ゴジラvsビオランテ (1989年) 105分【ネタバレ・考察】情報過多でところどころ安っぽいが根底に流れるテーマは本物

ゴジラvsビオランテ

ネタバレ無し感想

『科学など、所詮政治の道具でしかないのだ。』
『我々はそれでいいっていうんですか。』

要所要所に印象深い台詞多数!
初代ゴジラと同じく、かなり重いテーマを引き連れて、ゴジラがやってきました。

しかし、登場人物も情報量も多すぎて、映画としてはだいぶ注意散漫でしんどい。
テーマ性はあるものの、掘り下げに至らないというか、上部だけ撫でて終わった印象です。

ビオランテが神話のように描かれていて、”人は科学によって神に近づいてしまうのか!?”という
まるでバベルの塔を彷彿とさせるテーマ性。

とある科学者が娘への愛故に人が超えてはいけない倫理観を超えてしまうという切ない冒頭から始まります。
また、ゴジラ細胞を巡った3国の争いや、なんとか被害を最小限としようとする政府の動きなど大人でも楽しめるゴジラ映画でした。

とにかく見どころ満載(ある意味情報量過多な笑)な平成第1作目のゴジラ映画です。

基本情報

Godzilla vs. Biollante
ゴジラvsビオランテ
1989年 105分

ゴジラvsビオランテ

https://markalite.substack.com/p/when-roses-attack-25-years-of-godzilla

制作国 : 日本
日本公開 : 1989年12月16日
製作費 : 7億円
興行収入 : 10億4,000万円
ジャンル:SF・ホラー

あらすじ

新宿に残されたゴジラ細胞をめぐって争奪戦が展開。5年後、生命科学研究所の桐島は、抗核バクテリアがゴジラに対して有力な武器になると説き、遺伝子工学の権威・白神博士の協力で研究を進める。そんな中、白神博士は巨大な怪物“ビオランテ”を作り上げ…。

※参照元:U-NEXT


日本版 予告編

英語版 予告編

スタッフ

監督 : 大森一樹(本編)/川北紘一(特撮)
脚本 : 大森一樹
原作 : (原案)小林晋一郎
製作 : 富山省吾
製作総指揮 : 田中友幸
音楽 : すぎやまこういち/伊福部昭(ゴジラテーマ曲)
配給 : 東宝

キャスト

桐島一人:三田村邦彦
大河内明日香:田中好子
黒木翔(自衛隊特佐):高嶋政伸
権藤吾郎(G対策センター一佐):峰岸徹
白神源壱朗(遺伝工学博士):高橋幸治
三枝未希:小高恵美
大河内誠剛:金田龍之介
小山実(防衛庁長官):中田博久
山地(統幕議長):上田耕一
竹田(自衛隊員):佐々木勝彦
スーパーX2オペレーター:鈴木京香
スーパーX2オペレーター:豊原功補
テレビ・レポーター:相楽晴子
デーモン小暮:デーモン小暮閣下

おせっかい情報

見る際の注意

ビオランテが結構迫力あるのでもしかしたらちょっと怖いかも。

こんな人におすすめ

ゴジラ作品が好き。
怪獣映画やモンスターパニック映画が好き。

この作品が好きな人が好きそうな映画

  • トランセンデンス

※完全な偏見です。


 

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⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

美しいポスターデザイン

中世の宗教画を思わせうような美しいデザイン。
これかなり好きです。
あと曲もいいですね。

狙われるゴジラ細胞

日本とアメリカとサウジアラビアの三つ巴みたいですね。
一応、国名はサラジア共和国となっていますが明らかにサウジアラビアです。

ゴジラ細胞の自己再生能力を活用したら石油なんていらない!食糧危機も容易に突破できる!ということで
みんなゴジラ細胞の研究をしたい!というゴジラ、各国で大人気!笑
でもゴジラは日本が好きみたい。
ずっと真っ直ぐに日本に来ようとしてくれてます!

