宗教/風習

B級ホラー

ウィッカーマン (2006年) 101分【ネタバレ・考察】走る!走る!走る!とにかくニコラス・ケイジが走る!アメリカナイズしてしまった結果、とんでもなく浅く安っぽい作品になってしまったガッカリ映画。

ネタバレ無し感想先にオリジナル版を観ないと損した気になるかもですね。 それか、先に本作を見た方がより一層オリジナル版に感動するのでしょうか。お膳立てとして機能するかは怪しいです。ミッドサマーは本作からも影響を受けていることが伺えます。オリジナル版とリメイク版をうまいことミックスして、さらにそれだけでなく、自分の色も加えて完璧なこの系統のホラー作品を仕上げたんだなと思いました。ちなみに本作はニコラス・ケイジのファンでない限りは特に面白くないと思います。展開ばボロボロ、映像はB級そのもので、映像も古臭く、安っぽいです。オリジナル版にあった独自の映像体験や宗教との対立などは描かれておらず、頭の悪いエンタメになってしまいました。本作では対立構造が現代化しており、その点は良い改変だとは思ったのですが、脚本が練り込まれていない印象です。また、安っぽい演出や映像美が多く、楽しめる要素がニコラス・ケイジしかないという状態になってしまっています。お察しください。基本情報The Wicker Manウィッカーマン2006年 101分キャッチコピー『運命を見とどけよ』キャッチコピー(英語)『BE CAREF...
B級ホラー

ウィッカーマン(劇場公開版) (1973年) 88分【ネタバレ・考察】ミッドサマーに影響を与えたフォークホラー。まさかのミュージカルテイスト。キリスト教と異教徒の対立。緻密な脚本と奇妙な映像。地獄のエンディングからのスタッフロールに衝撃。

ネタバレ無し感想本作はアリ・アスターが影響を受けたと言われている作品です。映像全体の雰囲気や恐怖の種類はミッドサマーに似ています。しかし物語は全く違うので、ミッドサマーを観たことがある方でも面白いのではないかと思います。情報参照元:番外編 『ミッドサマー』をめぐって アリ・アスター監督 Q&Aイベントレポート個人的な印象としては「ミッドサマー」も「ヘレディタリー/継承」も「ボーは恐れている」も同じ仕組みですね。アリ・アスターの作風の原点なのでしょうか。テンポ良くて観やすいです。映像も面白いです。ちなみに割と音楽シーンが多いミュージカル・ホラーでした。個人的にはスリラー映画としても非常に面白かったのですが、宗教に関心がない人、特にキリスト教に全く関心がない人からするとこの映画はめちゃくちゃ退屈かもしれません。ミッドサマーはキリスト教の知識がなくても楽しめる仕組みになっていましたが、本作に関してはキリスト教について何も知らない状態でみると大して面白くない作品な気がします。特に日本人にとっては本作はキリスト教の刑事が異教徒の文化に巻き込まれていくという内容なのですが、その異教徒が日本の文化を...
B級ホラー

みなに幸あれ (2024年) 89分【ネタバレ・考察】部屋でヌクヌク映画を観ているお前ら全員の話。我々の醜さをありありと見せつけてくる怪作。

ネタバレ無し感想どこがじゃぁあい!どこがみなに幸あれじゃぁあい! 思っとらんやろがぁあい!ただただ、気持ち悪いだけの映画として作ってるんじゃなくて、メッセージ性をちゃんと用意してるところがいいですね。しかしメッセージがわかりやす過ぎました。笑いちいちセリフで説明してくれるし。笑すっごく嫌な映画です。映像がキモいのはもちろんのことですが、内容が嫌!アリ・アスターみたいなタイプの嫌な映画です。人類が逃れられない題材を持ってきやがった。にしてもキャスティングの大勝利ですね。主演の古川琴音が童顔でキュートなんだけど、絶妙に不気味ですごくいいです。基本情報Best Wishes To Allみなに幸あれ2024年 89分キャッチコピー『地球上の幸せには、限りがある』製作国 : 日本日本公開 : 2024年1月19日レイティング : R-15ジャンル:ホラー / スリラー / B級ホラー / コメディ・ホラーあらすじ看護学生の孫は、ひょんなことから田舎に住む祖父母に会いにいき、家族水入らずで幸せな時間を過ごす。しかし、どこか違和感を覚える孫。祖父母の家には“何か”がいる。そしてある時から、人間の存...
コメディ・ホラー

