ソフト/クワイエット (2022年) 92分【ネタバレ・考察】ヒス女たちにめっちゃイライラするし胸糞悪い。”Karen”たちによる人種差別&集団ヒステリーホラー。

ソフト/クワイエット

ネタバレ無し感想

これは凄い。どれだけ撮影大変だったんだろう。
全編ワンカットで迫力があります。
息苦しい映画です。

もはや殺人と集団ヒステリーの犯罪ドキュメンタリーです。
空気感の演出が生々しくて現場にいるような気分になります。
個人的には序盤の方がめちゃくちゃ緊張感ありました。

そして俳優たちが大丈夫か心配。
この内容だと本人たちに殺害予告とかきてそう。
主人公役の女性すごく良かったです。

実際に世界中に拡散された人種差別動画を元に製作された作品ということらしいです。

基本情報

Soft & Quiet
ソフト/クワイエット
2022年 92分

ソフト/クワイエット

https://joji.uplink.co.jp/movie/2023/17227

キャッチコピー『それは、しずかで、やさしい”怪物”』
キャッチコピー(英語)『An american nightmare』
製作国 : アメリカ
日本公開 : 2023年5月19日
アメリカ:2022年11月4日
ジャンル:ホラー / モキュメンタリー / スリラー

あらすじ

幼稚園に勤めるエミリーと5人の女性たちは白人至上主義のグループを結成する。多様性を重んじる風潮、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して盛り上がる。そして彼女たちは立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹と口論を始め…。

※参照元:U-NEXT


日本版 予告編

英語版 予告編

スタッフ

監督 : ベス・デ・アラウージョ
脚本 : ベス・デ・アラウージョ
製作 : ジョシュ・ピーターズ/サバ・ゼレヒ/ジョシュア・ベアーン=ゴールデン/ベス・デ・アウラージョ
製作総指揮 : ロビーナ・リッチティエッロ/ジェイソン・ブラム/ベアトリス・セケイラ
音楽 : マイルス・ロス
配給 : アメリカ:モメンタム・ピクチャーズ
日本:アルバトロス・フィルム

キャスト

エミリー:ステファニー・エステス
レスリー:オリヴィア・ルッカルディ
キム:ダナ・ミリキャン
アン:メリッサ・パウロ
マージョリー:エレノア・ピエンタ
リリー:シシー・リー
クレイグ:ジョン・ビーヴァーズ
ブライアン:ジェイデン・リーヴィット
ジェシカ:シャノン・マホニー
アリス:レベカ・ウィギンス
ノーラ:ニーナ・ジョーダン
マリア:ジョヴィータ・モリーナ

ポスター/パッケージ

 
 
 
 
 
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おせっかい情報

見る際の注意

胸糞映画です。

こんな人におすすめ

ドキュメンタリータッチの映画が好き。
リアリティのある作品が好き。
人種差別に対する関心が高い。

この作品が好きな人が好きそうな映画

※完全な偏見です。


 

Amazon Prime Video<字幕版>

ソフト/クワイエット

ソフト/クワイエット DVD

⚠️ネタバレ有レビュー⚠️

最初から陰湿

幼稚園の子供に『生徒が全員帰るまでモップがけはしないで』と有色人種の清掃員に注意させ、その子供の親には『怪我するところだったわ』とか言ってて死ぬほど陰湿だった。

しかも、その子供がパイを見て『美味しそう』って言ってたね。
あの子の歳だとハーケンクロイツ知らないのかな。

息苦しい映像

もう序盤からずっと緊張感ある映像で怖いです。
心拍数上がりまくりです。

主人公のエミリーが歩いているだけで、すごく不安になる映像と音。
パイを持って歩いているだけで怖いです。

この歩いているシーン、ずっとエミリーを正面から撮っていたのでどこに向かっているかわからず、嫌な感じがしていました。
木を挟んで正面カットから背面カットに変わったのはなんかオシャレでした。

