ネタバレ無し感想
これは俳優が違っていたらクッソB級のロリコン映画になっていたでしょう。
とにかく俳優たちが凄すぎた。
羊たちの沈黙と同じタイプの作品です。リメイクは不可だろうし一歩踏み外していたらつまらない映画になっていただろうなと思います。
不思議な話ですが、あのデカくてヒゲモジャな屈強な男、ジャン・レノがまるで精通前の子供のように見える時があります。
ナタリー・ポートマンなんかは恋愛経験豊富な大人の女性に見える時があります。そんで時折12歳らしい姿をのぞかせる塩梅がうまいです。
この2人は親子のような関係でもないし、友達でもないし、恋愛関係かというとそういう風にも見えない。
絶妙なバランスで完成した唯一無二の作品だなと思いました。
基本情報
Léon/Léon: The Professional
レオン<完全版>
1994年 133分
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/24%20(613).jpg?bwg=1547227963
キャッチコピー『凶暴な純愛』
キャッチコピー(英語)『If you want the job done right, hire a professional』
製作国 : フランス
日本公開 : 1995年3月25日
フランス:1994年9月14日
アメリカ:1994年11月18日
製作費 : $16,000,000
興行収入 : $45,284,974
レイティング : PG-12
ジャンル:アクション / クライム
あらすじ
1日2パックのミルクとトレーニングを欠かさず、観葉植物を唯一の友として生きてきた孤独な殺し屋・レオン。ある日、彼のもとに家族を惨殺された12歳の少女・マチルダが助けを求めてやってくる。奇妙な共同生活のなかで、2人は徐々に心を通わせていくが…。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : リュック・ベッソン
脚本 : リュック・ベッソン
製作 : パトリス・ルドゥー
音楽 : エリック・セラ
配給 : フランス:ゴーモン・ブエナ・ビスタ・インターナショナル
アメリカ:コロンビア ピクチャーズ
日本:日本ヘラルド映画
キャスト
レオン・モンタナ:ジャン・レノ
マチルダ・ランドー:ナタリー・ポートマン
ノーマン・スタンスフィールド:ゲイリー・オールドマン
トニー:ダニー・アイエロ
マルキー:ピーター・アペル
ウィリー・ブラッド:ウィリー・ワン・ブラッド
スタンスフィールドの部下:ドン・クリーチ
ベニー:キース・A・グラスコー
ジョセフ・ランドー:マイケル・バダルコ
マージ・ランドー:エレン・グリーン
ファットマン:フランク・センジャー
トント:ルーシャス・ワイアット・チェロキー
ジョーンズのボディガードチーフ:エリック・シャリエ
ホテルの受付:ジョージ・マーティン
マチルダが捕まえたタクシーのドライバー:アブドゥル・ハッサン・シャリフ
レオンが捕まえたタクシーのドライバー:スチュアート・ルーディン
SWATチーフ:ジェフリー・ベイトマン
重要人物のジョガー:デヴィッド・バトラー
マノーロ:アダム・ブッシュ
おせっかい情報
見る際の注意
直接的な表現はありませんが子供が酷い目に遭います。
こんな人におすすめ
エモい映画が好き。
おしゃれな映像が好き。
この作品が好きな人が好きそうな映画
- 映画じゃないけどラスアス
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
.jpg?bwg=1547227964)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/13%20(613).jpg?bwg=1547227964
成長が止まっているレオン
童貞ではないんでしょうけど、童貞っぽさが半端じゃない。
マチルダに『可愛い名前』って言われた時に動揺してミルクを吹き出すの可愛い。
初めて大人のお姉さんに色気を感じた童貞みたいに見える。
なんでかわかりませんがレオンが童貞の青年に見えて仕方がないんですよね。
レオンの過去
レオンには19歳のころに恋人がいました。
しかし、レオンの過程は貧しく、その恋人は名門の娘でした。
彼女の父親はレオンとの交際を認めず、それでも反発をする娘を殺すというとんでもない親でした。
ムスリムかよ。
でもレオンの出身はイタリアなので多分ムスリムではないですよね。
そしてレオンはその父親を殺し、アメリカに逃げてきて殺し屋をやっているという話です。
人をやめた男
.jpg?bwg=1547227964c)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/08%20(600).jpg?bwg=1547227964
毎日同じものを食べ、筋トレをし、観葉植物の世話をする。
趣味も欲もなく、まるでロボットかのように粛々を人を殺して生きているレオン。
