遠い山なみの光 (2025年) 123分【ネタバレ・考察】死ぬほどムカついた母親。もう一歩、踏み込んでくれていたらかなり好きになれた映画。単なる薄いミステリーとして終わった。独特な空気感が漂い、雲のようなネタバレ厳禁映画。

遠い山なみの光

ネタバレ無し感想

ミステリーや考察が好きな人にはオススメ

浮いている雲のように掴みどころが難しい作品でした。

考察好きの人はハマって何回も観るかもしれません。

掴めないテーマ

世界観はかなり私好みだったのですが、向こう側のテーマがみえてこなくて中盤で萎えました。

もう一歩踏み込めたでしょ。
どちらの方向にもしっかり舵切れたのにどっちもサラッと触れただけで終わったので萎えました。
もっと奥地まで連れていきなさいよ。入り口をひたすらウロウロさせんな。

表現が控えめ過ぎて伝わってこない

考察要素は楽しむポイントなのでありがたいんですが、なんか控えめな表現なのでテーマ的なところがしっくりきませんでした。
どれ?なに?
もうちょっと具体的に描いてくれない?
ふわっとさせるのはテーマか物語かどっちかにしてくれない?

テンポ感が合わなかった

ちょっとまったりかも。
そこまで遅いわけではないんですが、追加情報をくれるペースが遅めなので、少しずつ退屈していき、興味を失っていきました。
配信だったら寝てたと思います。

もしかしたら歴史に詳しい人には別の視点で捉えているかも

歴史的側面で何か強いテーマがあったのかもしれません。
私にはわからないので戦争に関するテーマを見つけた人がいたら是非レビューを読みたいです。

ずっとつまらなかった

人物描写が弱いのか、控えめ過ぎなのか、全く人物の実在感が無く、ずっと退屈でした。
人物に感情移入ができていないため、オチに関してもインパクトがありませんでした。

基本情報

A Pale View of Hills
遠い山なみの光
2025年 123分

遠い山なみの光

キャッチコピー『その嘘に、願いを込めた』
製作国 : 日本・イギリス・ポーランド
日本公開 : 2025年9月5日
フランス(第78回カンヌ国際映画祭):2025年5月15日
中国(第27回上海国際映画祭):2025年6月19日
ジャンル:ドラマ / ミステリー

あらすじ

日本人の母とイギリス人の父を持ち、大学を中退して作家を目指すニキ。彼女は、戦後長崎から渡英してきた母悦子の半生を作品にしたいと考える。娘に乞われ、口を閉ざしてきた過去の記憶を語り始める悦子。それは、戦後復興期の活気溢れる長崎で出会った、佐知子という女性とその幼い娘と過ごしたひと夏の思い出だった。初めて聞く母の話に心揺さぶられるニキ。だが、何かがおかしい。彼女は悦子の語る物語に秘められた<嘘>に気付き始め、やがて思いがけない真実にたどり着く──。

※参照元:公式サイト


日本版 予告編

英語版 予告編

スタッフ

監督 : 石川慶
脚本 : 石川慶
原作 : カズオ・イシグロ / 小野寺健訳『遠い山なみの光』(ハヤカワ文庫)
製作 : 石黒裕之/福間美由紀/Stephen Woolley/Elizabeth Karlsen/Mariusz Włodarski/Marta Gmosińska
製作総指揮 : 堤天心/カズオ・イシグロ/本多利彦/依田巽/四宮隆史/早川浩/野村明男/吉村和文/Naomi Despres/Michèle Marshall
音楽 : Pawel Mykietyn
配給 : 配給:ギャガ

キャスト

緒方悦子:広瀬すず
佐知子:二階堂ふみ
悦子:吉田羊
ニキ:カミラ・アイコ
藤原:柴田理恵
松田重夫:渡辺大知
万里子:鈴木碧桜
緒方二郎:松下洸平
緒方誠二:三浦友和

