ネタバレ無し感想
これはトム・シックスのお友達でしょう。
ジョン・ウォーターズとトム・シックスは運命の2人でしょう。
なんで最後まで見れてしまうのかもわかりません。
なんで音楽のセンスいいんだよ。
ちゃんとエンターテイメントとして成立させることのできる優秀な人の能力が100%悪趣味に使われた時に出来上がったカルト映画ですね。
ジョン・ウォーターズの作品は本作品しか見たことがありませんが、多分普通の映画を撮ろうと思ったら余裕で作れる人なんだろうなと思います。
”ラストシーン”がやたら有名ですが、その他のシーンもハンパじゃない。
淀むことなく、悪趣味マシンガンを喰らう映画です。
しかし他の悪趣味映画作品とは感じるものが違い、本作には悪意があまり見受けられず、明るい気持ちになれる作品です。
なんでかはわかりません。気分は落ち込みません。
基本情報
Pink Flamingos
ピンク・フラミンゴ
1972年 93分

https://www.criterion.com/current/posts/7845-pink-flamingos-the-battle-of-filth
キャッチコピー『そそりたつ芸術。』
キャッチコピー(英語)『AN EXERCISE IN POOR TASTE』
制作国 : アメリカ
日本公開 : 1986年6月21日
アメリカ:1972年3月17日
製作費 : $10,000
興行収入 : $6,000,000
レイティング : R18+
ジャンル:コメディホラー
あらすじ
バブス・ジョンソンという偽名を使って潜んでいるディヴァインは、卵しか食べない母親のエディ、不良息子のクラッカー、覗き趣味のある友人のコットンと共に、ボルチモア郊外のトレーラーハウスに住んでいた。ある日、タブロイド紙がディヴァインを「世界で最も下品な人間」(The filthiest person in the world)と評したことから、我らこそが「世界で最も下品な人間」だと主張するマーブル一家との争いが始まる。
※参照元:Wikipedia
英語版 予告編
スタッフ
監督 : ジョン・ウォーターズ
脚本 : ジョン・ウォーターズ
製作 : ジョン・ウォーターズ
配給 : アメリカ:ニュー・ライン・シネマ
日本:東映/ケイブルホーグ
キャスト
ディヴァイン:ディヴァイン/バブス・ジョンソン
デヴィッド・ローチャリー:レイモンド・マーブル
メアリー・ヴィヴィアン・ピアース:コットン
ミンク・ストール:コニー・マーブル
ダニー・ミルズ:クラッカー
エディス・マッセイ:ママ・エディ
チャニング・ウィルロイ:チャニング
クッキー・マーラー:クッキー
ポール・スウィフト:エッグマン
ジョン・ウォーターズ:ナレーター
ポスター/パッケージ
おせっかい情報
見る際の注意
かなりあります。
- 食糞
- レイプ
- 動物虐待
- 嘔吐
- ちんちん映ります
- アナル映ります
- なんなら脱腸も映ります
- 人身売買
- 薬物売買
- 妊婦が酷い目に遭う
もういろいろ注意です。
こんな人におすすめ
とんでもなく下劣で悪趣味な映画を見たい
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

https://indiehoy.com/cine/pink-flamingos-a-50-anos-de-la-pelicula-que-cambio-el-cine-queer/
変わり者でなにが悪い
きっと”変わっている”と言われ続けて生きてきた人たちが本作を作ったのだと思います。
普通の感覚ではこの映画に絶対、出演しないでしょうから。
変わり者だと批判してくる連中に対して
『あんたらがそんなにアタシのことを変わっているというなら、すごいもの見せてあげるわ』
って感じで相手を黙らせる超ロックな映画だと思いました。
ネットもなかった時代にこの映画を作ったのはすごい。
70年代にこの作品を作ったことが伝説たる所以ですね。
今では少し特殊な趣味を持っていたとしてもいとも簡単に同じ趣味を持つ人間と繋がることができますから。
全体的に明るくて軽快なので、あんまり悪意を感じません。
私たちも自分らしく生きていいんだ!うんこ食ったっていいんだ!って気持ちにさせてくれるポジティブさがあります。
スタートダッシュからキチィ