世間とは最小限の関わりしか持っていないのでマリリン・モンローすら知りません。
レオンは自分自身の欲や感情を全て捨てて生きています。
無機質で全く性欲どころか食欲すら感じない男。
この映画はだから成立する話だなと思いました。
これでレオンに性欲があったら目も当てられないロリコン・児童虐待のクソ映画です。
早熟なマチルダ
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/36%20(609).jpg?bwg=1547227963
マチルダが12歳とはまるで思えないほど成熟しています。
『他の女の子はその辺の好きでもない男と初体験を済ます。あれはただの背伸びよ。私は好きな人と初体験をしたいの』
12歳とは思えないくらい利口です。
そして、人と関わりを持ったことがほとんどないレオンに寄り添う能力もあります。
モノマネゲームの時、レオンが意味のわからないモノマネをした時にも『演技が上手ね』って褒めてあげます。
”あなたマリリン・モンローすら知らないの!?”なんてリアクションはしません。
非常に大人でレオンを包み込んであげる器を持っています。
なんだかお姉さんだね。
そしてせめて一緒に寝ようという時も、自分の願望を押し付けるのではなく、レオンの気持ちや意思を汲んだ上で添い寝という折衷案を見つけるところも素敵な娘。
自分の意見ばかり押し通そうとする子供らしさが全くなく、相手を尊重したり思いやったりする様はまるで成熟した大人の女性です。
なにこのヴィラン
.jpg?bwg=1547227964)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/15%20(613).jpg?bwg=1547227964
ゲイリー・オールドマンのなに考えているのかわからない感じ怖い。
この人なら突然、イライラしたからという理由で人を殺しそう。
でもきっと理性的に損得を考えてやらないんだろうなというめっちゃ魅力的な悪役でした。
『what’s your name angel?』
って言ったときはマズイ!?こいつマチルダを殺しかねない!?ってハラハラしました。
とにかく俳優たちの演技がいい
とにかく素晴らしいです。
主要3人の人物の演技が本当に素晴らしい。
内容は案外シンプルにも関わらず、ここまで魅力を感じる作品となったのは俳優たちの能力が存分に発揮されていたからなんだなと思いました。
映像がとにかくおしゃれ
.jpg?bwg=1547227964)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/28%20(612).jpg?bwg=1547227964
最初の殺しの練習のとき、2人でライフルの先を見るシーンがありましたが、
なんだろうめっちゃいい。
顔面いっぱいに俳優の顔が映されるいだけですが、すごくいいです。
あとやっぱりマチルダがレオンの愛を試してロシアンルーレットをするシーン。
なんでかわかりませんがめちゃくちゃ頭に残ります。
レオンとマチルダが街を歩いているだけで映える。
ファッションもめちゃくちゃ似合ってて可愛い。
今では絶対見れないシーン
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/37%20(609).jpg?bwg=1547227963
子供がシャンパンを飲んで酔っ払います。
シャンパンを無理やり一気して、笑いが止まらなくなるのめっちゃ可愛かった。
マチルダは笑上戸なのね。
すっごく楽しそう。そんで困惑しているレオンも面白いです。
女の子のおてんばに振り回されてくれる無害なオジサン好き。
マチルダは時折タバコを吸っています。
こんなシーン絶対ダメでしょ。
ナタリー・ポートマンが優等生な女優さんで良かった。
この作品きっかけでグレててもおかしくないですよね。
ロリコン映画のはずなのに
なぜかこの映画は小児性愛的な映画には見えません。
不思議ですね。監督は小児性愛者なのに。
普通に考えたらロリコン映画でしかない作品なのに。
でも水を掛け合って遊んでいる時の2人が心底楽しそうで、なんだか切なくなりました。
レオンもマチルダも人生でこういう経験してこなかったんだなと。
大人が子供と遊んであげている感じではなく、同じ目線で楽しく遊んでいるふうに見えました。
なんの利害関係もなく、お互いを尊重しながら生活をするという当たり前の営みを経験していなさそうな孤独な2人だったんだなと思うとこの2人の日常が至極尊いです。
2人がお互い無理することなく、等身大で絆を深めて行っている感じはエモかった。
不思議とこの映画には小児性愛的な癖を全く感じません。
レオンも大人としての常識を持ち合わせているので、あの2人が仮にその後も一緒に生活をしていたとしても、マチルダが18歳になるまで性行為はなかったんじゃないかと思えます。
レオンのあの自己制御能力なら性欲にだまくらかされて判断を誤ることはなさそう。
レオン可愛い
