちギャグ。笑
これには笑いました。
てかちょいちょい笑えるシーンがあります。
ポールを殺す前に音楽をかけて、腰を左右にクイックイッと振るところとかも面白かった。
ご機嫌じゃん。笑
何を運んでいるかよりバッグに関心を示すところも面白かった。
しかもちゃんとブランドもののバッグなんだ。
あとラストのめっちゃ人殺すシーン、回転扉で一周まわって清掃員を撃ち殺したのには笑いました。
ドタバタ過ぎる。
あとドヤ顔のサイコスマイルで銃を出すかと思ったらボールペンだったのもいいですね。愉快で軽快です。
過剰な自信と足りない実態
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自分以外の全てを見下していますね。
自分が一番なのに、他人から賞賛されないし、認められないという満たされない気持ちが弱者への殺意に表れているように思いました。
『日々、美容に努力している俺とお前が平等だと思うなよ』というタイプの怒りがすごい。
自分は特別な存在だと思いたいのに社会がそう扱わないことへのフラストレーションがすごいです。自信家の成れの果てというか。
”なんで僕を褒めてくれないんだ!いちばんなのに!”って喚く子供みたいです。
いじめで発散
他人に少しでもバカにされると怒りが湧いてくるみたいですね。
バーテンの女に暴言を吐いたときも、恥かいた気持ちになったんでしょうし、ホームレスを殺したときも名刺合戦からくる劣等感の憂さ晴らしのようでした。
ジョーカー(2019年)で電車に出てきたサラリーマンたちみたい。
本音と建前
女とユダヤ人を差別する友人を嗜めた直後にバーテンに暴言を吐いていました。
スリランカの虐殺、アパルトヘイト、核兵器根絶、イラク戦争、人種差別を無くさないといけないとか中身空っぽの綺麗事を言っていましたが、社会問題を言ってみただけですね。
ホームレスは殺すし、娼婦はモノ扱いだし、本音と建前の乖離がすごい。
あの薄い内容に感動するルイスは恋してるから補正がかかっているんでしょう。
ほんと誰もまともに中身を考えてないじゃない。
初めて探偵がオフィスに訪ねてきた時も、支離滅裂でした。
ブレイブ・アフリカというミュージカルに行ったと言っていましたが、ヒューイは黒人っぽい声だから好みじゃないってなんだコイツ。
よくよく考えたらずっと魅力的
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パトリック視点の映画なので、彼の本音と共に物語が進みますが、周囲の人の視点になってみると、パトリックっておかしな言動をしないんですよね。
娼婦やホームレスを除いたら人の気を害すような発言はしていません。
秘書にも『ワンピースにしろ。君はもっと綺麗なんだから。ヒールの方が好きだな』と外見にダメ出しをした後にちゃんとフォローしていました。
普通に映画を見ていると物凄く嫌なやつなのですが、周囲の人からするとただのエリートイケメンというキャラクターなのでしょう。
もう一回観て周囲の人の対応に着目したい。
こういう奴いるよね
自分が上に立っていないと明らかにつまらなそうにするやつ。
圧倒的に若い男に多い。
そして近年ではひろゆき構文が流行ってモラハラ的な思考や自分の意見が正しいと認めさせることを”論理的で頭がいい”と勘違いして論破することが目的になっているバカとかもちっちゃいパトリックですね。
でも現実にいるパトリックって彼ほどマスクが分厚いわけじゃないので魅力的でないのですよね。
メンヘラ発症してない?
他人の評価を自分の幸福の評価基準にしてしまったら、絶対に幸せになれません。
自分の母親に死ねと言われても知るか!っていうくらい自分が絶対的でないと。
しかしパトリックは世間の流行が判断基準となってしまっています。
他人からの評価も異様に気にするし、他人からどう見られているのかも熟知しています。
それを基準に生きているから病んでしまったのかなと思いました。
あと後半では何か処方薬を飲んでいましたね。
あれはなんだったんだろう。
顔じゃなくてスーツで人を認識
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ポール・アレンはパトリックのことをずっとマーカスと呼んでいました。
同じ部署の人間でスーツの好みが近いからそれて覚えているようです。
誰も中身に関心がないというディストピアな世界観なのでラストに弁護士が勘違いしているのも納得ができます。
俺はすごいんだぞアピがすごい
精神薬で意識が朦朧としている女をドーシアじゃないレストランに連れていって、ドーシアだと思い込ませていました。
これで彼女がパトリックにドーシアに連れていってもらったと友人に自慢するでしょうから、そしたら自分の株が上がるわけですね。
これがもし、仕事で優位になれるとか、金銭や何か目的があってやっているのであれば理解できるのですが、パトリックの場合全部自己満足と虚栄心のみなので幼稚に見えて仕方がない。
婚約者ですら認識していない
クリスマスパーティーでもパトリックがいることに気がついていませんでしたし、ポール・アレンに見せつけるかのようにヤドリギの下でキスしていました。
どっちも全く相手に関心がありません。
別れ話をする際、パトリックが殺人衝動について告白をしますがまるで聞いていませんでした。
不自然過ぎるコミュニケーションでしたが、この世界線では全員が全員自己中でナルシスティックで他人に全く関心がありません。
この2人、思い出なんてないでしょう。
多分、お互いの好物すら把握していないんじゃないかと思います。
唯一まともに病んでいるのがエリザベス
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精神薬を飲まないとやっていられない状態になっており、子供が2人欲しいけど婚約者はゲイ。
なんかエリザベス、パトリックとセックスしたあと自殺してません?