https://medium.com/framerated/pink-flamingos-1972-blu-ray-criterion-collection-722e0523bc2f
かなり太った中年女性が赤ちゃんゲージの中に入っています。
”バブ!バブ!朝ごはんちゅくって!卵食べたい食べたい食べたい”と喚きます。
イカちいって。最初から意味わかんねーよ。
そしてパッケージで有名なドラァグクイーンのディヴァインが登場します。
『今行くわママ』
は!?母親なの!?
どうやらこのトレーラーにはディヴァインと母親の他に、ルームメイトの女とディヴァインの息子も住んでいるみたいです。
4人が住むには狭いって。
てかディヴァイン息子いるんだ。
もう序盤から情報過多だって。
人身売買カップル

https://za.pinterest.com/pin/1134555331123144283/
赤髪の女性と青髪の男性のマーブル夫妻は、赤ちゃんの売買で生計を立てています。
マーブル夫妻は地下室に女性を誘拐し、男性召使を使って種付けさせ、赤ちゃんを産ませ、その赤ちゃんをレズビアンのカップルに販売しています。
しかも、その収益は小学生を相手にドラッグを売買する組織の支援金として使われているそうです。
誰が思いつくんだよこの設定。
どうやらディヴァインは指名手配をされており、タブロイド誌に
”生きている中で最も汚い人間”と称されたことからマーブル夫妻は憤慨したようです。
『私たち夫婦こそが世界一よ』と。
なにに闘争心向けてんだよ。
Mr.マーブルは露出狂強盗
レイモンド・マーブルは時たま公園へ赴き、女性を物色します。
そしてターゲットとなる女性を見つけると徐にコートを開き、自分の性器を見せつけます。
しかもただの性器ではありません。
性器にかなり長めのソーセージをくくりつけています。
ここにきて突如として小学生の発想!
それを見せられた女性は着の身着のまま逃げ出します。
そこで女性たちが置いていった財布などを盗んでいます。
謎のディヴァインお出かけシーン

https://medium.com/framerated/pink-flamingos-1972-blu-ray-criterion-collection-722e0523bc2f
これ物語とはなんの関係もありません。
それどころかセリフすらありません。
でもなんでか見てしまいます。なんなんだろう。
ディヴァインは車に乗って街へ出かけます。
その際に道を歩いている少年を”轢いちゃおっかな〜⭐︎”みたいな感じで結構スレスレまで車を寄せたり、
ヒッチハイクで立っている青年を乗せるフリだけして乗せなかったり、いたずらしながら街へ向かいます。
肉屋へ行き、でっかい生肉を購入すると、店内でおもむろに自分の股間に挟みました。
直です。
これマジでなにしてんの?股ずれ防止?
これマジでなにしてんの