ポスター/パッケージ

おせっかい情報

見る際の注意

直接、何かが映ることはありませんが、胎児と猫に関して残酷なことが語られます。

こんな人におすすめ

ミステリーや考察要素のある作品が好き。

この作品が好きな人が好きそうな映画

※完全な偏見です。


 

遠い山なみの光

遠い山なみの光 ハヤカワepi文庫

⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

途中で興味を失った

どこへ進んでいくのか、物語の方向性が見えず、中盤で本当に興味を失いました。
推進力が無さ過ぎてきつい。

身進めていく途中で追加情報をください。

途中でラストの匂わせをするとか、これはもしかしたら全部嘘なんじゃないかとか、
母親は本当は二階堂ふみの方なんじゃないかとか、
物語を身進めていく上で何かこちらに興味を持たせるようなとっかかりをくれ。

なんの話をしているのかよくわからないものをずっと見せられて、限界。

とりとめのないおばさんの話を聞かされている気分

現実に経験ありませんか?
目的も結論も見えない話を永遠と聞かされるという経験。

この映画はそんな印象できつかったです。

何か明確なテーマが欲しかった。

被爆差別や男尊女卑の描写がありましたがどれが裏テーマなのかいまいちピンときませんでした。

義理の父が喧嘩している内容も何言ってるのかわからず、この映画のテーマが伝わってこなかったです。

弱者に寄り添う気になれない

自分の行動や決断が招いた不幸(第二子の殺害、子猫たちの殺害、それによるものなのか娘の自殺)。

自分がしてきた決断への後悔により自己防衛の記憶の改ざんが起こっているとしたら、この人、弱過ぎません?
ちょっと頭も弱くないですか?

向き合えよ

自分の子供だろ。自分がやってきたことだろ。

逃げんなアホ。

1ミリも同情する気になれず本当に嫌いなタイプのメンヘラ女です。

後悔して泣きじゃくって今からでも向き合うことができると前に進もうとしろ。

自分にも周囲にも真面目に向き合わず自分の世界に閉じこもって逃げてバカじゃねーの。

思い出した別の映画

ザ・ホエールを思い出していました。

父親として過去の行いを後悔しているけど、もう間に合わないかもしれないけど、それでも娘とどうにか向き合いたいと切実だったザ・ホエールの方がよっぽど感情移入できました。

この母親、マジで自分のコンフォートゾーンから出る気がないだろ。
保身に走り過ぎて娘のために何かやったことあった?
なにこの女。軽蔑してしまいます。

もっと男尊女卑の胸糞が欲しい

フェミニズムを全面に押し出しても良かったですよね。
テーマとしてそれが1番しっくりくる感じがしましたが、旦那もそんなにモラハラな感じでもなかったですし、あの生活なら私耐えられちゃう、と思ってしまったのでその点も弱かったです。

動機が見えてこない

あの時代に、わざわざシングルマザーを選択し、海外に行く選択をした彼女の動機が見えてきませんでした。

今よりもよっぽど厳しい時代です。
シンママとして生きていくことができず、寺に子供を引き取ってもらっていたという話を父から聞いたことがあります。

そこまでして抜け出したいと思うような環境には見えませんでした。

同一人物だった

過去の彼女と少し後の彼女が同じ時間軸に存在する体ですが、実際には1人の人物ということですね。

妊娠していた頃は、後に自殺した第一子であるケイコを妊娠していたということですね。

2人目の子供を殺した

これで記憶の改ざんが起こったのでしょうか。
メンタルやられちゃったのかしら。

2人目の子供は恐らく日本人旦那の子供ですよね。

これからイギリス人と結婚して渡航するのに、前の男の子供がいたら困るということですね。

やっぱり動機が弱い

子供を殺してまで海外に逃げたいという動機が弱過ぎてしっくりしませんでした。

やっぱりあの旦那がそんなにモラハラで実害があるようには見えないんですよね。
戦争のせいなのか、指がないのだから靴紐もネクタイも結んであげて当然ですよね。

あの時代を考えるとよっぽどマシな家庭に見えていました。

同僚を連れて帰ってきた

まあ、これぐらいは別に良いじゃないと思っちゃいます。笑
毎日なら迷惑ですが、週に1回くらい気晴らしに宅飲みぐらいそんなに気にならないですね。

仕事がしたいの?

