ネタバレ無し感想
ここまで最低なクソ映画は見たことない!
ピンクフラミンゴに勝る悪趣味の満漢全席!
この映画に相応しい罵り言葉が見つからないのが悔しい!
悪趣味と悪意100%作られた作品でした。
恐らくはかなりの低予算で製作されたであろう本作でしたが、あまり低予算感を感じないというか、作風とうまくマッチさせていた印象です。
静止画も微妙に動いていてフィルム感があります。
あとほぼ静止画のシーンでも音楽とナレーションのインパクトであんまり気になりません。
全体的にまとまりがあってテンポもよく、見やすい映画でした。
本作は短い作品ですが主人公みどりの人物描写がしっかりとしていました。
時々入る詩的表現についてはさっぱり意味がわかりません。
多分考えても無駄な気がします。
とにかく随所に、大小問わず、悪意をふんだんに盛り込んだ作品です。
基本情報
MIDORI
地下幻燈劇画 少女椿
1992年 52分

https://severed-cinema.com/midori-1992-review-from-cine-malta/
制作国 : 日本
日本公開 : 1992年5月2日
レイティング : R18+
ジャンル:ホラー
あらすじ
昭和13年貧しい家に生まれ、病身の母と2人暮らしの生活を送る少女みどりは、母の世話のために夜ごと花売りにでかけていた先で、山高帽を被った親切なおじさんに出会う。 「困ったときは、いつでも私を訪ねておいで…。」 家に帰ったみどりが目にしたのは、性器から入り込んだ何匹もの鼠に内臓を食い破られた母親の姿だった。孤児になったみどりは、山高帽のおじさんを訪ねる。彼女が連れて行かれたのは異形の芸人たちが働く見世物小屋・『赤猫座』であり、山高帽のおじさんはそこの主人であった。見世物小屋の下働きとして使われるはめになってしまったみどりを小屋の芸人たちは事ある毎に虐め抜き、みどりもまた障害を負っている芸人たちを化け物呼ばわりし、嫌悪感を露にして罵る。
※参照元:Wikipedia
日本版 予告編
スタッフ
監督 : 原田浩(絵津久秋)
脚本 : 原田浩(絵津久秋)
原作 : 丸尾末広『少女椿』
製作 : 原田浩(絵津久秋)
音楽 : J・A・シーザー
キャスト
中美奈子
おせっかい情報
見る際の注意
もう色々注意。
こんな人におすすめ
とにかく趣味が悪い作品を探している。
倫理観を母のお腹に置いてきた人。
この作品が好きな人が好きそうな映画
※完全な偏見です。
⚠️ネタバレ有レビュー⚠️
みどりの年齢
遠足に行きたいということは小学生ですよね?
最高年齢だったとしても小6の12歳ということになりますね。
これマジで最悪な物語ですね。
貧困家庭
母親は病気、父親は家を出ていき、マッチ売りの少女みたいに椿を売って生計を立てているようです。
マッチ売りの少女とは似ても似つかない話なのにね。
『お月様が見てる!』ってセリフがありましたが、やましい感じということですね。
なんかいやらしさがありました。
私はてっきり、みどりは芸者にでも売られるのかなと想像していましたが、そんな甘ったるい展開ではありませんでした。
母親の死因のインパクト
女性器からネズミが侵入し、内臓を食われて死んだという
誰がこんな気持ち悪い死因思いつくんですか。
ハンパじゃない。
洗礼
見世物小屋に到着するやいなや、いわゆる芋虫と呼ばれる奇形の男性にクンニされています。
さらにみどりの女性器から出血している絵が差し込まれるのでレイプされてましたね。
開始早々胸糞が悪いです。
これは発禁喰らいますね。
まるでソドム
蛇女と腕なしと眼帯男が3Pしてるところを目撃し、逃げた先の部屋では親方が少年の眼球を舐めてる。
眼球舐めってなんなんですか?グロいんですが。
あの少年カナブンも多分未成年ですよね?
この映画やばすぎ。
これが噂の豆腐犬
みどりは近所の神社にいた子犬たちをこっそり可愛がっています。
それをカナブンに見られてしまい、犬を殺されてしまいます。
カナブンは子犬を床に投げつけたり、踏んだりして殺し、持って帰って捌いたようです。
それを鍋にしてみどり含めた見せ物小屋団員に食わせます。
丸尾さん好きですね。
誰かが大切にしているものの肉を本人に食わせるの。
なんの漫画作品か忘れましたが息子の焼き鳥と教えずに母親に食わせてませんでしたっけ?