https://houseofselfindulgence.blogspot.com/2014/09/pink-flamingos-john-waters-1972.html
そしてディヴァインは街中で通行人から視線を浴びながら気持ちよさそうに闊歩します。
すると人気のない場所へ行きました。
そして野糞したようです。
意味わかりませんよね。
しかし幸いなことに、しゃがんだところでシーンは切り替わったため、実際の脱糞シーンもうんちも映りません。
サッとお尻を拭く動作をして立ち上がります。
なにが怖いってこのシーン物語にはなにも関係ありません。
そしてセリフもありません。陽気な音楽が流れているだけです。
車のライト
一瞬、車のライトのズームアップが写りました。
ちょっと気になったのですが、エロいものとして写している気がしました。
3P?
マーブル夫妻はディヴァインを世界一の座から引き摺り落とすために、スパイを雇いました。
その女スパイはディヴァインの息子に近づき、情報を得ようとします。
どうやらディヴァインのルームメイトの女は覗き見癖があるらしく、ディヴァインの息子に覗き見させてくれと頼みます。
”鶏を見せるよ”といい、女スパイを連れ出し、息子は女スパイをレイプします。
ちょっとこのシーンは意味がわからないのですが、女の人が下で息子が覆い被さる形になっています。
そしてその間に生きた鶏を挟み込んでいます。
息子は興奮してきたのかどんどん強くはさみ、どうやら鶏は絶命したようです。
これマジでどういう性癖?多分金輪際見ることができない映像です。
あとキンタマがガッツリ映っています。
誕プレのうんこ
女スパイはディヴァインの誕生日パーティが近々行われるという情報をマーブル夫妻に知らせます。
そしてマーブル夫妻は”バースデーをめちゃくちゃにしてやるのよ”という興奮でセックス(足を舐め合うだけ)はさらに盛り上がるのでした。
ちょいちょいクソみたいなシェークスピアシーンがあるのなんなんですか。
あと陰毛もそれぞれ赤と青に染めてんだよ。
あ、マーブル夫妻はディヴァインの誕生日プレゼントとして人糞を送りつけます。
ママが結婚

https://cinematiccatharsis.blogspot.com/2024/03/pink-flamingos.html
卵のセールスマンがディヴァインのママに卵を売りにやってきました。
毎日来ているみたいです。
そんで愛のシェークスピア・モードに入り、告白をします。”100個でも1000個でも、毎日卵で君を満たしてあげるよ”と言ったところでしょうか。
そんで2人は婚約し、アツいキスを交わします。
勘弁してほしい。めっちゃ汚い。
誕生日会

https://www.dazeddigital.com/fashion/gallery/20347/19/style-in-john-waters-pink-flamingos-1972
ディヴァインの誕生日会なのですが、めっちゃ集まってます。
20人くらいいる。
そんで誕プレがやばい。
薬物、しらみシャンプー、ゲロっぽいやつ、豚の頭、でっかい刃物。
ディヴァイン喜んでんだよ。意味不明。
パーディーの見せ物
蛇を巻くストリッパーがパーティーを盛り上げます。
それだけではありませんでした。
パンツ一丁の男性がカエルのポーズのような体制で、肩を動かしています。
どうやら肩甲骨の可動域が異常に高いらしく、めちゃくちゃ肩甲骨が自由自在に動きます。
”おお、ある種のビックリ人間か”と思ったのも束の間、その男がパンツを脱ぎアナルを見せつけてきました。
グロいです。
ただアナルを見せつけているのではなく、弛緩させたり緊張させたりしてヒクヒクとさせます。
それだけかと思ったらめっちゃ広げたりします。もちろん、手は使いません。腸の筋力だけでめっちゃ広げて見せます。
それだけかと思ったら今度は脱腸して見せました。
今までのはウォーミングアップだったみたいです。
警察

https://medium.com/framerated/pink-flamingos-1972-blu-ray-criterion-collection-722e0523bc2f
その様子を見ていたマーブル夫妻は警察に通報します。
この警察の登場シーンがしょーもない。
ヘンテコ警官が4人、ゆっくり歩いているシーンにサイレンの音を被せためちゃくちゃ間抜けな映像です。
見たことないくらい間抜けな映像です。
しかも徒歩でトレーラーハウスに近づく警官たちになぜかパーティしていた連中は気がつき、隠れます。
そして一斉に警察を襲います。
リンチしているのかと思ったら引きちぎって食べていました。
楽しそうにみんなで人肉を食べています。
結婚
ディヴァインの母親は卵のセールスマンと結婚しました。
卵のセールスマンは運搬用の一輪車に母親を乗せ去っていきます。
この時、結婚式の音楽がかかります。
結婚式の音楽使えば良いってもんじゃねーんだよ。
近親相姦