マチルダに喜んでもらおうとワンピースをプレゼントしたのめっちゃ可愛い。
そんでマチルダは復讐のことを考えていたからそっけないのウケる。
”あれ?嬉しくないのかな?”って顔w
ちゃんとマチルダもワンピースを着ますが、着るタイミングもどこか戦略的にレオンに好きになってもらおうとしているところが大人の女のようでした。
しかもあのワンピースめっちゃくちゃ似合ってた。
レオンセンスあるね。
茶化さない
マチルダから結構猛烈なアプローチをウケるレオンですが、茶化さないですね。
ちゃんと自分の過去の話をして答えてあげたりして、相手が子供だからと言って適当に流したりしません。
一応レオンなりにちゃんと対応しています。
あとレオンが子供をあやそうとするのですが、こういうところが可愛い。
なんというか、恋愛映画でよく見かけるシーンですね。
落ち込んでいるヒロインを慰めようと変なことしてみるんだけど、ちょっとスベってるけど思いやりを感じて嬉しいみたいな。
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/2014/03/18/leon-the-professional/
初めて思い遣ってくれた大人
ちょこっとだけ大人なレオンのシーンがありました。
マチルダに対して、汚い言葉を使うなと注意したり、タバコをやめさせたり、ちゃんと大人として注意していましたね。
きっと今までマチルダに怒ったり注意をしてえきた大人たちはマチルダを想って言っていたのではなく、自分の都合を優先していたんでしょう。
レオンは深いことは考えずに良くないからやめなさいって言っただけんでしょうけど、マチルダにとっては初めて思い遣りを感じた説教だったんでしょうね。
ちゃんと自分のことを想って、自分を正しい大人へと導こうをしてくれたと感じてレオンに恋してしまったんですね。
その感覚にはすごく共感できます。
最年少ファム・ファタール
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/2014/03/18/leon-the-professional/
レオンはマチルダに狂わされましたね。
レオンはマチルダとの関係性においてびっくりするくらい受動的です。
お金をマチルダに残してあげようと思うくらいで、他は全く加害性がない男です。
全部マチルダが積極的で振り回されて滅亡したレオン。
ちょっとかわいそうだけど、あの先は逆に見たくなかったかもとも思えてしまいます。
一瞬の輝きに満ちた期間というか、人間に戻れた時間というところにエモさを感じます。
伏線回収
読み書きができないレオンにマチルダが読み書きを教えてあげますが、これが最後の置き手紙へと繋がるんですね。
ルーツがないと言っていたレオンのプラントを大地に埋めてあげたり。
ちゃんと後半に活きてくるのが気持ちよかったです。
すごいシーン
添い寝しただけなのに、まるでセックスしたかのような雰囲気でしたね。
雰囲気が一夜を共にした男女みたいだった。
警察と麻薬組織
死ぬほど癒着してんじゃん。
でもなんでSWAT部隊みたいな人、ヘルメットを被ってないの。
あと襲われた時、プラントも助けたのは草。
レオン可愛い。
隙がないレオン
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/58%20(551).jpg?bwg=1547227963
最初からマチルダだけは逃すつもりなのかと思ったけど、ちゃんと自分も最後の最後まで生き残ろうと諦めていなかったですね。
そこが良かった。
しかも最後、マチルダを排気口から逃すときのやりとりも良かったですね。
『気休めの話なんかよしてよ』ってわかっているのね。
ませてるわ。
でも爆撃を食らう前に叫んだのは意味がわからない。
あとあの爆弾で生き残るのは無理よ。
敵の服を着て救出された時にガチで1時間後にトニーのところに行くのかなって思いました。
出口の直前で撃ったれたのが、悲しかったし、あいつ性格悪いよな。
『This is from Matilda』
『Shit』
は完璧なシーンでしたね。
ワンチャン捕まった時のことも考えて手榴弾を体に巻いてたレオンはさすが。
とにかく面白かった
.jpg?bwg=1547227963)
https://film-grab.com/wp-content/uploads/photo-gallery/63%20(473).jpg?bwg=1547227963
映像がおしゃれで、エモくて、切なくもそうなるしかないエンディングで、これはまた見たくなるような作品でした。
ナタポーが本作を不快と言っているのは悲しいですが、今後はこういった作品が作られることが絶対にない映画なのは間違い無いですね。
「これまでに作った映画の中でも人から一番多く声をかけられる作品です。私のキャリアを作ってくれました。でも今観ると、控えめに言っても間違いなく非常に不快な側面がありますよね。なので私には複雑なんです。」
関連情報
コメント