ネタバレ無し感想
1回見たのですが、とんでもない内容で理解が追いつかず、もう1回見ました。
カメラワークも良いしテンポもいいし、俳優の演技もめちゃくちゃよくないですか?
卒業制作の短編でこの作品って、アリ・アスターって初期から化け物だったんですね。
今までにないタイプの感情故に言語化ができません。
唯一無二の家族地獄映画。
息子がサイコ。
嫌悪感とか悪趣味とかではない。
なんか怖いのか嫌なのかわからないのですが泣きそうになりました。
なんなんだこの恐怖は。
なんでこんなに人物描写が繊細で緻密なんだ。
息子の言っていることなんてなに一つ理解できないのに実在する気がしてきてしまう。
なんだこの説得力。怖い。いたらどうしよう。
基本情報
The Strange Thing About the Johnsons
ジョンソン家の奇妙なこと
2011年 29分

https://jp.pinterest.com/pin/283375001551667518/
製作国 : アメリカ
アメリカ:2011年1月22日
ジャンル:ホラー / 個人的絶頂映画
あらすじ
誤って息子がオナニー中に部屋に入ってしまった父親。 ノックをしなかったことを謝罪し、息子に語りかける。 息子の手には父親の若かりし頃の写真が握られているのも知らず、オナニーは自然な行為でなにも気にすることないと肯定してしまう。 そこから息子から父への愛情は恐ろしい方向へと向かう。
英語版 予告編
スタッフ
監督 : アリ・アスター
脚本 : アリ・アスター
製作 : アレハンドロ・デ・レオン
音楽 : ブレンダン・エダー
キャスト
ビリー・メイヨー:シドニー・ジョンソン(父)
ブランドン・グリーンハウス:アイザイア・ジョンソン(息子)
カーロン・ジェフリー:若き日のアイザイア役
アンジェラ・ブロック:ジョーン・ジョンソン(母)
スタンリー・ベネット・クレイ:ハワード
コニー・ジャクソン:グレース
ダニエル・ワッツ:イザヤの妻マリアンヌ
おせっかい情報
見る際の注意
特になし
こんな人におすすめ
アリ・アスター作品が好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
本編動画
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
この映画、ドアが怖い
ノックせずにドアを開けてしまうところから悲劇は始まり、作中ずっとドアが怖いです。
すごく嫌だ。
インパクト抜群のオープニング
なんかシゴいてるような音だなあと思ったら本当にシゴいていた!
強烈すぎるオープニングだ!
しかも父親の若い頃の写真でシゴいてた!?
『dad i love you』ってそういう意味!?
え!?
父親の若い頃の写真でオナニーしていたの!?
は!?
この時点で脳の処理が追いつきません。
なんて素敵なお父さんなんだ
お父さんがノックせずに息子の部屋に入ろうとしてしまったので息子のおナニーを目撃してしまいました。
この時点で、お父さんはまさか息子が自分の若い頃の写真でオナニーしているとは知りません。
そのため、ノックせずにドアを開けたことを謝罪し、息子のオナニーを肯定してあげます。
とっても素敵で優しい。愛に溢れたお父さんです。
最初はなんかこの人が変なのかなと思ったんですが、あの表情は息子の成長を喜んでいる愛情に溢れた父親の表情だったんですね。
序盤から対話がおかしかった
『すごく自然で一般的なことだから、変に思わなくていいんだよ』
と優しく語りかけてあげているお父さんに対して、
『お父さんもやっているの?』
って聞きましたね。
父親のオナニー事情なんて聞きたいかね。
死ぬほど気持ち悪くないか。
息子から父への性加害
『Thank you for everything dad』って言ってケツ触りました!?
サイコかよ!?
父親も後悔しているだろうな。
ちょっとしたコミュニケーションの行き違いでこうなってしまったのですね。
息子はオナニーを見られたあの日、父親に性欲を肯定してもらったから、父親への性欲を隠さなくなったということなのね!?
父親は性欲は肯定したけど、自分へ向けられているとは思ってなかったよね。
なにこのすれ違いコント。
サイコじゃん。
これ誰に相談したらいいん!
息子から父親への性被害ってい今まで聞いたこともなければ考えたこともない!
思いつきもしない!
どう対処したらいいん!?
最悪の結婚式
結婚式の当日に茂みに隠れて父親にフェラってなんなん。
そこで母親は初めて目撃したというようなリアクションでしたね。
てか息子は嫌がっている父親に気がついていないの?
なにしてんの?