事前情報を何も入れずに見たので、なんか長回し長くね?って思っていましたが、全編ワンカットなんですね。

鼻につく

途中ベンチでジャケットを脱いで荷物を整えていました。
すると後に合流することになる前科者のレスリーが通りかかり、荷物を運ぶのを手伝ってもらうことに。

パイは自分で持っているあたり、信頼していないんでしょうね。
このエミリーの嫌な感じわかりますか。

パイにビビった

そういう会なんだ。
てか、この映画そっち系の映画なんだ。

事前情報何も入れずに見たのでこのパイにもビビった。
なんかこの映画、前半ずっと怖い。

アーリア人団結を目指す娘たち

キム

https://www.imdb.com/title/tt14557188/mediaviewer/rm127680257/?ref_=ttmi_mi_11

教会でなんちゅう会合開いてんだよ。
『多文化主義と戦う。』そうです。
アーリア人、つまり白人至上主義的組織を作りたいということですね。

問題提起とキャラクター紹介を兼ねたいいシーンでした。
最初に発言していた女性は躊躇していましたが、話しているうちに誰も躊躇しなくなっていくのはすごいですね。
しかも、こいつらバカだなってのが一発でわかるあのまとまりも目的もない情緒的な会話。
いいですね(?)

ポリコレ

後に酒ばっか飲んでいるマージョリーは2年間働いている職場で出世するために頑張ってきたが、自分より職歴が浅いコロンビア人が管理職になったことに文句を言っていました。

これに関しては中身空っぽのポリコレ政策の被害者である可能性はありますが、映画を見た感じだとマージョリーが単純に無能だったんだと思います。

優遇措置

『黒人は自分の名前すら書けなくても大学に入れる』とも言っていました。
これは採用や大学にて実施されている有色人種の優遇措置の件についてだと思います。

歴史が違うので必要な措置だったのかもしれませんが、人種を理由に人を採用しているということは、一方で人種を理由に不採用になった人がいるわけですよね。
差別ですね。
採用や入試に関しては単純な実力主義でいいんじゃないかと思います。
この不満には共感しました。

発言

『”白人はクズ”と言っても非難されないのに白人が言えばとんでもないことになる』

そうですね。
特定の人種を指定して暴言を吐くのは基本どの人種でも言ったらアウトだと思いますが、対象が白人だとそんなに炎上しなさそうですよね。
白人もある種の差別を受けているという認識は世間には薄いかもしれません。

BLMへの疑問

『私たちの命も大事』

これはBLM真っ只中の当時からそう思っていました。
”黒人の命は大事”っていう運動ですからね。
そりゃそうなんですけど、命の大切さに人種関係ないでしょう。
”黒人虐殺撲滅”でしょう。

この運動が起こっていた頃、一方ではコロナが世界中で蔓延し、アメリカに住むアジア人が街中で暴行を受ける事件が多発していました。
少なくとも私が見たいくつかのニュースでは犯人はいつも黒人でした。
お前らもアジア人にはやってんじゃねーかよ。

多分この人種間での分断は定期的に繰り返され、一生解決されませんね。

KKK

この団体ってまだあるんだ。
『暴動も起こさないし、黒人を殺せとも思わない』
思ってるだろ。
お前妊婦だからあの現場にいなかっただけで、いたらやってただろ。

アメリカの建国

アメリカを建国したのは白人と言っていたのは胸糞が悪いですね。
先住民を虐殺して土地を奪ったわけですからね。
その後に黒人を連れてきて奴隷にしていたので横暴すぎますよね。
白人も憎まれるだけのことをしてきている結果がこの差別社会かもしれませんね。

ユダヤ人

『ユダヤ人をマスコミから追い出したい』

もうありとあらゆる方向への差別発言が止まらないじゃない。
無理だってアイツら頭いいんよ。
あれは子供の頃から死ぬほど勉強させられる宗教なのよ。
実力が伴っていないなら問題だけど実力があるなら追い出せないって。

アンチ・フェミニズム

『白人男性に望ましいのは家庭的な白人女性』

そしてどうやらエミリーはアンチ・フェミニズムのようです。
1960年を機に時代は変わってしまったと。
これに関しては専業主婦でもなんでも各々の家庭で好きにしなさいよ。