少年の肛門から寄生虫を取り出してまた食べたところで吐き気を催した気がします。
謎の歌詞
脚で顔を踏まれて起こされるって腕がないからなんでしょうけど最悪です。
しかもレイプされましたね。
マルキ・ド・サドの小説みたいな作品ですね。
ここで謎の曲が流れました。
『毛糸のパンツはあったかい』って
『私以外私じゃないの』に通づる”知っとるわ!”歌詞です。
なんで?
美少年カナブンが目の前で立ちションしてついでにみどりに性器を見せつけます。
この少年は団長に性的虐待を受けているストレスから攻撃性が増しているのかなと思ったんですが、多分この作品に関してはそこまで考えることは無駄ですね。
目的はみどりを不幸な目に遭わすことですから。
そんで買い物から戻ってきたら遅いと蛇女にビンタ喰らってる。
みどり、ぐれておかしくなってもおかしくないのに一応純粋で健気設定なの草。
きっと現実ならもうとっくに頭おかしくなってますよ。
ショッキングなシーン
奇形に洗ってくれと言われ『化け物』と静かに言い放ち、雑巾を顔面に投げつけましたね。
酷すぎるシーン。
罰として全裸にされ、縛られ、全員の前で冷水を浴びせられ
『遠足行きたい』
これは笑った方がいいのかわかりません。
笑えないです。
すごい悲鳴
みどりは全裸冷水により風邪を引いて悪夢を見ます。
お父さんを探していると、部屋の隅できゅうり食ってるお父さんを見つけます。
このお父さんの不気味さ、よく表現されていました。
明らかにこの世のものとは思えない異質感。
すると、自分の体が変形し、耳に芋虫が入ってくる。
そしてみどりは夢の中で発狂します。
その発狂した際の『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”』という、本当に喉を痛めていそうな絶叫はかなりよかったです。
声優さんすごい。
本作では何度かみどりの絶叫が聞けますが、本当に感情が乗っています。
絶望や憎しみを感じるような悲鳴です。
徹底している
風邪を引いている子供に対して『あっちいけ』と言い、みどりを貧乏神扱い。
ただでさえ弱者である女孤児をいじめ抜いてやろうという気概を感じますね。
ロリコンの小人症の幻術使い
ワンダー正光は恐らく40代ですよね。
頬にキッスキッショ。
『みどりちゃんかわいいね』で肉体関係を持っていますね。
みどりちゃん、世間を知らないので彼女の世界で一番輝いて見えたのがワンダー正光だったんでしょう。
実際にはロリコンの催眠術おじさんです。
『おじさん、結婚してあげてもいいわ。でも私、もう処女じゃないの』
このセリフからもう気持ち悪い。
嫌悪感しかない。
調子に乗るみどり
ワンダー正光はみどりちゃんをあからさまにエコ贔屓します。
記念写真を撮影し、とうもろこしを一緒に食べて海を眺め、デートを重ねます。
一気にみどりは色気付いていきます。
明らかに調子乗っています。
自分にはなんの実力もないのに。
しっかりバカで浅はかですね。そうか。普通に子供なのか。
洗濯をしろと命令され、断ると生意気だと乱暴な高い高いをされます。
これは案外楽しそうだと思いました。
ジェットコースターみたい。フリーフォールみたい。
ワンダー正光は案外利口
ワンダー正光は幻覚を見せることができるみたいです。
見せ物小屋の団員に恐ろしい幻影をみせたあと、しっかり『番号!』って言って点呼させた後に指示を出して上下関係を植え付けました。
『あんたが貰いすぎている。それじゃ連中はついてこないよ』
って自分の儲けを増やすのではなく分け与えるのですね。
こうして今までも人をコントロールしてきたんでしょう。
謝罪ではなく所有欲
『さっきは悪かったな。ごめんな。もういじめねえから。最近お前がやらせてくれねえからだ』
みたいなこと言ってましたよね。
これだけでも謝罪になっていないのに
そんで心の声で
『みどりは俺のもんだ』
って言ってましたね。
そもそも謝罪する気などなく、所有欲からみどりに謝罪したんですね。
こういう細かいとこをにも人間の汚い欲を描いていてもう感心します。
『お前はろくでもない奴だ。死ね。』
間違いないけどワンダー正光も大概だぞ。
砂に生き埋め蟻地獄。
埋まってしまう直前に手を差し伸べる腕がある自分。
腕ないのに。
ワンダー正光が幻覚を見せて泥くわせて窒息死させていました。
所有欲vs所有欲で幻術使いが勝ちました。
芸能プロダクションからスカウト
みどりをスカウトしに別の山高帽子のおじさんがやってきました。
