ドリーム・シナリオ (2023年) 102分【ネタバレ・考察】前半はポップで楽しいコメディなのに、後半は辛い展開。テンポ良くて演技もいい。満足感の高い映画。

ドリーム・シナリオ

ネタバレ無し感想

もうやめてぇえええええええ!!!!!!!!!!!!あたしたちがニコケイ守らないとおおおおおおおおお!!!!!!!!!早くこのおぢをハグしに行かないとおおおおおおお!!!!!!
って思った映画でした。

前半はめちゃくちゃ楽しいコメディで高揚感もあるのですが、後半は現実味を帯びたホラーでした。
キーワードはSNSの栄光と闇と集合的無意識と資本主義社会という感じでしょうか。

ニコラス・ケイジ、演技が上手いのは皆も承知のことかと思いますが、何よりめちゃくちゃハマり役です。
冴えないオジサンがハマり役と言ってしまうと貶しているみたいですが、このニコラス・ケイジはとにかく説得力が凄いです。
実在感。

勝手に祭り上げられて、勝手に突き落とされる、何もしていない中年の話です。

基本情報

Dream Scenario
ドリーム・シナリオ
2023年 102分

ドリーム・シナリオ

キャッチコピー『この男を、夢で見ませんでしたか?』
キャッチコピー(英語)『Meet the man of your dreams』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2024年11月22日
カナダ(トロント国際映画祭):2023年9月9日
アメリカ:2023年11月10日
興行収入 : 1,240万ドル
ジャンル:コメディ・ホラー

あらすじ

ごく普通の暮らしをしている大学教授のポール・マシューズ。平々凡々とした日常を過ごしていたが、ある日、何百万という人々の夢の中に一斉にポールが現れ、一躍有名人に。ポールはメディアの注目を集め取材を受けながら得意げになっていく。夢だった本の出版まで持ちかけられ、天にも昇る気持ちだった。しかし、そんな夢のような日々は突然終わりを告げる。夢の中のポールが様々な悪事を働くようになり、現実世界で大炎上。コントロールの効かない夢の中のポールは人々のトラウマの対象となってしまう。

※参照元:Amazon Prime


日本版 予告編

夢がトラウマになる… 映画『ドリーム・シナリオ』予告編
ある日、何百万人という人々の夢の中に一⻫にポールが現れた!夢の中のポールは、特段何をするわけでもないのだが、誰もがポールの顔を知っている状態となり、一躍超有名人に。しかし、ある日を境に夢の中の自分が悪事を働き始め、大炎上してしまう。果たして、男の運命は!?そして、夢の中のもう1人の自分の的とは!?劇場公開:11月...

英語版 予告編

スタッフ

監督 : クリストファー・ボルグリ
脚本 : クリストファー・ボルグリ
製作 : ラース・クヌーセン/アリ・アスター/タイラー・カンペローネ/ジェイコブ・ヤフケ/ニコラス・ケイジ
音楽 : オーウェン・パレット
配給 : A24

キャスト

ニコラス・ケイジ:ポール・マシューズ
ジュリアンヌ・ニコルソン:ジャネット・マシューズ
リリー・バード:ソフィー・マシューズ
ジェシカ・クレメント:ハンナ・マシューズ
マイケル・セラ:トレント
ティム・メドウス:ブレット
ディラン・ゲルーラ:モリー

アワード

  • 2024年クリティクス・チョイス・スーパー・アワード:ホラー映画部門最優秀男優賞(ニコラス・ケイジ)
  • 2024年サターン賞:映画部門最優秀男優賞

ポスター/パッケージ

 
 
 
 
 
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おせっかい情報

見る際の注意

ちょいグロかも

こんな人におすすめ

不思議な世界観のホラーが好き。 現代の社会風刺的なホラー映画が好き。

この作品が好きな人が好きそうな映画

※完全な偏見です。


 

Amazon Prime Video

⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

モチーフとなったマーケティング計略『This Man』とは

This Man

https://en.wikipedia.org/wiki/This_Man

2008年にとあるマーケティングの専門家が”Ever Dreamed This Man?”というウェブサイトを立ち上げた。

そのサイトに掲載した内容は、とある精神科医が患者に”会ったことない男の夢を見る”と言われ、似顔絵を作成。
その似顔絵を別の患者や、他の精神科医に見せたところ、”自分もその男の夢を見た”と言われた。
そして国を問わず、世界中で2000人もの人々がこの男の夢を見たことがあると回答し、夢の内容はロマンチックなものや性的なもの、恐ろしいものと様々で、一緒に空を飛んだというものもあれば、何もせずに見つめてきたというものもあるとされた。

そしてThis Manの現象について、5つの可能性を述べた。
・集合的無意識
・神の姿
・超自然的な能力によるものか、企業による催眠のようなもの
・This Manの話を聞いた人が、その話に影響を受けてThis Manの夢を見た
・夢の中に出てきた人の顔を覚えていないからこの人だと思ってしまう