有害な男性性

冒頭の男の子にも、自分の夫にも有害な男性性(Toxic masculinity)を押しつけていました。

『私たち犯罪を犯したわけでもないのに』

ヘイトスピーチって犯罪じゃなかったっけ?と思って調べてみたらアメリカでは犯罪じゃないんですね。
表現の自由ということで何言ってもいいみたいです。
まあそうか。

タイトル回収

『私たちの雑誌の創刊号は過激な内容を避けましょう。ソフト&クワイエットで人々の意識を変えていくの』

このバカばっかりの初対面チームでそんな心理学のエキスパートがいても難しいことできるわけないじゃんと思ったら、これ伏線でしたね。

エミリーの理想像は想像がつきます。
でもこの女の頭の中、空っぽだからどうしようもないんですよね。
あくまでも冷静に狡猾にやりましょうみたいなこと言っておいで後半は集団ヒスみたいになってたのは滑稽すぎて恥ずかしいです!
いい脚本ですね。

牧師はまとも

こいつらの話している内容がヤバすぎて牧師が追い出しました。
懸命です。

刺激される共感性羞恥心

自分の本音を言えてスッキリ♪なんか舞いあがっちゃう♪って感じで調子に乗ってナチ式敬礼をするの恥ずかしい。
この空気感作った俳優たちすげーよ。
なんか現場にいるかのように空っぽの一致団結感伝わる。
そしてこの後この女たちが揉めるのも容易に想像がつく。

いい脚本ですね!

これツッコンでいいのよね?

男を紹介してもらう前に写真を見ないとみたいなこと言っていましたね。

『実際に会ってみて歯が汚かったら最悪』

レスリーの歯並びずっと気になってたんだけどこれはブーメランボケですよね?

学校建設

前科者のレスリーが行動的です。
古着屋さんのネットショップをやるから、その収益で学校を建設しようと言っていました。

『黒人やユダヤ人だけの学校もあるんだから白人だけの学校があったっていいじゃない』

ユダヤ人学校ってキリスト教学校みたいなもんでしょ?人種とは関係なくないですか?
黒人大学はあるそうですが、これ奴隷制度のせいみたいです。

アジア人登場

ソフト/クワイエット

https://www.imdb.com/title/tt14557188/mediaviewer/rm1571703297/?ref_=tt_ph_1_1

最悪のタイミングでアジア人が登場しました。
この会合でテンションが上がって無敵感に包まれた白人女たちです。

『1番高いワインを買うと言ったわよね。買いなさいよ』
って言ったときの顔が怖い。
この女優すげーよ。

ウエイトレスなのに300ドルのワインを買わされていました。

集団ヒステリースタート!

キムとアン

https://www.imdb.com/title/tt14557188/mediaviewer/rm3766505729/?ref_=ttmi_mi_8

『アイツらに痛い目に遭わせに行こう』

夫は気分を害している様子でした。
エミリーの夫、白人至上主義でもアンチ・フェミでもなさそうです。
マジかよ。普通、嫁の堂々たる人種差別の現場をみたら人間性疑いませんか。
離婚まっしぐらじゃん。

割と弱い夫

エミリーと夫

https://www.imdb.com/title/tt14557188/mediaviewer/rm1471040001/?ref_=ttmi_mi_5

夫は結構冷静です。

スマホは位置情報でバレる
音楽を止めろ目立つ
道路から遠すぎるから移動の際に目撃されるぞ
5分で出てこい

しかしながらこの白人女チームの暴走を阻止することはできなかったので男性性があるとは言えませんね。
もし、夫が”お前ら俺のいうことを聞け!帰るぞ!”って言ったらあのエミリーは”なんて男らしいのかしら///”って思ったのかな?
多分火に油を注ぐだけだよね?

亀裂が入るのはえーって

『あのコーヒー溢した女に書記を任せていいの?』

って早速悪口始まってんじゃん。
もうダメじゃんこのチーム。

不法侵入

アジア人姉妹のパスポートを見つけましたが、アジア人姉妹が帰ってきてしまいました。

そりゃあそうでしょ。
ワインをコンビニで買ったなら家に帰って飲むでしょ。
なんでターゲットの行動予想できないんだよ。

ほんとこいつら論理力がゼロのチームじゃん。
そしてさっきまで”やってやりましょう!”みたいな覇気があったエミリーですが、姉妹が帰ってきた途端にひよっています。
もう勘弁してくれって。マジでずっと頭回ってないじゃん。
マンコで物事を考えてんのかよ。

盛り上がってまいりました

レスリーとキムの言い合い

https://www.imdb.com/title/tt14557188/mediaviewer/rm3181133569/?ref_=ttmi_mi_9

もう後に引けません。
姉妹に見つかってしまいました。

おかしくなった女たちは2人を拘束し、妹にナッツを食わせ、お酒を流し込みます。
すると妹はピーナッツアレルギーだったようでアナフィラキシーショックを起こしてしまいました。