『こんな薄汚い小屋でヤクザな時代遅れなことしなくていい』
って、こういう小言を言うところも性格悪い。
そして、そのチャンスをワンダー正光に捨てられましたね。
ちょっと甘い言葉を投げかけると、みどりはすぐに空想をし、夢見て今あるものをあっさりと捨てるみたいです。
結婚してあげてもいいわと言うのも、現状自分が手に入れられそうな一番いい生活をさせてくれる人ということですね。
ワンダー正光にも愛情なんてない
自分から離れようとしたらみどりの後頭部を鏡にぶつけてDV。
所有欲ですね。
最大級の幻術
『貴様らどいつもこいつも臆病なくせにもの高く、怠け者のくせに欲深く、被害者意識の塊でそのくせ世の中を我が物顔で歩く』
これは当たってるかも。大衆ってこんなもんですよね。
観客に『小人の分際で』と言われたのが引き金となりガヤガヤうるさい客に幻覚を見せますが、この幻覚が本作最大級です。
体が捻じ曲がったり膨れて溶けたり破裂したり、地獄絵図と化していました。
警察が来たら全てが元通りとなっていたので幻覚っぽいです。
美少年カナブンが『いいぞーやりやがれー』って言っていたので周囲の人も幻覚を見ているんですね。
蛇女もワンダー正光を看病しながら『あのまんまだったら良かったのに』って言ってたので周りの人も同じものを見ているのは確定みたいです。
ワンダー正光が使っているなんかの力は催眠術じゃなくて、架空の何かって感じですかね。
てかパワーを使いすぎて鼻血ってストレンジャーシングスじゃん。
みどりの願い
『遠くへ行きたくない。うちへ帰りたい。』
一緒にこの街を出ようと提案したワンダー正光はみどりちゃんが欲しかったものを見せてあげます。
地元の東京に戻っていて街は栄え、自宅がある。自宅に入ると両親がいて、食事を用意している。
日付は遠足の前日となっており、遠足のお菓子をお父さんが買ってきてくれたらしい。
みどりちゃんが一番望んでも二度と手に入らない家族団欒を見せた。
12時になり、ワンダー正光の膝の上で目が覚めたみどりちゃんはついていくことになった。
あっさり用無し
『ちくしょう、殺せー』
親方が金持って逃げました。ワンダー正光が出ていくと知って、見切りをつけたんでしょうね。
美少年のカナブンは散々お相手をしてやったのに捨てられたらしいです。
それで団長からの性加害から解放されたカナブンは髪を切りました。
ワンダー正光とみどりが出ていく際、めちゃくちゃ気持ち悪かったです。
蛇女が『とってもかわいいよ』と言葉をかけ、眼帯男も手を振って見送っています。
あれだけいじめてきたカナブンも泣きながら手を振って『さようなら』と言っています。
いじめってした側は忘れるってやつですかね。
幸い、みどりも浮かれて過去にされたことを覚えていないようで、機嫌よく手を振っています。
運がないみどり
幸せになれると確信したみどりの顔面が欲に溢れています。
しかし、毎度のことながら直前でチャンスを潰されます。
バスを待っている間に弁当を買いに出たワンダー正光。
ワンダー正光は強盗殺人の現場を目撃してしまい、通り魔的に刺し殺されました。
バス停で弁当を買いに行ったワンダー正光を待っていたみどりだが、あんまりにも帰ってこないので町中を走り回って探します。
何周走ってもワンダー正光は見つかりません。
みどりが走っている街には警察1人もいないし、ワンダー正光の死体にも出会していない。
ワンダー正光が殺された場所とみどりが走っていた街は別の街?
最悪のラスト
みどりは幸せを目前にしてまた天涯孤独となりました。
みどりが最後に見た全員がみどりを嘲笑っています。
”お前なんかが幸せになれると思ったか”と言わんばかり。
ここで『あ”あ”あ”』という悲鳴をあげながら棒を振り回して発狂し、幻覚に襲いかかります。
幸せになれると思った瞬間、また孤児として路頭に迷い1人路地に立ち尽くし、泣き叫ぶみどりの姿で本作は冒頭の地獄絵図へと戻ります。
地獄絵図をバックに詩的なことを言っていましたが意味はわかりません。
みどりもちゃんと気持ち悪い
みどりも子供ながらにして、女の意地汚さというか、嫌なところが描かれていました。
この子にも全く感情移入できない感じ。全然可愛げがない。
おっさんにたぶらかされて高望みをしては不幸になるという、パパ活女子かのような女の汚さが描かれていたと思います。
全てを悪趣味と悪意で埋め尽くしたかのような作品でした。
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