ネタバレ無し感想
本作、ジャンルはあくまでも”ドキュメンタリー”らしいです。
バカバカしい。笑
これをドキュメンタリーとするのならばボラットやブルーノもドキュメンタリーの棚に堂々と置いていただきたいものです。
本作は1962年の作品ということで、古い!
Z世代の私が観たところで何も良さを発見できなさそうだと思いながら再生をしたらまさに予想的中。死ぬほどつまらなかった。
コメディに振り切って撮ってくれていたら、まだ面白く観れたかもしれませんが、本作はそもそも大真面目なドキュメンタリーとして撮っているみたいなので、いわばつまらない嘘を聞かされ続けるわけです。
キッツウ
普段なら早送りをする時はどこか申し訳なさを感じるのですが、本作に関しては世界中の民族をバカにするような描写が永遠と続くため、申し訳なさすら感じずに、ながら見早送りで完走しました。
珍しく観る価値がないと明言できる作品に出会えて良かったです。
モンド映画の先駆け作品
モンド映画とはドキュメンタリー形式で撮影された”ヤラセ”ドキュメンタリー映画です。
世界各地のとんでもない風習や野蛮な文化を見せ物として過剰演出したり、ヤラセを交えて撮影し、”これはドキュメンタリーなのである!”という触れ込みで公開します。
迷惑Youtuberみたいなやり口ですね。
インターネットがなかった時代の映画なので、当時の人はどれくらいこれを見破ることができたのでしょうか。
グロ映画やスプラッター映画よりも前に製作されていたジャンルの作品なので、”これは明らかに血糊だな”とかそういう真贋もできていたのでしょうか。
当時の人がこういった作品をどれほどドキュメンタリーだと信じて見ていたのかは甚だ疑問です。
今なら大炎上
ドキュメンタリーの質が問われていなかった時代なんですかね。
自分が当たり前だと思っている線引きがなかった時代の作品なんでしょうか。
今なら完全に炎上案件です。
そしてコメディ寄りに作ってくれたらとても面白くみれたかもなと思いました。
基本情報
Mondo Cane
世界残酷物語
1962年 108分
https://filmmusic.pl/recenzje/mondo-cane-pieski-swiat/
キャッチコピー『息を飲むショック!恐るべき現実をえがく空前の非情・残酷記録!』
製作国 : イタリア
日本公開 : 1962年9月12日
イタリア:1962年3月30日
興行収入 : 日本:4億500万円[
レイティング : PG-12
ジャンル:ホラー / モキュメンタリー
あらすじ
世界に点在するさまざまな風習や因習。時にそれらは見る人に奇妙さや、目を覆うような残酷さ、エロティシズムを感じさせることもある。マンハント、高級ゲテモノレストラン、牛の首を切る祭りなど、文明国や未開地を問わず、どこかゆがんだ風俗を取り上げる。
※参照元:U-NEXT
英語版 予告編
スタッフ
監督 : グァルティエロ・ヤコペッティ
脚本 : グァルティエロ・ヤコペッティ
製作 : グァルティエロ・ヤコペッティ/パオロ・カヴァラ/フランコ・プロスペリ
音楽 : リズ・オルトラーニ/ニーノ・オリヴィエロ
配給 : 日本:東和
おせっかい情報
見る際の注意
動物がひどい目に遭います。
世界中のでっち上げ文化が紹介されます。
こんな人におすすめ
なんか映画好きの間でタイトルは聞いたことあるから一応見ておくかという人。
サウスパークのコメディ抜き版映画でもまあ観れる人。
この作品が好きな人が好きそうな映画
- 食人族
- デス・ファイル
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
本当に世界を回って撮影しているっぽい
いろんな風景や街並みを見ることができます。
そして現地人っぽい人たちがたくさん出てきます。
最初のパプアニューギニアでの風習と紹介されていた”このエリアでは女が男狩をしており、男たちは逃げ回っている”という展開は面白かったです。
木に登って逃げるニキがいるのですが、木登りがお上手。
豚ごろし
たくさんの豚の頭を石などで殴って殺しています。
あんな大量の豚を食べられるなんてとんでもない大規模パーティーですね。
あり得ないですが、ナレーションでは”表面だけ焼いて食べるもの”として紹介されていました。
んなわけあるかい。
一部事実を混ぜてくる悪質さ
詐欺師の手口ですね。
嘘の中に一部、事実を混ぜ込んで人を騙すという。
フォアグラ

https://www.hopeforanimals.org/foiegras/219/
フォアグラの残酷な生産過程が事実なのは数年前に話題になっていた話ですね。
カラーひよこ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%B2%E3%82%88%E3%81%93
映画の中のシチュエーションとは少し違いますが、日本でもお祭りなどで販売されていた時期がありますね。
デブ製造文化
とある部族では太っている女性が美しいとされており、120キロになるまで永遠とタピオカを食わされるという話がありました。
そして150キロとされる女性が出てきましたが、あれが150キロなら相当背が高く、筋肉量が半端ないです。
実際に太っている女性の方がモテる地域はあります。
西アフリカのモリタニアでは、肥満は富の象徴とされているらしく、痩せないために女性たちは毎日可能なかぎり動かないようにして生活をしているしいです。

日本の描かれ方
牛
牛の肉を柔らかくするために8時間マッサージをし、6リットルのビールを飲ませているというのはブラックジョークとして面白いのでは。
サウスパークで出てきそうなジョークだなと思いました。
悪質なステレオタイプの助長
日本の女は男を癒すために体を洗ったり、マッサージをしたり献身的であるという描写がありましたね。
悪質な日本人女ステレオタイプの助長で迷惑なシーンでした。
しかし、これもサウスパークがブラックジョークとして言ってそう。
流石にこれはクオリティが低すぎる嘘
オーストラリア
女たちによる男レスキューごっこ。
人工呼吸ってか優しくキスしてるだけ。
イタリア
蛇を首に巻いて街を練り歩くとかあり得なすぎて。
https://filmmusic.pl/recenzje/mondo-cane-pieski-swiat/
コルクにガラスの破片を刺し、自らの脚を傷つけて街を練り歩くという謎の文化。
血糊すぎる。
有名な動物虐待
亀のシーン

https://alexonfilm.com/2015/06/12/mondo-cane-1962/
水爆実験の影響で本能が破壊されてしまい、内陸地へ向かうウミガメですが、発想力が低すぎて怒る気にもなれないないですね。
動物虐待に関しては全編で見受けられるのでいちいち指摘していたらキリがなさそうですが、これは何が面白くて撮ったんですかね。
牛を切り落とす
これは迫力ありましたが、家畜を殺して食べることはどこの国でも行われており特段、ネパールが残酷な国というわけではありません。
にしても明らかに色物として描いており、さらにはそれが嘘なので不快なシーンが数多く見受けられる映画でした。
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