自立して仕事をし、自分が主体となって生きていきたいという気持ちが強い女性だった場合、あの生活は窮屈で仕方がないでしょう。
閉じ込められているといえば閉じ込められています。

そしたらイギリスでバリキャリとして働いていたというような情報が欲しかったです。

ローラだと思うと理解できる

別の作品ですが、めぐりあう時間たちという映画があります。

その登場人物であるローラは、60年代のアメリカで生活をする専業主婦で妊婦です。
側から見たらまるでコマーシャルに出てくるような理想的な家庭で生活をしています。

しかし、その生活は自分が本心から望む生き方ではなく、窮屈さを感じていました。
ローラは社会が理想とする生き方を強要されており、自殺を考えるほど追い詰められていました。

そういう女性なら理解できますが描写が弱いです。
追い詰められているように見えませんし、自立への強い意志も感じません。

バカ女に見えた

ただ海外に言って逃げたいだけの人に見えていました。
海外への強い情熱もなく、夢もなく、単純に日本では被爆者だのシンママだの差別を受けており、さらには貧しい生活をしていると。

だから海外に行きたいだけなんだろうなという人に見えていました。
何か強い動機ってありましたっけ?

惹かれ合う2人

広瀬すずと二階堂ふみが対照的な女性として描かれていました。
どこか自由奔放に生きる二階堂ふみと、社会が望む女性として粛々と生きている広瀬すずは憧れており、惹かれているようでした。

お互い被爆しているという点でも絆を感じましたね。

でも同一人物なんでね。

荒くれ者の彼女も特に自立していない

でも野良猫みたいな生活していませんでした?
あんな廃墟のようなところで生活をしており、野望や夢があるようにも見えませんでした。

ただの育児放棄していて、登場しないためいるかわからないアメリカ人を盲信してVISA目的で渡米しようとしている浅はかな女に見えていました。

子殺し、子猫殺しで倫理観も終わっています。

ローラとの比較

またもや前述しためぐりあう時間たちとの比較となりますが、
ローラは子供への愛との葛藤で苦しんでいました。
だから彼女に同情し、救ってあげたい気持ちになりました。

ローラを見ていて辛くなるんです。生きるためには何かを捨てなくてはいけない葛藤が描かれます。
もしも彼女が現代に生きていたら、男尊女卑な社会じゃなければ、彼女はこんな苦悩は抱えていなかったであろうという点が何よりも残酷だったわけです。

娘のニキの人物描写が薄い

教授と不倫していましたね。
あれなんか意味ありましたか?
母親の遺伝で不倫する女ということですか?そしたら母親が不倫していた描写を入れてくれないと意味ないです。

娘は景子の自殺についてなんか思うことはなかったんですか?
母親の話を聞いている娘があまりにも平常心だったので違和感しかありませんでした。

インタビューをする動機に違和感

社会的に意義があるからという理由でしたが、いまいちしっくりきません。

それは表向きに母親を説得する理由で、実際は母親が自分に隠している過去や景子の自殺の理由を知りたいと思うものじゃないですか?
自分のルーツについて知りたいってなりませんか?

もっと感情的になってもおかしくない状況ですが、あの娘は母親のこともケイコのこともまるで他人事かのように思っている印象でした。

なんか他人みたいな接し方

インタビューをするにしても家族、しかも母親なんだからもっと砕けた言葉で話したり、もっとフランクに会話しませんか?

知らないババアにインタビューしてるかのような距離感に違和感を覚えました。

よそよそしい感じ。母娘の距離じゃない感じ。

何か確執がある?