姉のアンが『私の部屋に注射がある!』と言い、レスリーが取って持ってきましたが、戻ってきた頃には妹は息をしていませんでした。
すると『もう間に合わないね』と言って注射器を捨てました。

前科者マジやべー奴じゃん。

押し付け合いのヒステリー

今度はみんながみんな人のせいにし始めました。
怒鳴り合い、叫び合い。

自分では何もできないエミリーはレスリーに怒鳴ったことを謝罪し、姉の処理を頼みます。

するとレスリーは
『その代わりに古着屋のモデルになって』
と。

今その話!?
こいつサイコじゃん!
あっという間に窒息させてました。

パニック・マヨネーズ・クリーニング

何このパニック・クリーニングシーン。
ウケんだけど。

そのまま出て行こうとして子犬のことを思い出して棚から出してあげていました。
カメラが出そびれたのかと思いました。

ラスト

死体を湖まで運び、沈め、白人女たちは立ち去ります。

すると窒息死したかと思われた姉が生きていて水上に上がってきたところで映画は終わります。
よく死んだふりして息止めてたね。
数の暴力だし、キムは銃を持っていたし1番賢いね。

姉が生きているってことは、あの後は全員逮捕で刑務所エンドだ。

胸糞悪い

最悪すぎるでしょ。
エミリーの兄はアジア人姉妹の姉であるアンをレイプした刑で刑務所にいます。
そしてエミリーはアジア人姉妹の妹を殺しました。

アンが可哀想すぎるって。
エミリーとアンは同級生ということでしたが何があったんだよ。

人種差別する連中は知能が低いことがわかりました。

本作の元となった事件

セントラルパークのバードウォッチング事件
2020年5月25日

ある日、セントラルパークで、黒人男性であるクリスチャンはバードウォッチングをしていた。
そこに犬の散歩中の白人のエイミーが通りかかった。

そのエリアは犬にリード着用を義務付けられているにも関わらず、エイミーは犬にリードを付けずに散歩していたため、クリスチャンが注意をした。
しかし、エイミーはそれを拒否した。

様子がおかしいと思ったクリスチャンは動画を回し始めた。
エイミーは警察に『アフリカ系アメリカ人がいます。私と私の犬を脅している。今すぐに来てください。』と通報。

しかし、警察が現場に到着したとき、すでに2人の姿はなかったとのこと。

クリスチャンが撮影した動画はSNSで瞬く間に広まった。
結果、エイミーは当時勤めていた会社を懲戒解雇となり、警察への虚偽通報で起訴された。

この事件はBlack Lives Matterの発端となったジョージ・フロイドが警察に殺害された事件と同日に起こった。

引用元:Central Park birdwatching incident – Wikipedia

アメリカで使われているスラング”Karen”

白人女性であることに特権意識があり、クレーマー気質な上流・中流階級の白人アメリカ人女性を指す。
イメージは、クレームの際に「上のものを呼べ」と要求したり、人種差別的であったりする。
40代以上のイメージが強い。
この用語は、セントラルパークのバードウォッチング事件の余波で普及した。

2020年、この言葉はCOVID-19パンデミックやジョージ・フロイド抗議活動など、メディアやソーシャルメディアで頻繁に登場した。ガーディアン紙は2020年を「カレンの年」と呼んだ。

アフリカ系アメリカ人の文化では、扱いにくい白人女性や、自分の立場を「武器にする」女性を一般的な蔑称で呼ぶ歴史がある。
南北戦争以前の時代(1815~1861年)には、「ミス・アン」が使われていた。
1990年代初頭には、「ベッキー」が使われていた。

Karen’s Dinerという接客態度最悪を売りにしたレストランがある。

 

引用元:Karen(slang) – Wikipedia

これ誰が撮ったんだろう

ベス・デ・アラウージョ
Beth de Araújo

ベス・デ・アラウージョ

https://filmmakermagazine.com/people/beth-de-araujo/

ブラジル系アメリカ人の女性監督でした。
中国系アメリカ人の母とブラジル人の父の間に生まれ、アメリカとブラジルの二重国籍を持っているそうです。
ならではの作品ですね。

参考情報

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