ファミリー☆ウォーズ (2018年) 76分【ネタバレ・考察】全員素人の悪ふざけ映画。有名監督、衝撃の初期作品。

ネタバレ無し感想映像も内容も音声も全てが10年前のスカイピースのYoutube以下かもしれません。 かなり酷い作品です。勢いだけはすごくあるのでザ・初期作品という感じですね。勢い以外で何かいいところあったかと言われると見当もつきません。全員素人の悪ふざけ大会という感じの映画です。共感性羞恥心を存分に刺激されると思います。この監督、老人嫌いなのかな黄龍の村と同じ阪元裕吾監督です。ベイビーワルキューレで一気に知名度が上がった方です。黄龍の村でも老人への怒りが満載でした。本作でも一応、老人を殺そうとするところから始まります。基本情報Family Warsファミリー☆ウォーズ2018年 76分製作国 : 日本日本公開 : 2018年8月25日レイティング : R18+ジャンル:コメディ・ホラー / B級ホラーあらすじ祖父、父親、母親、長女、次女、長男、次男の7人家族の福島家が舞台。認知症を発症した祖父・伸介がドライブ中に近所の子供を轢き殺し、その子供の死体を福島家に持ち込んだことから明るかった家庭が崩壊する。家族一丸になって伸介に餅を食べさせて殺そうとするが、次第に無関係の周辺の人々をも巻き込...
B級ホラー

キャリー (1976年) 98分【ネタバレ・考察】一番怖いのは男性嫌悪が派生して女体嫌悪が混じったカルト母

ネタバレ無し感想初めてアメリカのスクールカーストやいじめについて描かれた作品だそうです。B級映画として満足度が高かったです。とにかく女優がすごい。あと映像もすごい。本当に面白い。血の量もB級感満載で楽しい。母娘の共依存関係とか、性的物への嫌悪感の表現とか、ドロドロ要素は薄めでした。しかしその分内容は割とストレートでライトな仕上がりで後腐れないです。映像はかなり冒険しています。そこは今となっては大した型破りではないと思いますが当時は結構衝撃だったのかな?それにしても映像が面白いです!クライマックスの映像なんて超かっこいい!女優さん、綺麗なのにめちゃくちゃ怖い!あとちょっとだけミストを思い出しました。母親から見たら成長していく娘ってこんな怖いのかしら?基本情報Carrieキャリー1976年 98分製作国 : アメリカ日本公開 : 1977年3月3日アメリカ:1976年11月3日製作費 : $1,800,000興行収入 : アメリカ・カナダ:$33,800,000日本:5億7200万円レイティング : R-15ジャンル:ホラー / ミステリー / 実写化あらすじ冴えない容姿とおどおどした態度...
ホラー

ヘレディタリー/継承 (2018年) 127分【ネタバレ・考察】個人的No.1ホラー映画。内側からじんわり浮き上がってくる何か。

ネタバレ無し感想この映画のサントラ聞いているとメンタルおかしくなりそうになります。 いろんなタイプの恐怖が調和させており、見る人の潜在意識によって恐怖の種類が変わるような映画だと思いました。ヘレディタリーを見ていると何か良くないものが自分にじんわり染みてきているんじゃないかという気持ちにさせます。めちゃくちゃ好きなホラー映画なのですが、2度と見たくないです。でも2度観ることが前提で作られている映画な気がしますし、2回目も楽しめます。1回目観た時はただただ飲み込まれていく一方でしたが、全体の内容を把握してからの方がもっとのめり込んで怖がれます。素晴らしい演技力とにかく演技力が素晴らしいです。この作品がホラーじゃなかったらトニ・コレットはアカデミーでしょう。それぐらい感情の発露がすごかった。感情の起伏が抑えきれずに表に出てきてしまう母親の演技とは相反してピーター役のアレックス・ウルフは抑えたところの演技力が特にすごかった印象です。思考停止のシーンなど。怖いのに見てしまう自分が嫌になる本作のグロはただただリアリティに満ちていて、無駄な鮮血がありません。しかし画面から匂いを感じるような、リアリ...
ドラマ

小さな悪の華 (1972年) 103分【ネタバレ・考察】エロティックで危ない少女2人の秘密。青春サタニズム映画。

ネタバレ無し感想テンポが悪いので覚悟してみないといけませぬ。 そんなにクオリティが高くない印象です。少女2人のエロティック・ジュブナイル・ゴシック・アンチクライスト・ホラーフレーバーな作品でした。個人的には好みな設定・テーマでした。でも女優も微妙。演技力も微妙。映像も微妙。どうやら自主制作映画だったみたいです。リメイクして欲しいかも。こういうアンチクライスト映画は作ってくれないだろうけどソフィア・コッポラにリメイクして欲しい作品でした。映画内での設定は14歳でおっぱいが出てきますが、女優さんたちは撮影当時18歳超えているのでご安心ください。基本情報Don't Deliver Us from Evil/Mais ne nous délivrez pas du mal小さな悪の華1972年 103分キャッチコピー『二人だけの美しく恐ろしい秘密の世界』制作国 : フランス日本公開 : 1972年3月4日フランス:1971年4月5日(カンヌ国際映画祭)ジャンル:ドラマ / ホラーあらすじアンヌとロールは、カトリック系の厳しい寄宿学校に通いながら、暗黒文学に沈溺する15歳の少女。彼女たちは学校が...
ホラー