息子への愛で満ちた父親
お父さんは有名作家っぽいですね。
しかもお父さん、自分のことも責めているみたいです。
息子に性的虐待を受けても息子への愛があるから抵抗できないんだ、、、。
可哀想だよ、、、。
ホラー演出が濃い
『夕食ができたからお父さんを呼んできて』と母親に言われ、息子が父親の部屋へと近づいてくる。
その時、ちょうど息子について書いたワードがなぜかエラーで閉じない。
このシーンの演出神が勝っていませんか。
しかも
『パパ、ご飯できたよん』
ってそれだけだったね。
なんか力が抜けた。
母親に嫉妬している息子
息子は父親に対して恋愛の意味でも愛を持っていて母親に嫉妬しているようです。
母親と嫁の目の前でテーブルの下では足でコソコソしてるのきもい。
上部は幸せな家族なのに内部は腐敗しているというやつですね。
告発しようとした父親
COCOON MANって仮面の告白的なニュアンスですかね。
まずは母親に原稿を読んでもらおうと、枕元に置いたものの、たまたまそれを息子に読まれてしまいました。
原稿を読んだ息子は父親の部屋に行って問い詰めますが、この時の息子の目がまるで父親に裏切られたかのような表情です。
この息子、話が通じなさそう。
一応隠れてやっているので一般常識はあるみたいです。
”世間一般的には受け入れられていないけど、お父さんとの間にタブーはない”
って強烈に心に刻まれているみたいでお父さんにはなにを話してもいいし、絶対に受け入れてくれると思っているみたいです。
リラックスタイムが地獄の時間へ
関係ないんですがバスタブに浸かっていてイヤホンって危なくない?
なんでドアをぶち破ってまでレイプしたんだろう?と思ったんですが、口止めするための脅しみたいなことだったんですね。
叫んで抵抗する父親の声が家中に響き渡っているのに、母親は気が付かないフリをします。
テレビの音量をあげて聞こえないようにします。
これ『普通の人々』の母親みたい。
あらゆるタイプの愛情を持っているらしい
コピーを持ってくとしても息子が完全にいない時に行けばいいのに。
っていうのはさておき。
息子は全て受け入れてくれたから感謝と愛を持ってフェラしていたんですね。
受け入れてくれていて、愛していた父親のあの告発書があまりにもショッキングだったという感じなんですね。
理解できないはずなのに伝わってくる演技力。
なんなんだこれ。
交通事故
お父さんが車に轢かれた時のリアクションがすごくよかったです。
声にならない悲鳴。
母親が近寄ってきた時に『父親に触れるな!』って怒鳴ったの怖。
私が泣きそうになったシーン
父親亡き後、息子が鏡で父親の写真を見て父親の服を着ているとき、これからなにをする気なんだと一挙手一投足に意識が集中していました。
まさかオナニーし始めるんじゃないかと、カフスを閉める手の動きにも意識が入ってしまいました。
そしたら母親が話しかけてきた時なんか泣きそうになりました。
怖い。
集中させるのが上手い。そんで急に母親が来たからびっくりした。
ジャンプスケアではありません。
なにこの怖さ。
見てみぬふりしていた母親
とうとう、母親が息子を問いただしましたね。
『いつから始まったの?』と。
『お父さんがプロムに行ったあなたを車で迎えに行った時、お父さん泣いてたわ。あの夜なにがあったの?』と。
夫が死んで、葬式で問い詰めようと決心をしたように見えました。
あの息子、気色悪い。
此の期に及んでシラを切ろうとしましたね。
もうやばいこの映画。
殺人
言い合いの末、母親は『あんたはバケモンよ』って言って息子を殺してしまいました。
自分が産んだから処理したということ?
殺された愛する夫への贖罪?
立ち尽くして泣くお母さん。
マジで最悪の瞬間ですね。
あ、原稿燃やした。
夫の死に報いるために息子を殺したわけじゃないんだ。
なかったことにしたんだ。
臭いものに蓋をしたんだ。
父親の味方は誰もいなかったんだ。
母親もサイコだったんだ。
遺伝だ。母親似なんだ。この息子。
もうすっごく嫌だこの映画
なんというか、体から力が抜ける感じ。
こんな短時間で今まで感じたことない嫌な気持ちにさせられました。
これは天才ですね。
どうやらかなり賛否が分かれた作品だったそうです。
そりゃそうだ。
しかも白人監督が黒人一家の近親相姦について描いているという点でも物議をかもしたそうです。
でも全員ものすごくいい俳優でしたね。
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