序盤の流れからして政治的な話になっていくのかなと思ったら
博士の研究機関が爆破され、娘のエリカが死亡!

個人の話になってきたぞ!

切ない動機

博士、亡くなってしまったエリカにゴジラ細胞と、生前エリカが可愛がっていた薔薇の細胞を混ぜてしまいました。
倫理観も全て飛び越えて、私情を持ち込んで娘の細胞を混ぜてしまうところがとても切ないですね。
ゴジラ細胞によって娘と触れられる可能性があるなら、もう一度娘を再生させたいっていう動機が切実でした。
マッドサイエンティストが科学を暴走させたわけではなく、普通の人が切実な思いから倫理観を超えてしまうという。

『トランセンデンス』を思い出しました。
倫理的にどうかというより、ただ大切な人に会いたい一心で暴走してしまう科学者という。

ビオランテを見て、
『もうエリカさんじゃないのかもしれません。』
って、まさに『トランセンデンス』で出てきたセリフです。

もう別の存在となってしまうんですね。

40分ごろにゴジラ登場!

遅いよ!待ってたよ!

初代ゴジラを思わせる山陰からの登場でめちゃかっこよかった!
水上戦のところ、水飛沫がすごくて結構迫力満点でした!
囲まれてるぅ〜!

名台詞

『あなたたちはいつも自分たちに理解できないという理由で反対するだけだ!将来のことも考えずに!』

無知って、とりま否定に走りがちなの。

なんでかわかんないけど、レディー・ガガのデビュー当時を思い出しました。
すげーアンチいたイメージ。

超能力少女参戦

ってのは意外でした。

宜保愛子とか霊感商法とか流行ってたのってこの時代でしたっけ?
こういうのがウケた時代だったのかな?

それともこの子の押し売りなのかな?
事務所ゴリ押しタレント的な?

この子のパートは、シンゴジラでいうところの石原さとみかな?
いらないというか、早送りでいいやっていう。

なんのためにでてきたの?マジでいらない。
一気に映画の質が下がった気がします。

ウケるw

デーモン小暮閣下が『ニュースが入ったんだってよ、ニュースを聞け』ってうけるww
常識人だよねw

『探し物は何ですか〜見つけにくいものですか〜』と突然流れてきたり、
こういう遊び心好きですw

『薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん』

序盤に出てきていて全然活躍していなかった税金泥棒さん、
最後は逃げずに打ち込み続けて死ぬとかバッドマンじゃないですか。
ここで役目を果たせましたね。

設計書は破棄

ビオランテの博士は暗殺でしたが、設計図は残さないっていう点は初代ゴジラに通ずるエンドですね。
最後は娘の存在を感じられたのかな。

『本当の怪獣はそれを作った人間です。』

ゴジラは水爆実験によって産まれた化け物なので、ゴジラを作ったのは人間ということで
人間はより一層化け物であると。
そしたら神もバケモナなのですね。

『とりあえずベッドに行く。』

下ネタかと思いました。

『ぐっすり眠りたい。』

そうですよね。すみません。

ちょっと宗教チックなエンディング

ゴジラvsビオランテ

https://film-grab.com/2021/06/15/godzilla-vs-biollante/

『いつから私たちはこんな時代に生きるようになったのでしょう。神に向かって一歩、歩み出した日からそれは始まったのかもしれません。』

まさにバベルの塔じゃないですか。
神になろうとした人間の驕り高ぶりによる悲劇。

これがテーマだったんですね。
こんな時代ってそれっぽいこと言おうとしてなんか曖昧にしてるところはちょっと稚拙で惜しい印象です。

ダサダサシーン

娘の昇天シーンはダサすぎるのでキラキラだけでよかったです。
『ありがとうって言ってます』っていうのもいらない。興醒め。

父にしかわからない別の要素でエリカだ!って気が付いて欲しかった。

関連情報

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参考情報

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