それなら、もっと葛藤や衝突が生まれません?
何この不自然な作り物かん満載な親子。

さすがにもっと感情的にならない?

父親が違う姉とはいえ、一緒に生活していたら家族になりませんか?
その姉が自殺したんですよ?
なんであんなに平然としているの?
母親に似てサイコなの?

被爆者差別

被爆者を差別している描写ありましたか?
夫が濁したのは胸糞悪かったですが、他に被爆者を差別しているような描写ありましたか?

事前にそういう話だと知っていればもう少し意識してみたのですが、普段可能な限り映画の情報を入れずに観たいと思っているので今回もあらすじや予告編を観ずに挑みました。
仇と出ました。

ホラーじゃないのに不穏

ずっと画面から漂っていた不安感は被爆してしまったことによる不安感だったのでしょうか。
ずっと不穏なんですよね。

地獄ですよね。
もしかしたら健康な赤ちゃんを産めないかもしれない不安感の中で妊娠しているわけですもんね。

ひとりぼっち

後半で同一人物であったことが判明しました。

てことはこの子、頼れる友人も家族もいない中、1人で第一子を妊娠していたの?
しかも被爆しているから、健康な赤ちゃんを産めるかどうかの不安もあるわけですよね。
初産で不安の中、誰にも吐露できないのはきつい。

これってトラウマによって記憶の改ざんが起きたという話?

辛い状況下であったため、自分の精神を守るために記憶を改ざんしたということなのでしょうか?
意図的にではなく精神的苦痛による回避行動と捉えていいのでしょうか?

子殺しやケイコへの虐待、子猫殺し、貧困など、最も辛かったであろう時代の話を自分のことではないこととして精神を守ったということなんでしょうか?

でも表紙には嘘ついたって書いてあるんですよね。
意図的にバレバレの嘘をついているということですよね。

ケイコなんで自殺した?

ケイコが自殺した理由についても少し触れるとか匂わせるとかしてもらえませんかね。

でもあの生育環境で、目の前で赤子は殺され、大切にしていた子猫たちも殺され、それでいきなりイギリスに連れて行かれとなったら
そりゃまともな精神状態でいられるはずがないですよね。

人物描写もテーマ性もなんか一押したりない

なんかサラッとしてて心に残らない映画でした。
裏テーマはあるんでしょうが、あまりにも控えめで伝わってきません。

あと戦争関連の話はよくわかりません。
何が描きたかったのかいまいちわかりませんし、仮に核となるテーマがなければ人物描写の浅いただのどんでん返し映画でした。

明確にこのシーンから興味を失った

子供を沈めて殺したみたいな話を二階堂ふみが後ろ姿でした当たりで眠くなりました。
この映画の過激さはこの程度なのか、、、そしてなんの話なんだ、、、と思って興味を失ってしまいました。

あの人物が、この人物

めぐりあう時間たちで衝撃だった点は実はとある人物は同一人物であるという展開でした。
衝撃であると同時に、納得感もある展開でした。

本作でも、実は2人は同一人物ということになっていましたが、時間軸が違うはずなのにこの2人が同時に存在してしまっていた上、それを話すのが本人なので、心の中の第一声は”は?”でした。

だって嘘をついているか、記憶違いを起こしているということですよね。

じゃあエンタメしてくれ

物語が薄くても映像や音楽にエンタメ性があれば楽しみるんですが、本作はずっと控えめなので感情を全く揺さぶられませんでした。

品や美的センスはすごく好みでしたし、こういう曖昧な作品、アート色が強い作品は大好きなのですが、芯となるテーマも見えてこなかったし、これだ!っていう展開もなく、きつかった。

俳優のファンだったら結構楽しかったかもしれない

俳優陣は素晴らしかったです。
演技も非常に良かったし、ビジュアルも最高でした。

正直、俳優の魅力だけで最後まで見れたところあります。

試写会の様子

参考サイト

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