このサイトは2009年10月から報道やインターネットユーザの注目を集め始めたが、2010年にサイトのを作った人物がThis Manはゲリラ・マーケティングの一環でただのイタズラだったことを認めた。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/This_Man
https://en.wikipedia.org/wiki/This_Man

つまり、This Manはめっちゃ優秀なマーケターが広めた嘘です!
イタズラです!笑

集合的無意識

集合的無意識

https://www.nlpjapan.co.jp/nlp-focus/collective-unconscious.html

ドグラマグラをきっかけに集合的無意識という概念に出会えたことが、ここで役に立つとは思いませんでした。
言及されていましたね。

精神医学が発達する前に発表された人間の意識は無意識で繋がっているという説です。

”国や文化は違えど、人類は共通して持っている概念がある。幽霊が透けているとか、社会構造とか、宗教という概念とか。
そうか!人類は意識の奥深くでは、インターネットのように繋がっているんだ!”

っ的な、ユングが提唱した説です。

引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%90%88%E7%9A%84%E7%84%A1%E6%84%8F%E8%AD%98

シマウマが派手な理由

シマウマ

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

目立たなければ肉食動物に狙われることはないが、目立つと繁殖に有利だ。
とのこと。
まさにこの主人公にこれから起こることを予見していましたね。笑

この始まり方、ヘレディタリーの冒頭と一緒で製作に加わっているアリ・アスターの存在を感じました。笑

密かな夢

いつか自分の研究に関する本を書いて学者として世間に認められたいという願望があるようです。
しかし、現実はただのなんの特徴もないおじさん。
主人公はめちゃくちゃその辺にいそうな普通のおじさんでした。
何も特別なことはなく、ただ粛々と人生を送っているような人です。

序盤で学生時代の研究仲間に”研究アイディアをパクられた!”みたいなことを言っていましたが、一応、その論文にも名前を載せてくれているようだし、パクった感じでもなさそうです。

自己顕示欲によって人々の夢に登場

ドリーム・シナリオ

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

思春期の娘たちは食事中もスマホをいじっており、あまり相手にしてくれません。
生徒もまともに自分の話を聞いてくれません。
同級生には会食にも読んでもらえません。

恐らく、主人公の自己顕示欲が夢という形で表現されているのかなと思いました。
だから最初は1番相手にして欲しかった娘の夢に登場したのかなと思います。

めちゃ教授っぽい

『授業を始める前に5分間質問に答える』

ってなんか優秀な先生ですね。笑
これ最初にやっとかないと生徒の気が散って仕方ないですもんね。笑

そっと登場するのに爆笑

ドリーム・シナリオ ポール

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

ポールが様々な夢の中に登場するのですが、夢の主が困っているとそぉっと出てきて、なにもしないのめちゃくちゃ面白かったです。
いくつかのシーンでは爆笑しました。

面白すぎるでしょあれ。笑
あのシーンだけまた見るかも。笑

妻の夢には出る必要がなかった

妻の愛には満たされていたんでしょう!
ラブラブでしたもんね!

『私の夢には出てくれないの?ちょっとエッチな夢に出てきて』
なんて言っちゃって!
自己顕示欲なんて湧く隙がないくらいラブラブじゃない!笑
ちゃんと不満も言い合っているしこの夫婦安泰!笑
かわいいぞ!笑

有名税

夢に出るようになり、特集が放送されたせいで有名になり、精神がおかしい奴に空き巣に入られます。

ここでは堂々と強盗と話していたのはさすがお父さんという感じでしたね。
でもここから夢の中のポールの様子がおかしくなり始めます。

すぐビジネス

会議室

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

なんか今時のスタートアップって感じでしたね。笑
何も特出する能力がないただの一般人でもバズってしまえば誰かが利用しにくるっていう。
魂がなく金のことしか考えていない嫌な感じをめっちゃ感じました。笑
てかこの映画めちゃくちゃSNSの話でした。

凶暴化する夢の中のポール

バズって有名になると思わぬ願望が湧いてくるんでしょうね。
オフパコだってしたいし、誹謗中傷されたら言い返したくなるし、なんならもっと有名になりたいし。

最初はただ娘に相手にして欲しかっただけの自己顕示欲が暴走して、みんなに認知されたくなり、オフパコもしたいし、攻撃性も増しているという風に見えました。

死ぬほど笑った

ポールとセックスする夢をみたという女と飲んでました。
自宅に連れて行かれ、彼女がみた夢を再現しようとするのですが、このシーン面白すぎる。笑

そもそも変なセックスだし、オナラしたのも爆笑した。
急に『オナラは健康な証だ』とか誤魔化し始めるのウケる。
しかもズボン脱がせようとしただけで射精したし、それに動揺したのかオナラまで。笑
恥ずかしくなって逃げていったのも爆笑した。笑
こんな情けないシーンを大御所ニコラス・ケイジが大真面目に演じてんだぜ。笑
面白くないわけがないだろ。笑