パトリックに何かを話そうとしてやめていましたが、あのあと死んでいる気がします。
この年代の映画では珍しく結構登場する有色人種
最初に行ったクラブのセキュリティが(恐らく)黒人のドラァグクイーンでした。
クリーニング屋の中国人に暴言を吐いていました。
クリスマスパーティーのウエイターはどこかわかりませんが有色人種でした。
日本のエステを受けていました。
ポール・アレンと行ったレストランはメキシカンレストランですかね。
メキシコ系のウエイターが本日のオススメを説明したがっていましたね。
随所に有色人種が登場していました。
誰も聞いていないパトリックの演説
娼婦に『俺の仕事を聞くか?』と聞いていましたね。
普通ああいう出会いなら素性を聞いたりすることがよろしくないので、娼婦は『いいえ』と答えましたが、パトリックは勝手に話し始めました。
すると娼婦は”自慢がしたいのか”と察して『家賃が高そうね』と聞きました。
『それは教えられないけど、安くないと言っておくよ』ってクソほど嫌味な返しでしたね。
娼婦に気を遣ってもらったのに、嫌味で返すという。
結構バカかも
ドーシアの予約が取れないパトリックですが、秘書に虚勢を張るためにドーシアに電話していました。
もちろん断られていました。
『名前を伝えていなかったわ』って普通にバレていたし。
なんで本物の電話番号にかけたん?
断られるのわかっていてヤケクソで言っている感じしたよね?
秘書って発信履歴も見れたりするん?
あとなんでポール・アレンの死体を運ぶのにタクシーを呼んだんだよ。
速攻で色々バレるだろ。
血抜きして遺体から体液が漏れないように処理したんか。
そしてポール・アレンの家で工作しているとき、手袋してなかった。指紋だらけやんね。
やっぱ幼稚かも
探偵が初めてオフィスにきた時、ジョンという架空の男にファッションのアドバイスをしているフリをしていました。
これは流石に幼稚過ぎて共感性羞恥心を刺激されました。
炭酸水か、水か、ライムかって探偵に聞いていましたが、これほどおもてなしをするんですよというアピールですよね。
何が恥ずかしいかって、これが取引先のクライアントとかならわかるんですが、探偵なんですよ。
これ本当に自分の虚栄心を満たすことが目的なんですよね。
散りばめられた嫌な会話
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『君肌の色いいね、どこで焼いてるの?サロン?俺は自家用の持ってるよ』
ってポール・アレンもなかなかですね。
最初に褒めたのはマウントを取るための滑走路だったんですね。
パトリックもたちんぼに対してカードは使えるかと聞いていました。
無理なのが分かった上で聞いている嫌味ですね。
ランチがあるのでっていう時にわざわざ店名を出すのがキモいですね。
『美人で面白い女はいない。性格が良くて頭がいい女はブス。魅力のなさをカバーするためだ』
これ映画で聞いた中で一番気分が悪い女性蔑視発言でした。
でもすごいのが脚本も女なんですよね。
殺人衝動
ルイスが新しい名刺を見せたら発作が起きました。
そしてトイレに行ったルイスを衝動的に首を締めて殺そうとしたらゲイのお誘いと勘違いされていました。
パトリックが手を洗う時の顔が、違う!俺はゲイじゃない!っていう顔してたように見えます。
そしてビデオを借りに行きましたね。
殺人鬼について言及
エド・ゲインやテッド・バンディについて言及されていました。
殺したモデルの髪の毛を持っていたり、死体を保管していたりするところはエド・ゲインをモデルとしている、一見すると魅力的だが実は殺人鬼であるという点はテッド・バンディをモデルにしているという示唆なのでしょうか。
引用元をセリフで示してくれるなんて、親切設計ですね。
モデル、やっぱりバカじゃん
『みんなモデルのことをバカだというの。でもあなたはいい人そう』って言ってついていって生首切られていました。
見抜けてないじゃん。バカじゃん。笑
唯一生きている人として扱ってくれた秘書
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そもそも秘書を殺そうとするなよ。
すぐに容疑者になるだろう。
『誰かを幸せにしたいと思ったことは?』
本作では、唯一この子だけまともにパトリックと人として向き合っていたように思えます。
婚約者の留守電によって殺されずに済みましたが、ワンチャン電話がかかってこなかったとしてもワンチャン逃していたのではと思います。
ここのすれ違いコントも面白かったですね。
秘書は恋愛的な意味での『傷つく』と思ってとり、パトリックは身体的に『傷つく』を示していました。
友人も病んでいる
汚いトイレでコカインを吸っているとき、隣のトイレのヤク中に絡まれていましたね。
ステロイドの副作用でキレやすいんだみたいなことを言っていました。
男らしい体になりたくてステロイドを打っているのでしょうか。
友人も有害な男性性に毒されており完全に病んでいますね。
女も差別的
パトリックがいつもと同じように音楽に対する持論を述べ始めたとき、ラリった女が『ホイットニー・ヒューストンなんて聴くの?』ってバカにしたように言っていました。
男がホイットニー・ヒューストン聴いて何が悪いんだよって思いますが、昔のアメリカってこういうのすぐゲイ認定していたらしいですね。
ファッションに興味あるやつはゲイだと思われるからTシャツとジーンズしか履かないっていうのが一番有名な話でしょうか。
結局殺したの?妄想なの?