https://www.moviemeter.nl/film/3333
ディヴァインはマーブル夫妻を調査しに夫妻の家に親友します。
そこで息子とマーブル夫妻が触ったであろう箇所を舐めまくります。
階段の手すりやテーブルの上に置いてある小物など、家中を舐めまわし、2人は親子の絆を確かめ合います。
そしてシェイクスピア・モードに突入し、親子でお互いの愛を叫び合い興奮が最高潮になったとき、ディヴァインが息子のちんこをしゃぶり始めます。
文字通りフェラチオを始めます。
ちんこもしゃぶっている口元もガッツリ映っています。
全く勃っていないの草。
放火

https://www.moviemeter.nl/film/3333
マーブル夫妻はディヴァインが留守にしているトレーラーハウスを燃やします。
それがこのシーンすごいです。
トレーラーハウスに見立てたちょっとした建物をガチで燃やしています。
燃え盛る炎を執拗に写しますが、それが綺麗なんですね。
すごいのが倒壊するまでカメラ回していたっぽいです。
この映画案外金かかってるね。
唾液の呪い
マーブル夫妻は自宅へ帰ります。
”やってやったわ!”という感じでクソみたいなシェークスピア・モードが発動するかと思ったら、座ろうとした椅子が動きました。
突然のポルターガイスト。
ディヴァイン親子が舐めまわしたのでなんかの呪いがかかったみたいです。
レイモンドの間抜けな『the couch rejected you』がツボでした。
急に笑いました。
カンガルー裁判

https://metrograph.com/film/?vista_film_id=9999003050&v=55add3d845bf
ディヴァインはマーブル夫妻を縛ってトレーラーハウスの焼け跡に連れ出し、クソみたいな裁判の真似事をします。
ディヴァインは2人に対し、”第一級のバカ”と”クソ野郎”の判決を下し、2人を銃殺します。
問題のラストシーン

https://mandysweats.medium.com/pink-flamingos-a-queer-beginners-guide-to-family-style-and-not-giving-a-sh-t-fa9aa3e6c96f
ディヴァインと息子とルームメイトは新天地に引っ越すことにしました。
そこで街を歩いていると、散歩している犬がうんこしていました。
『It’s a real thing』
というナレーションのあと、ディヴァインはうんこを拾い上げ、食べました。
犬がうんちしたところからディヴァインが飲み込んで口がからになったのを見せる一連の流れがワンカットで写されています。
しかもしばらくうんちを口にいれ、ネチャネチャさせてコネクリ回した後に飲んでいます。
見てるこっちが吐きそうになるわ。
ちなみにディヴァインもえずいていました。
関連情報
脚本に書いてあったからやっただけ
女優魂見せんな。
ディヴァインは本作が有名になってから、公私共に”犬の糞”についてやたら聞かれるようになったらしい。
ディヴァイン曰く『人生で食糞したのはあの一回きりで、脚本にあったからやっただけ』とのこと。
普通は脚本に書いてあってもできねぇって。あんたすげーよ。
しかも犬のうんこのシーンを撮影するために3時間待っていたみたい。
ワンチャンがなかなかうんちしてくれなかったみたいね。
この作品、やたら長回しも多いしみんな頑張ったね。
撮影大変すぎ。
あの鶏
動物虐待と見受けられるシーンがありますが、撮影後に食べてます。
本編終了後の解説にてジョン・ウォーターズが撮影に使用した鶏はあとで食べた言及しています。
『動物愛護団体に言われました。”なぜ、たかが映画のために動物を殺せるんだ”と。
私は普段から鶏を食べていますが、その鶏が心臓発作などの寿命で死んだわけではないことを知っています。
私たちは農家からあの鶏を買って、その鶏の人生をより良いものにしてあげました。
あの鶏は映画に出演することができ、セックスもできた。
私たちはそのシーンの撮影を終えると食べました。』
まさかの子供で復刻
猥褻な描写や乱暴な描写を全て削除して『Kiddie Flamingos』を作っています。
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