多分、大衆が持つイメージと現実の人物のギャップを表現したんだと思いますが、それにしては面白すぎる。笑
このシーンもまた見ると思う。笑

もうやめて

暗闇から猛ダッシュしてくるポールにも爆笑しました。笑
なんなの突然。笑
しかも走ってくるだけなのね。笑

民衆はバカ

ドリーム・シナリオ

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

夢の中のポールが凶暴化し、街の人間たちはポールを恐れるようになります。

これなんて有名人がテキトーな噂を流されてそのイメージがついてしまったが故に被る実害と一緒ですね。

ポール、最初から現実では何もしていないのに。笑

勝手にイメージをつけられてしまった有名人みたいでしたね。
そしてフェイクニュースや都市伝説に惑わされる一般大衆という感じがしました。
SNSってほんと怖いね。

攻撃されるポール

現実のポールはほんと最初から何もしていないのに、勝手に悪い奴だと認定されて、現実世界で攻撃を受けるようになりました。
生徒は車に落書きをするし、食事に唾を吐き付けられ、殴られます。

ちょっとひどすぎる。
会ったこともない有名人に対して、そこまで憎悪を抱いたことがないのですが、SNSにはたまにいますよね。
母親を殺されたのかと思うほど特定の有名人を恨んでいる人。
それが現実の攻撃として表現されているような気がしました。

ポールもトラウマになっている

自分の夢の中のポール

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

みんなのトラウマになってしまったポールですが、ポールもみんなのことがトラウマになってしまっています。

ポールは自分の夢で、見ず知らずの他人にボウガンで撃たれまくる夢をみました。
このシーンはゲームみたいで面白かったです。

にしても怖がって怯えているポールが可哀想すぎる。
このシーン、可哀想過ぎて見るのが辛かった。
直ちにこのおじさんを抱きしめてあげないとと思いました。

謝罪に追い込まれる

何度も言いますが、ポール、最初から何もしていません。
本当に何もしていないのですが、耐えられなくなって謝罪配信をすることになりました。

しかし、そりゃポールも腑に落ちるはずがありません。
だって本当に何もしていないのに、謝らないといけないほど追い詰められて、理不尽すぎるでしょう。

このシーンは変な謝罪動画あげて再度炎上するYoutuberのようでした。
でもポール何もしていないのよ!良くも悪くも!

嫁に見捨てられる

嫁が謝罪配信を勧めてましたね。
何もしていなくても謝った方が、どれだけ世間が理不尽でも下手に出た方が再起の目処が立つという目論見でしょうか。

今はことが治るのを優先しましょうという判断ですね。
なんか芸能人のマネージャーみたいでした。笑

現実になってしまった

娘の劇の発表会に来るなと学校に言われてしまったポールですが、無理やり押し入ろうとして担任に怪我をさせてしまいました。

これもうダメでしょう。
現実世界で夢での行動を後押しするような行動をとってしまったら、もう世間は何言っても信じてくれなくなってしまいますよね。

人々は一斉に夢を見なくなる

栄光から転落を一通り経験し、もうポールの欲が踏み潰され、心が折れたのでしょうか。
ポールが無欲になったからみんなの夢に出てこなくなったのかなと思いました。

なんか嫌なシーン

急に通販番組始まった。笑

ポールの現象から着想を得たのか、夢に関する商品が発売され、大ヒットしているようでした。
見たい夢を見ることができ、さらに相手の承認があれば人の夢にも入っていける商品のようです。

急にインセプションじゃん。笑
コマーシャルといえばアリ・アスターの初期の短編映画、『TDF Really Works』を思い出しました。笑

でもこれの何がうざいって、散々被害に遭い、家族まで失ったポールは何も得ることができていない点ですね。
ポールはこの装置のビジネスに関与していないようなので金銭を受け取っていないようです。

この商品の仕組み

夢をコントロールする方法がわかりません。笑
しかもリストバンドの位置につけて脳波のデータを操作したり転送したりするってよくわかりません。
集合的無意識は関係なさそう。
とりあえずそういうテクノロジーが開発されたということですね?笑

ちょっと夢か現実かわからないシーン

ドリーム・シナリオ

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/

引っ越しが決まり、最後に嫁と会ったとき、めちゃくちゃ楽しそうに会話していました。
あれって見たい夢を見ているということですよね。
出ないと離婚しないですもんね。

最後は嫁の夢

ドリーム・シナリオ

https://film-grab.com/2024/01/18/dream-scenario/​

最初に『こんな夢に出てきて欲しい』って嫁に言われた夢に登場します。
なんかめっちゃ悲しかった。
死ぬほど変なシーンなのに泣けます。
肩幅ハンパねえ。涙

参考情報

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