どっちにも取れる作りにしているのが本作のいいところですね。
私は殺している方で解釈することにしました。
殺している方が闇が深いので!ホラー要素追加したい方は殺していると解釈したらいいのではないでしょうか!
めっちゃ殺したと思う!
ホームレスは殺していると思いました。
1980年代のNYの治安ってめっちゃ悪そうなので勝手なイメージです。
単純に未解決事件として適当に処理されていそう。
ポール・アレンは殺していると思いました。
他にも狙ったのはたちんぼしている娼婦たちなので、行方不明になってもおかしくない人々を手にかけたのではないかと思いました。
クランベリージュース
高級シーツをクリーニングに出そうとして断られていましたが、前日に女をナンパしていましたね。
色が乾いた血の色にしては紫っぽかったのでジュースなんだろうなと思いました。
もしあれが本当に血なのだとしたら流石にバカすぎませんか?
捨てたり燃やしたりしません?
名シーン
序盤で悪魔のいけにえを見ながら筋トレしていましたね。
伏線だったとは。
全裸スニーカーチェーンソーシーンには爆笑してしまいました。
足を食べようとするし。
行き過ぎていて笑えました。
しかし、チェーンソーを落として命中させて殺害するのはどこか頭脳を感じましたね。
流石にこれは幻覚でしょう
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”FEED ME A STRAY CAT”のATMから、パトカーの爆破、ヘリによる追跡は流石に幻覚だと思います。
もう完全に狂人になってしまいました。
ATMに猫を入れろと表示が出たところで普通は銃で殺して猫をカード差し込み口に入れようとはしないじゃないですか。
もう完全に崩壊してしまっていますね。
パトカーが爆発したとき、パトリックも『え?なんで?』って顔してましたし。
あとあの銃ってそんなに弾数入らないのでは?銃に詳しくはないのですが、ハンドガンって15発くらいですか?めちゃくちゃ乱射していましたよね。
何発なのか正確には数えていないのですが20発は乱射していたのではないですか。
整頓された都会に迷い込んだかのよう
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パトリックがパニクって走り回るシーンですが、どこか無機質でプレイタイムや食人族を思い出しました。
都会の病理?
不動産屋は何を知っていたのか
死体だらけで事故物件となってしまったために隠蔽したっぽかったです。
そして不動産屋視点では失踪したポール・アレンが容疑者という認識なのではないかと思います。
ポール・アレンが娼婦を惨殺しまくって失踪し、マンションに入ったら酷い有様だったので公にはせず速やかに売却の準備を進めたという風に見えました。
弁護士はずっと人違い
弁護士の俳優の表情が物凄くロボットのようでいいですね。
本当に聞いているようで何も聞いていなさそうな顔。アンドロイドのようでした。
多分10日前にポール・アレンと食事をしたと言っていますが、パトリックのことも人違いしていたので別人をポール・アレンだと思ってそう証言したのでしょう。
誰も興味がない
ポール・アレンを殺す直前にバンドの曲のリズムを楽しむのもいいが、バンドのステートメントに関心を示すべきじゃないか的なことを言っていましたね。
実際にアメリカでヒットした曲に『pumped up kicks』という歌がありますが、歌詞の内容が学校で無差別殺人を行う犯人視点の曲です。
誰も歌詞の内容なんてまともに聴いていないのです。
誰も俺を認識してくれない
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結構怖いディストピアですね。
全員がモブであるという。
そういえば、主人公はそれぞれちゃんと認識できていました。
人違いされることはあっても、主人公が人違いする描写はありませんでした。
絶望のラストは、自分はそれぞれ認識しているのに、誰も俺をきちんと認識してくれないということなのでしょうか。
他人からしたら俺の中身なんてどうだっていいんだ、この希薄な人間関係擬きで成り立っている社会では、自分でも本当の自分を見つけられないということなんですかね。
このラストの独白についてはあまり咀嚼できていません。
誰でもいいということなら、人と向き合うことにも、自分自身と向き合うことにも意味がないということでしょうか。
マジでディストピアなラストでした。
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