ウィッチ (2015年) 93分【ネタバレ・考察】信じるものが不幸になっていく宗教ホラー。

ネタバレ無し感想映像が美しかったです!そして音楽が怖い! これは映画館の大画面で観たかった!とにかく映像が美しくてずっと不気味なので目が離せません。俳優が素晴らしい!そしてケイレブ役の男の子から目が離せない!そしてアニャが美しすぎる!キリスト教のことを知っていたらもっと楽しめただろうに!悔しい〜!基本情報The Witchウィッチ2015年 93分キャッチコピー『闇だけが彼女を救う・・・』キャッチコピー(英語)『EVIL TAKES MANY FROMS』制作国 : アメリカ/カナダ日本公開 : 2017年7月22日アメリカ:2016年2月19日制作費 : $3,000,000興行収入 : アメリカ・カナダ:$25,138,705世界:$40,423,945ジャンル:ホラーあらすじ1630年、アメリカ・ニューイングランド。ウィリアムは妻と5人の子供たちと共に敬虔なキリスト教生活を送るため、森の近くの荒れ地にやって来る。だが、家族に次々と不幸が訪れ、ウィリアムは愛娘・トマシンが魔女ではないかと疑うようになる。※参照元:U-NEXT日本版 予告編英語版 予告編スタッフ監督 : ロバート・エ...
伝記

ベネデッタ (2021年) 132分【ネタバレ・考察】とにかく勇ましい女の映画。ナンスプロイテーション・フェミ映画。

ネタバレ無し感想ポスターのデザインも序盤のスタッフロールのフォントの感じもめっちゃ好きだった。そして絵画のような映像がバッと出てきたのでもうテンションがぶち上がりました。映像美がすごい!音楽も良かったです!そしてこの映画、舞台が修道院なので登場人物のほとんどは女なのですが人物描写も良かったです。怖い映画かと思っていたのですが、そんなに怖くはないです。基本情報Benedettaベネデッタ2021年 132分キャッチコピー『わたしは 告白する』制作国 : フランス/オランダ/ベルギー日本公開 : 2023年2月17日フランス:2021年7月9日制作費 : 19830000興行収入 : $4,300,000レイティング : R18+ジャンル:ホラーあらすじ17世紀のイタリア。幼い頃から聖母マリアと対話し、奇蹟を起こす少女とされていたベネデッタは、6歳で出家し修道院に入る。純粋無垢なまま成人したベネデッタは、やがて修道院長に就任し、民衆からは聖女とあがめられて権力を手にするが…。※参照元:U-NEXT日本版 予告編英語版 予告編スタッフ監督 : ポール・バーホーベン脚本 : ポール・バーホーベ...
アドベンチャー

ノア 約束の舟 (2014年) 138分【ネタバレ・考察】なぜこうなったと言わざるを得ない迷作。観るならB級映画を観るつもりでみてください。

ネタバレ無し感想ラッセルクロウがドヤ顔するたびに笑ってしまうんですがwてっきりキリスト教系の超大作映画かと思ったんですが、低クオリティCGとグダグダな説明と船上で繰り広げられる地獄wなんだよと思って調べてみたらジェニファー・ローレンス主演のホラー映画、マザーの監督じゃん!笑そりゃアンチクライスト映画だ!笑船上での主な話は、信仰心が強い父親が家族を苦しめる話です!笑この映画の内容を確固たる事実だと思い込んで疑わない人がいるんだよな〜と思うと、ゾッとします。ノアの箱舟の内容を超ざっくり聖書の話!”人って長生きすると悪いことたくさんするから、リセットしよう!そして人の寿命は最大で120歳にする!”って思った神様が40日間の大洪水を起こして、地球を洗い流す計画を立てた。地球上で唯一、ノアが清く正しい人物だったので、ノアに箱舟を作り、ノアの家族と全動物のつがいを舟に乗せるように命じ、大洪水に備えるように予言を伝えた。ノアは神に言われた通りに箱舟を作って、その箱舟の中にすべての動物のつがいを入れました。そんで箱舟の中の生物は生き残りました。めでたしめでたし。という話っぽいです。理不尽すぎ。笑ソドム...