ネタバレ無し感想
行き場を失ったロバのEOが、訳もなく彷徨うのですが、人間社会がいかに動物にとって行きずらいのかをEOの目線で教えてくれます。 EOがめっちゃ可愛い。まずロバ可愛い。
そして芸術性が非常に高い作品でした。
観たこともないタイプの映像美。
食育映画とも捉えられる。思想強めにも感じる。
映画としてとってもいい作品でした。
動物愛護団体はこの映画を見た方がいいと思います。
過激な活動をして嫌われている動物愛護団体やヴィーガンは本作を見習った方がいいんじゃないでしょうか。
EOが可愛い!愛おしい!好き!と思わせつつ、直接的で残虐性な映像ではなく、美しい映像の中でずっとEOが独りぼっちという穏やかな表現。
だったので、思想を感じる映画の中でも見応えがあり、美しい作品でした。
EOのおかげで穏やかに自分達が生きている社会の残酷さ、冷徹さを改めて見つめ直したいと思えるような作品でした。
基本情報
英語:EO ポーランド語:IO
EO イーオー
2022年 88分

https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-reviews/eo-review-cannes-2022-1235150257/
制作国 : ポーランド/イタリア
日本公開 : 2023年5月5日
ポーランド:2022年9月30日
フランス:2022年5月19日
興行収入 : $1,800,000
ジャンル:ドラマ / ロードムービー
あらすじ
愁いを帯びた瞳とあふれる好奇心を持つ灰色のロバ・EOは、心優しきパフォーマー・カサンドラのパートナーとしてサーカス団で生活していた。そんななか、予期せず放浪の旅に出ることになったEOは、善人とも悪人とも出会い、運命の歯車に耐えていたが…。
※参照元:U-NEXT
日本版 予告編
英語版 予告編
スタッフ
監督 : イエジー・スコリモフスキ
脚本 : イエジー・スコリモフスキ/エヴァ・ピャスコフスカ
製作 : イエジー・スコリモフスキ/エヴァ・ピャスコフスカ
製作総指揮 : ジェレミー・トーマス
音楽 : パヴェウ・ミキェティン
配給 : 日本:ファインフィルムズ
キャスト
カサンドラ:サンドラ・ドルジマルスカ
ヴィトー:ロレンツォ・ズルゾロ
マテオ:マテウシュ・コシチュキェヴィチ
伯爵夫人:イザベル・ユペール
アワード
- カンヌ国際映画祭:審査員賞/カンヌ・サウンドトラック賞
- ハンプトンズ国際映画祭:ゼルダ・ペンゼル声なき声への貢献賞
- ニューヨーク映画批評家協会:国際映画賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー:トップ5外国語映画
- ヨーロッパ映画賞:作曲賞/ヨーロッパ・ユニバーシティ映画賞
- ニューヨーク映画批評家オンライン:外国語映画賞
- ロサンゼルス映画批評家協会:外国語映画賞/撮影賞
- 全米映画批評家協会:外国語作品賞/撮影賞
- 国際シネフィル協会:作曲賞
おせっかい情報
見る際の注意
動物が残酷な目に遭います。
こんな人におすすめ
美しい映像を観たい。
社会派なテーマを持つ映画を観たい。
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
優秀な爺さんの説教映画
第一印象は説教映画でした。
肉食とか、信仰心の薄い現代人とか、テクノロジーの進化とか、動物愛護について、風力発電とか、をいろいろ批判したい映画なんだなぁという印象です。
時折、説教くささを感じてしまいます。
EOがたまたま出会った人間たちなので、深掘りはされないです。
ただ、アプローチが穏やかで、映像として美しく映画として素晴らしいので、説教映画の中ではかなり好きな方です。
教育にいいかも
セリフがないから退屈かもしれないんだけど、子供達の教育に良い作品だなと思いました。
過激な描写もないので、動物の犠牲について考えるのに良い作品だなと思いました。
序盤に自己紹介があるタイプの映画
序盤のシーンで人間の傲慢さを描いてある作品ですよ〜という自己紹介がありました。
荷物運びのために酷使されてきたロバを主人公にしたの上手いですね。
強烈な弱肉強食
ロバと馬を比較するのもなかなか残酷ですね。
馬の方が待遇いいなと思ったら、馬も人間の都合のいいように使われているという。
歓迎されたかと思ったらサンドバッグにされて死にかけてましたね。
EOが里親の元を転々とさせられる子供みたいでした。
マジでEOがずっと可愛い
自分の首に巻かれたにんじん食べるところめっちゃ可愛い。
ずっと何が起こってるのかわかってなさそうなところが可愛いです。
ゴミ男しか出てこない
動物に優しいのがみんな女か子供なのは何か意図があるんですかね。
なぜかこの映画、男がゴミしか出てこない。
最後、EOに友達ができたのか!もしかしたらハッピーエンドかもしれない!なんて思ったらあの若者もゴミだったし。
マグダがグレタに見えてきて怖かったです。
自分自身に陶酔している感じ。
映画の中のマグダも結局はやばそうな男に飼われてるし、典型的な頭悪そう女でした。嫌いです。
あっちの法律はわからないですが、警察の目の前で堂々とEOを連れ去れるくらい緩い環境なわけですよね。
EOと生活しようと本気で思えばできたんじゃないか。
結局、そこまで本気で引き取る気はないんですよね。
表面上は優しいけど蓋開けてみたら中身空っぽっていうやつ。無責任の極み。
超絶自由を手に入れたいEOは何をするんだい!?
と思ったら風力発電の批判なんですね。笑
鳥が巻き込まれて死んでいると。
あの有名な転けないロボットが出てきたのは意外でした!
あのシーンはどういう主張なんですか。
テクノロジーでロバっぽいものを生み出してしまったくらい人間は傲慢で神になろうとしている!的なことなんですかね?
切り取り人間社会
絶対こいつレイプ目的だろ、と思ったら急に殺されるやん!?
なに!?あいつなんだったん!?
あとあの近親相姦なに!?血の繋がり無し的な!?
追い出されたら路頭に迷うから、そのために性的に相手してる的な!?
EOも人間社会の歯車に巻き込まれ続けてこんな気持ちだっただろうな笑
え!?なに急に!?何が起こってんの!?っていう笑
EO視点をこちらにも味わわせてくれます。笑
ハッピーエンド
終わり方はあっさりしてて気持ちよかったです。
EOはサラミになったのだね。
あのまま放浪し続けるよりも、人間に使われるよりも、
ずっとマシだと思ったのでハッピーエンドに感じました。
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